距離が近すぎて嫌がられていることに気付かないADHDタイプ…。お友達が離れていく原因はパーソナルスペースがわからないことにあります。今回は、お母さんができる距離感の教え方をご紹介します!
1.ADHDタイプの長男のお友達が離れていく原因は距離感でした
今まで遊んでいたお友達が離れていってしまったり、避けられていることが見えて我が子のことが心配になっていませんか?
・うまく遊んでほしいのに、結局喧嘩になってしまう。
・暴言を吐いて、相手の子を泣かせてしまう。
・最終的に手が出てしまう。
・暴言を吐いて、相手の子を泣かせてしまう。
・最終的に手が出てしまう。
こんな関わり方をしていることで、小さいころから遊んでいたお友達に敬遠されるようになってしまった、というお悩みを抱えているお母さんは多いです。
我が家も例外ではありません。
我が家の長男は 注意欠陥多動性障害(ADHD)のグレーゾーンです。
今でこそ困る行動はほとんどなく落ち着いている長男ですが、少し前まで人との距離が近くて嫌がられるということがありました。
突然お友達の肩を抱いて歩き始めたり、顔を近づけて話しかけたりするからです。
距離が近くても気にならないタイプの子同士とならお互い気にしないで仲良くやれますが、近づかれるのが苦手なタイプの子にもガンガン距離を詰めるので、結果「気持ち悪いっ!」と言われてしまったりしていました。
次男は近づかれるのが苦手なタイプなので、毎日朝から兄がベタベタ近づいてくることに「ヤメてーーー!」 と絶叫しています。
長男は昔からこの距離感のせいで、何度トラブルがあったかわかりません。
本人は「大好きだよ」「仲良くしたい」「一緒にあそぼうよ」という親愛の気持ちをこめて抱きついているつもりかもしれないのですが、誰でもかまわず抱きついたり、相手が「やめて!」と言っているのに繰り返しやるので「しつこい」「わざとやってる」と誤解されたりします。
その誤解からケンカになったり、拒否されたことに対して暴言が出てしまったり、手が出てしまったりするのです。
お子さんは人との距離はどうですか?「うちもそう」と感じた方、「どうして近いの?」と思いますよね?
それはパーソナルスペースが関係しています。
2.自分のパーソナルスペースはどのくらいか知っていますか?
私たちは自分以外の誰かと接する際に、いろいろな「距離」を取っています。
そのときに自分のまわりにできるこの距離の範囲を「パーソナルスペース」と呼びます。
自分のまわりに、木の年輪のように何重もの「輪」があると想像してみてください。
1つ目の輪の中には自分しか入っていません。
その次の輪には、パートナーや子ども、自分の両親、そのまた次の輪には親戚の人、友人…といった具合に広がって行きます。
この輪の中に誰を入れるのか、その輪の幅が広いのか、せまいのかは自分と相手との関係性によります。
相手との距離を広く取るのか、せまく取るのかは無意識に自分の意志で決めているのです。
私たちにも経験がないでしょうか?
初対面なのに妙に近づいてくる人に「なれなれしい」と思ったり、反対に自分では親しいと思っている人に距離を取られてしまい「よそよそしい」と感じたりするのは、このパーソナルスペースがあるからなのです。
つまり、人には誰にでもそれぞれ心地よい距離感があるということなんです。
この距離感をつかむのに手がかりとなるのが「視線」「声の大きさ」「接触」「表情」などの非言語のコミュニケーションです。
そして、ADHD・グレーゾーンの子どもは脳の発達にアンバランスさがあるため
・相手の表情や気持ちが読み取りにくい
・自分の気持ちを言葉で伝えるのが難しい
・ダメと分かっていてもやめられない
などの困り感を抱えていることが多く、この距離感をうまくつかんでパーソナルスペースを理解することが難しいです。
・相手の表情や気持ちが読み取りにくい
・自分の気持ちを言葉で伝えるのが難しい
・ダメと分かっていてもやめられない
などの困り感を抱えていることが多く、この距離感をうまくつかんでパーソナルスペースを理解することが難しいです。
そのため、コミュニケーションの機会を逃したり、誤解されたり、対人トラブルにつながったりしてしまいます。
お友達が離れていくのを見るのは親として切ないですよね。子どもには人間関係での傷つき体験はできるだけしてほしくないと思います。
将来豊かな人間関係を築くためにも、人との適切な距離の取り方について教えてあげるためにはどうしたら良いのでしょうか?
3.ADHDタイプの子どもへの近くなり過ぎない距離感の教え方
非言語コミュニケーションが苦手なADHDタイプの子どもへの距離感の教え方を説明していきますね。
①子どもの気持ちをことばに出して伝える
まずは、お家でお子さんがお母さんやきょうだいにくっついてきたときは
「くっつきたいんだね」
「遊びたいんだね」
とお子さんの思いを言葉にしてあげることから始めて下さい。
「くっつきたいんだね」
「遊びたいんだね」
とお子さんの思いを言葉にしてあげることから始めて下さい。
「もう〇年生だからダメ!」など突き放すのではなく、一旦は受け入れてあげましょう。
急にスキンシップを禁止したりすると、混乱したり、ストレスが増してしまいます。
スキンシップには色々な種類があります。
例えば、
・モノを手渡しする
・ハイタッチする
・握手する
・一緒にソファーにすわってTVをみる
・お風呂上りにクリームを塗ってあげる
など、これらも立派なスキンシップになります!
・モノを手渡しする
・ハイタッチする
・握手する
・一緒にソファーにすわってTVをみる
・お風呂上りにクリームを塗ってあげる
など、これらも立派なスキンシップになります!
このように、人に抱き着く以外にも「嬉しい」「楽しい」という気持ちを共有できる方法があることを伝えてあげましょう。
②パーソナルスペースに関して具体的に伝える
子どもに距離の取り方を教えてあげるときに
「離れて」
「離れて」
「近づかないで」
「広い」
「せまい」
ではうまく伝わりません。
ではうまく伝わりません。
具体的な距離感を言葉にして伝えることがポイントになります。
一般的に親密さをあらわすパーソナルスペースは約50センチです。
例えば、
・「前ならえ」をしたときに相手にぶつからない広さだよ
・机1個分はあけようね
・(実際にメジャーを見せて)50センチってこれくらいだよ
・半径50センチくらいのフラフープの中に入ってみる
など目で見たり、感覚で感じられるようにしてあげてください。
・「前ならえ」をしたときに相手にぶつからない広さだよ
・机1個分はあけようね
・(実際にメジャーを見せて)50センチってこれくらいだよ
・半径50センチくらいのフラフープの中に入ってみる
など目で見たり、感覚で感じられるようにしてあげてください。
これだけじゃ子どもに伝わらない…と感じたときはちょっとしたゲームにしてみるのもオススメです。
まず、「話をするときにちょうどいい距離をとってください」と伝えます。
子どもに「ここまできたら近すぎ」「このぐらいがちょうどいい」ということを自由に伝え合ってもらいます。
きょうだいやお友達同士でやると、楽しみながらも人それぞれ心地いいと感じる距離が違うことをより深く理解することができるようになります。
そして子どもがよい距離感を保てているときには褒めてあげることで、このくらいがいいのかと覚えさせてあげてくださいね!
小学生になってくると、今まで「かわいい」と許されていた抱きつきなどの行動も、不自然になってきます。
そうなると私たち親も「しつけなければ!」と焦ってしまいがちです。
しかし指摘すればするほど本人は「否定された!」と思い、ますます悪循環になってしまいます。
「急に抱きついたらびっくりするよね」など、社会のルールを折に触れ教えつつ、お母さんとのコミュニケーションでお子さんのトラブルの原因を減らして行けると良いですね!
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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