子どもが学校に合わない本当の理由と不登校を防ぐために家庭でできるサポート方法

「学校が合わない」と感じる子は、発達障害が関係していることがあります。無理に通わせるよりも、SOSのサインに気づき、家庭で安心できる関係と環境を整え、寄り添うことが回復の鍵です。ママの声かけと見守りでできるサポート方法をお伝えします。
 
 

1.「学校行きたくない」と泣くのはなぜ?息子の様子から気付いた本当の理由

 
 
朝になると、子どもが「学校行きたくない」と泣き出してしまう。何とか登校させようとしても、教室に入れずに保健室や廊下で過ごすこともある。
 
 
そんな様子が見られると「どうしてうちの子だけ…?」と胸が締めつけられる思いをしたことがあるお母さん方も多いのではないでしょうか。
 
 
私も息子が「学校へ行きたくない」と言い出した時に、なんとか保健室や別室での登校でもいいからと、無理矢理学校へ連れて行っていました。
 
 
 
 
毎日格闘の上、なんとか学校に引っ張って行く毎日…。
 
 
そのうち「学校潰れろ!」と言うようにまでなってしまった息子を見て、気がついたのです。
 
 
もしかして、学校が“合わない”のかもしれないと。
 
 
実は、発達障害グレーゾーンの子どもの約8割が登校しぶりや不登校を経験しているといわれています。(2024年4月パステル総研WEB調査より)
 
 
 
 
このことから、発達障害グレーゾーンの子どもは「学校に行きづらさを感じやすい」ということがわかります。
 
 
つまり、「学校が合わない」というのは、その子が悪いわけでも、親の育て方が悪いわけでもないのです。
 
 
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2.なぜ発達障害グレーゾーンだと登校しぶりや不登校になってしまうのか?

 
 
発達障害やグレーゾーンと呼ばれる子どもたちは、学校という環境で感じるしんどさの理由が、他の子とは少し違います。
 
 
発達障害グレーゾーンの子どもたちは、見た目には“普通”に見えるため、周りから理解されにくいという問題を抱えています。
 
 
 
 
理解されにくい、誤解を受けやすい原因になるのは次のような特徴があります。
 
 
・コミュニケーションが苦手で、相手の気持ちを読み取るのが難しい
 
 
・感覚が敏感で、音や光、においに強いストレスを感じる
 
 
・集団行動が苦手で、周りと同じ行動を求められる場面に疲れやすい
 
 
・衝動的な行動や集中力のムラがある
 
 
・周りと比べて成長のペースが違うため、自己肯定感が下がりやすい
 
 
こうした特徴は、発達障害の子の脳のはたらきからきていて、学校が合わないことでしんどさを感じたり、疲れやすくなります。
 
 
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3.学校が合わないのは子どもや親のせいじゃない!発達障害グレーゾーンの子どもと学校生活のズレ

 
 
日本の学校生活では、「みんな一緒に」「静かにする」「指示に従う」というルールが重視される事が多いです。
 
 
授業中はじっと座り、友達と協力しながら活動し、決められたスケジュールに沿って一日が進む。
 
 
このような環境は、集団生活が得意な子にとっては安心できますが、発達障害グレーゾーンの子どもにとっては非常に負担の大きい環境に感じられているかもしれません。
 
 
学校では、次のような状況になることがあります。
 
 
・周囲のペースに合わせるのが難しくとても疲れる
 
 
・音や声、照明などの刺激で集中しづらい
 
 
・集団の中で自分の居場所を見つけにくい
 
 
・急な予定変更や曖昧な指示に混乱しやすい
 
 
 
 

こうした状況は、子どもにとって“安心できる環境”とは言えず「どうして自分だけうまくできないんだろう」と感じやすいものです。

 
 
そして、周りに合わせようと一生懸命頑張るほど、かえって周囲との違いを強く意識してしまい「学校=頑張っても報われない場所」と認識しやすくなってしまいます。
 
 
その結果、「自分はダメなんだ」「どうせまた怒られる」と自己否定の気持ちが強くなり、学校そのものが“自分を苦しめる場所”のように捉えるようになっていくこともあるのです。
 
 
ここで大切なのは、「学校が合わない=悪いこと」ではないということです。
 
 
子どもに合わない環境で無理に頑張らせることは、 心のエネルギーを消耗させるだけです。
 
 
子どもが学校生活にうまく馴染めないと、「もっと頑張らせなきゃ」「どうにか行かせなきゃ」とお母さんが焦ってしまいがちですが、大切なのは「その子に合う関わり方を見つけていくこと」なんです。
 
 
それが長い目で見て子どもの力を伸ばすことにつながります。
 
 

4.子どもの不登校はSOS!学校が合わない子に家庭でできる3つのステップ

 
 
発達障害グレーゾーンの子どもが、自分らしく成長していくために必要なのは「安心できる関係」と「環境づくり」です。
 
 
そのために今日から始められる3つのステップを紹介します。
 
 
① 叱るより理解する
 
 
子どもが問題行動をしてしまったとき、つい叱ってしまいがちですが、行動には必ず理由があります。
 
 
「どうしてそんなことをしたの?」と原因を問い詰めるのではなく、「何がイヤだったの?」「どんな気持ちだった?」と理由の気持ちに寄り添って聞いてみましょう。
 
 
こうした理解の姿勢は、「聞いてくれる」「わかってもらえる」という安心感を生み、子どもの心のエネルギーを回復させます。
 
 
② 家庭を安心安全の場所にする
 
 
つい「早くしなさい」「頑張って」と言いたくなる気持ちもありますよね。
 
 
まずは、「あなたのままで大丈夫だよ」とやさしく伝えてあげましょう。
 
 
家庭が疲れた心を休められる「安心安全基地」であることが、お子さんの回復の第一歩です。
 
 
③ 無理に学校に合わせない
 
 
学校に行けない=失敗ではありません。
 
 
行ける日は登校し、行けない日は無理に連れて行かず家で安心させる。
 
 
無理に通わせようと焦るのではなく、子どものペースを尊重することが、自信を守る第一歩です。
 
 
 
 
お母さんが子どもを受け入れて見守る姿勢を示すことで、学校が合わない子どもも「無理に頑張らなくても大丈夫」と安心を感じ、少しずつ自分のペースで学校に向き合えるようになります。
 
 
この3つのステップを意識するだけで、安心できる環境があることが子どもの自信を取り戻し、自分らしさを発揮できるようになります。
 
 
多くのお母さんが「もしかして発達障害なのかも?」と気づくのは、登校しぶりや不登校など、困りごとが表面化してからになり、対応が後手になってしまいがちですが、今この知識を知った瞬間から関わり方を少しずつ変えていけば大丈夫です。
 
 
登校しぶりや不登校は「怠け」ではなく、子どもからのSOSで「これ以上つらい環境では頑張れない!」という、心の限界サイン。
 
 
お母さんが理解者になり、少し肩の力を抜いて見守りながら声をかけることで、お子さんは再び自分を信じて希望を持って歩き出せるようになりますので、SOSのサインが出た時は早めに「今日は無理に頑張らなくていいよ」と伝えてみましょう。
 
 
このお母さんの声かけが、子どもにとって「お母さんは味方だ」と感じられる大きな安心につながり、動き出すための第一歩になります。
 
 
 
 
執筆者:山本みつき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
お母さんが理解者として寄り添うことで、登校しぶりや不登校の子どもは少しずつ自分のペースで学校に向き合い、自信と希望を取り戻せるようになります。寄り添ったあと、次にやることは電子書籍に書いていますので気になったら読んでみてくださいね!
 
 
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