当時小学3年生の息子は、漢字を覚えるのがとても苦手でした。発達特性があると、苦手なことに取り組む時のエネルギーが人一倍必要なことがあります。この体験から私たちが試した楽しく覚える工夫や効果的な学習法をご紹介します。
1.だんだん漢字が覚えられなくなってきた小学3年生の頃の息子
学年が上がるごとに漢字が覚えられなくなる、そんな経験はありませんか?
我が家の息子は、注意欠如・多動症(ADHD)と自閉スペクトラム症(ASD)のミックスタイプです。
もともと覚えることが苦手ではありましたが、小学校1年生、2年生の頃は、そこまで苦手としていなかった漢字。
ところが、漢字の学習量がグッと増える小学校3年生になってからは全然覚えられなくなってしまいました。

習う漢字の字数や画数が増え、
音読みと訓読みがたくさん出てきて混乱する。
漢字の意味がイメージしにくくて覚えられない。
ということがよくありました。
そこに加えて、漢字を何回も書く宿題が出される日々。
苦手なことに取り組むのにすごくエネルギーが必要な息子にとって、全然楽しいと思えない漢字練習に取り組むのは、本当に大変そうでした。
2.ワークをやってもママが問題を出しても覚えられない漢字
一人で取り組むのは難しいと感じ、私も一緒に漢字練習に取り組みました。
ワークをやったり、私が問題を出してあげて漢字を書かせたりしましたが、効果は今ひとつでした。
「漢字だけを練習しても意味がわからなくて、覚えにくいのかもしれない。だったら、文章を読んで漢字に直せるところは直していく形式のワークをやってみたらいいかも!」と思いトライしてみました。
それでもやっぱり覚えられない…。

本人も私も「昨日覚えたのに…」と悲しい気持ちでいっぱいでした。
やっても次やると忘れていて、本人の漢字への勉強意欲が削がれていくばかり。
このままでは漢字がますます嫌いになってしまう…と不安が募っていきました。
漢字に対する”嫌だな”と思う気持ちがありながらも、本人なりに頑張って取り組む子どもの姿を見て、どうにかできないかなと考えていました。
3.子どもの脳を発達させるのは「楽しいと感じる」こと
そんな時、発達科学コミュニケーションで学んだことで思い出したことがありました。
子どもの脳は、「楽しいと感じる」ときにこそ伸びる。
もともと苦手なことでも、面白さやワクワクするものがあれば、「大変だけどやってみよう」と思えるかもしれない!
そこで私は、息子が興味を持ちやすい方法で漢字を覚えられる工夫をしてみることにしました。

「興味を持ちやすいことってなんだろう?」と考えた時、毎週欠かさず見ているアニメや自分の立場に置き換えた話題がいいのではと思いました。
よく内容を知っているアニメならイメージがつきやすいし、自分のこととして想像できれば面白さも感じやすい。
さっそく、このやり方を試してみました。
4.子どもが理解しやすい説明&オリジナル問題でやる気がアップ!
私が試したやり方のポイントは2つあります。
・子どもが興味を持ちやすいネタを入れる
・音読みと訓読みをまとめて出す
①アニメに置き換えて説明する
例えば「勇」という漢字を覚えるとき、当時息子がハマっていたアニメの主人公を例えにしました。
勇という字なら、勇者!勇者は勇ましいというイメージを持てるとどうだろうと思って「主人公ってなんだっけ?」と聞きました。
「勇者だよね!勇ましいっていうのは、勇者みたいな様子のことをいうんだよ」
このやりとりで漢字にイメージがつくと一気に理解が進みました。

②子どもの立場に置き換えて説明
「登る」という漢字を覚えるときは、「(子どもの名前)くんは、初めて山に登った。初めての登山だったので、疲れすぎてヤバかった」というように、子どもの立場に置き換えて問題を出しました。
子どもは、この文章を聞いて自分のその姿を想像するので、少し面白くなる。
さらに、音読みと訓読み、2つの読み方”のぼる”と”と”を一気に問題として出すと、『登』の漢字のイメージもつきやすい。
こうした方法で、音読み訓読みの違いに混乱していた息子もスッと覚えられるようになったのです。
学校の小テストでもたくさん丸がつくようになり、「ママ、漢字やろう!」と自分から言ってくれるようになりました。
5.苦手なことでもやり方次第でできるようになる!
今回の経験で、「苦手なことでもやり方次第で伸ばせる」ということを実感しました。
すごく得意にはならなくても、「前よりできるようになる」のは、やり方と関わり方次第です。
そのためには、ママや子どもに関わる大人が「脳の発達する仕組み」を知り、その知識をどうやって活かすか考えることが大事です。

私自身、子どもの苦手が見えたとき、ただ不安になることはなくなりました。
「好きなものや興味があることって何かな?どうやったら楽しいと思えるかな?」という視点で考えられるようになったからです。
これからも息子に「楽しい」と感じられる体験をたくさんさせていきたいと思います。
執筆者:高田紗也子
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
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