「褒めてるのに、全然響かない…」と子どもの褒め方に迷いを感じていませんか?特に不登校や登校しぶりのADHDグレーゾーンの子どもは、褒め方を少し変えるだけで自信とやる気が戻ります。この記事では、褒めても伝わらない理由と子どもに響く言葉の伝え方を紹介します。
1.やる気ゼロ、いくら褒めても動かないことが続く毎日
不登校や登校しぶりが続くと、「自信を取り戻してあげたい」と思って褒めているのに、いくら褒めても動き出さない…元気にならない…。そう感じたことはありませんか?
特に、注意欠如・多動症(ADHD)や発達凸凹の子どもは、やる気スイッチが入りにくく、ママが一生懸命褒めてもなかなか行動に結びつかないことがあります。
たとえば、お子さんが学校を休みがちになったときに、自信を回復させようと必死に声をかけても「できてないもん!」と機嫌が悪くなることがあります。

何もやる気が起きず、歯磨きやお風呂など当たり前のことへの切り替えや行動がスムーズにできなくなり、暴言、癇癪が増えてしまうことも…。
こうなると「うちの子、もう褒めるところなんてない…」そんなふうに感じているママも少なくありません。
では、なぜ褒めているのに自信を取り戻せないのでしょうか?
実は、ADHDグレーゾーンの子どもは「褒められてもピンとこない」ことがあり、そのためやる気や行動のスイッチが入りにくくなりやすいので、「褒め方」が大事なポイントです。
次の章では、ピンとこないその理由を脳のしくみからわかりやすく説明していきますね。
2.ADHDや発達凸凹の子が褒められてもピンとこない理由
ADHDや発達凸凹の子どもが「褒められてもピンとこない」のは、褒められた情報が脳でうまく処理されにくいからです。
そのカギとなるのが、脳の前頭葉という部分の働きです。
ADHDや発達凸凹の子どもは、この前頭葉の働きをコントロールするのが少し苦手な傾向があります。
そのため
・褒められても自分のこととして受け取りにくい
・過去の失敗経験がよみがえり、不安やネガティブな気持ちが先に反応してしまう
・「やらなきゃ」と思っても行動に移しにくい
といった状態が起きやすく、結果として褒められてもピンとこなくなるのです。

だからこそ、行動を変えるためには特性に合ったサポートが大切です。
その中でも特に効果的なのが「褒めること」です。
ただ褒めるのではなく、脳の働きから起こる特性に合った褒め方をすると、脳の中で「ドーパミン」という「うれしいと感じるホルモン」が出て、前頭葉の働きが良くなります。
その結果、やる気スイッチが入りやすくなり、少しずつ行動につながっていくのです。
では、具体的にどんな褒め方をすればいいのか紹介します。
3.自信とやる気が戻ってくる!不登校の子どもの心に響く褒め方
ADHDや発達凸凹の子どもにはどんな褒め方が効果的かというと、「できていることを褒める」ことです。
褒めるとは、子どもが「やろうとしたこと」や「チャレンジしたこと」を事実として認めること。
結果ではなく、行動に目を向けて伝えることで、子どもは「自分はできる」という自信を少しずつ取り戻していきます。

たとえば、私のところで学んでいる生徒さんは、この声かけを続けたことで親子の毎日のバトルが減り、不登校になりそうで心配だった状態がうそのように毎日登校できる子に変わりました。
実際に使った声かけはこんな言葉です。
「自分で宿題やろうとしたんだね!」
「今朝は昨日より早く起きたんだね!」
すると、学校から帰ると自分から宿題を始め、わからないところがあると「ママ手伝って~。」と穏やかに頼めるようになりました!
また、身辺の自立も調子がよかった頃のようにスムーズに進むようになったそうです。
この対応で注意したいのは、なかなか自信が取り戻せないと感じる子は勘が鋭かったり相手を見抜く力があるので、うわべだけの「すごいね!」「えらいね!」など間違ったほめ方をするとむしろ不信感につながることもあるということです。
ADHDグレーゾーンや発達凸凹の子どもはうわべだけの言葉よりも、実際にやっていることを伝えてあげる方が、事実なのでずっと心に響きます。
やる気がなく見える我が子を前に不安を感じているママへ。
焦らず「できていることを褒める」という一歩から子どもの自信を取り戻していってくださいね。
執筆者:山本みつき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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