発達障害の子どもの中には、学習障害ではないけれど読み書きが苦手で困っている子がいます。どうして読み書きが苦手なのか?その理由と、お母さんができるサポートをお伝えします!
1.発達障害の子どもが読み書きが苦手になる理由
発達障害の子どもは学校での困りごとが沢山ありますが、特に授業で困るのが読み書きの苦手。学習障害ではなくても、授業で困っている子どもたちが沢山います。
うちの長男は読み書きが苦手なので授業中のノートもほとんど取っていません。
それでも、先生は長男の特性を理解してくださっているので「ノートを取りなさい!」とガミガミと言うことはせず、見守ってくれています。
でも、読み書きが苦手な子の中には、理解してもらえないまま学校で大変な思いをしている子がいます。
学習障害という診断があっても、理解してもらうのは難しいこともあるんです。 お子さんは、
・ノートをきちんと取っていますか?
・字がすごく汚かったりしませんか?
・宿題で、読み書きを特に嫌がったりしませんか?
・板書や書くのに、人より時間がかかりませんか?
いくつか当てはまる場合は、読み書きが苦手な可能性があります。でも、読み書きが苦手と言ってもその原因がどこにあるかは様々です。
例えば、目の動きに苦手がある場合。遠くから近くを見る時にピントを調整するのに時間がかかると板書が遅くなってしまいます。 書くこと自体に苦手がある場合は、
・手の筋力の問題
・手の動きのコントロールの問題
・書きたいことをアウトプットすることが苦手
という理由が考えられます。 読むことが苦手な場合も、関係するスキルのどこかに苦手があると読むことが大変になります。
このように原因は様々で、調べてみないとどこに原因があるかはわかりません。
もちろん、調べることによって苦手を助けるためのサポート方法がわかるので、苦手の原因を知ることもいいと思います。
2.今の時代に、そんなに読み書きって大事でしょうか?
でも、まずお母さんたちに知ってもらいたいのは、読み書きが苦手な子どもはみんなと同じレベルで読み書きについていくのがとっても辛い!ということです。
読み書き苦手のレベルも、頑張ればついていける子、頑張ってもついていけない子と様々です。
そんな中でも一生懸命やっているのに、大人に「早くしなさい!」「ちゃんと、頑張りなさい!」と言われたらどうでしょうか?
頑張っているのにわかってもらえないと辛いし、余計に読み書きが嫌いになってしまうかもしれません。
そして、板書が苦手な子どもは書くのに精一杯になってしまうと、授業が全く聞けないということにもなります。
そうなったら本末転倒!なんのために授業を受けているのかわからなくなります。
そもそも今の時代に、そんなに読み書きって大事でしょうか?
読むことはある程度必要かもしれませんが…書くことはあまり必要がなくなるかもしれません。
実際に学校でも、学習障害と認められればICT(情報通信技術)を使えるケースも増えてきています。
例えば、書くのが苦手ならパソコンでノートを取ったり、読むのが苦手であれば音声読み上げ教材を使ったりすることができます。
発達障害の子どもたちもICTを上手に活用すれば、読み書きに苦手があっても効率よく学ぶことができるし、怒られずにすむのです。
それなのに、苦手をガミガミ言われて自信をなくし、得意なことまで力を発揮できなくなるなんて、ナンセンスだと思いませんか?
とはいえ、学校の仕組みをすぐに変えたりすることは難しいこと。次の章ではお母さんができることをお伝えしていきますね。
3.学習障害ではなくても読み書きが苦手な場合、学校にお願いできること
まず、子どもをよく観察してみてください。
子どもがサボっているのか?苦手なのか?苦手が強そうだなと感じる場合は発達障害の特性が関係していることもあります。
その場合は頑張ってもできない!という状態なので、お子さんの負担を減らしてあげることができます。
例えば宿題の量が多くて子どもにとって大変すぎるなら、お家では半分手伝ってあげてもいいかもしれません。
お子さんが一生懸命に頑張っているのであれば、宿題をやった量は少なくても努力を誉めてあげてくださいね。
お母さんに頑張りを認めてもらえれば、また次も頑張ろうというモチベーションにつながります。 そして、担任の先生には
・宿題がつらそうであれば量を相談してみる
・ノートの綺麗さを求めないようにしてもらう
・ノートを取るのが難しい場合、可能であればプリントを用意してもらう
など、相談してみるといいと思います! 読み書きが苦手で学習に困難がある場合、お子さんの状態に合わせて個別に対応する必要があります。
支援する方法も色々あるので、子どもに合った方法があればそれを学校に伝えてみてください。
学習障害の診断が出ていないからといって、ただ頑張らせても大変で嫌になってしまうかもしれません。
本人が頑張っているのを理解してもらえるように、まずはお母さんが先生に相談してみてくださいね!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)