やる気スイッチが入って自分から「やる!」と言ったのに続かない…習い事に行き渋ることにイラっとしてしまうことはありませんか。一度始めたものは続けてほしい、そんな親心を実現させた「子どものやる気持続回路」を探す方法をご紹介します!
1.行きたくない!?「自分からやりたい」と言ったのに行き渋る息子
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)のグレーゾーンです。
幼いころからなにかとほかの子と違う行動に振り回されて来ました。
周りの子と違うことは息子の良いところでもあったのですが、違うことでズレが起きて対応に困ることもありました。
興味が移りやすくなんでも興味を示すので、「やってみる?」と聞くとすぐに頷いていました。
幼いころはなんでも挑戦してみる気持ちと、人見知りもほとんどなく一人でも入って行くことに感心していましたが、一方で興味のうつりやすさからすぐに飽きてしまうことに困っていました。
体験会など1回だけのものはいいですが、これやりたい!と言って習いごととして始めるとなると、指定の道具を用意したりとお金がかかります。
習いごととしてせっかく道具をそろえたのに、やる気が続かなくて行く時間になっても支度をしなかったり、「えー今日はいやだなー」とグズグズしたりと行き渋ることがありました。
送迎や付き添いなど、親としてもやることが増える中で通わせているのに、「えー、行きたくなーい。」と言われると思わずイラっとしてしまっていました…。
一度始めたものはきちんとやらせたい、続ける力を身に付けさせたいと思う気持ちもあり、「自分でやるって言ったんでしょ⁈」と怒って無理矢理連れて行くこともありました。
このように、いくら息子のやる気スイッチを押してもやる気持続回路に繋がらないことをどうにかしたいと思っていました。
2.理解力とやる気のコントロールに苦手があるADHDグレーキッズ
ADHDグレーキッズは脳の一部に発達がゆっくりなところがあるので、どうしても自分の意思ではできないことがあります。
例えば息子でいうと、理解力に苦手があり、ルールややり方がわからないままやっているということがありました。
見て真似するようなものはいいのですが、決まり事や、考えて取り組まなければいけないことはよくわかっていませんでした。
だから、こうやってやるといいよとアドバイスしてもその場面に繋がらなかったり、コーチから注意されても意味がわからなくて怒っていることもしょっちゅうでした。
また、ADHDグレーキッズはなにかをやろうとするときに必要な「やる気」のコントロールが苦手です。
やる気に関係する脳内の伝達物質の不足や、コントロールに関係する脳の発達の未熟さから「嫌なことでもやろう」という気持ちになれずにいます。
もともとやる気が出しにくいので、少しでも嫌だなという気持ちがあるものは余計に行動に繋がりません。
そのため、いくら「自分がやりたいって言ったんだからきちんと行きなさい!」と怒ってもあまり効果はないんです。
それどころか「叱られた!」というネガティブな感情が増えることで、より一層やる気が出にくくなってしまって行き渋るという悪循環になっている可能性もあります。
では、そんな子どもに理解力ややる気を出させるにはどんな方法が良いのでしょうか?
3.見つけた!我が子の「好き」から「やりたい」回路に繋げる方法
自分でやると言ったのに、行き渋る息子をどうするか…悩んだ挙句、まずはルールから覚えさせることにしました。
習い事によってルールは違いますよね。
習いごと自体に守るべき決まり事があることもあれば、やることのルールを知らないと仲間とのコミュニケーションに支障がでるようなものもあります。
息子はルールややり方がわからないためにモチベーションが保てていませんでした。
そこで息子の好きなアニメに注目!習い事に関連するアニメや動画を探してみることにしました。
同じ習いごとをやっていた友人などから聞いたオススメのアニメを息子に教えたところ、息子の「やりたい欲」がアップしたんです。
本物の試合動画なども見せてみたのですが、それはピンと来ない様子でした。
息子にとっては「好きなアニメを見ること」がやる気が出る方法だったようです。
普段は動画は見るだけで終わる息子が、見た後に「こうやってやるらしいよ!」と自分から話してくるようになりました。
見たこと(インプット)を誰かに話すこと(アウトプット)は、頭の中で話したいことを整理するので理解する力が発達します。
こうして息子の「好き」から「やりたい」という回路に繋げることができたのです。
その結果、理解が一気に進み上達が早くなって、試合などで活躍するようになりました!
4.好きな気持ちを育てたら自主練までするように!夢は漫画家兼サッカー選手!
息子は、アニメを見ることでその習い事のルールと技を覚えて行きました。
見ているときは私の声が一切届かないほどの集中力でした。
始めのころは見終わった後に話すことでアウトプットしていた息子ですが、しばらく経つと見終わったあとすぐに外へ出て行くようになりました。
今見たものをすぐにやってみたくなるんだそうです。
そこから自分流に変化させたりして、研究するようになりました。
自分流の技ができるとそれをみんなに見てほしくなるようで、おかげで行き渋る息子はいなくなりました。
それどころか、根を詰めてやり過ぎて足を痛める始末…それでも休みたくない!とまで言うようになり驚いています。
息子の今の夢は、自分が好き、得意と感じていることを生かした漫画家と、サッカーの選手を両方やることです。
こうして息子の「好き」なことから「やりたい」回路に繋がり、やる気を持続することができました。
自分が得意なことや好きなことを自分で理解して、さらにそこから夢ができたことは親としてうれしく感じます。
きっとこれからまた色々と変わって行くと思いますが、これからも好きなことから伸ばしていってあげたいと思います。
執筆者:しまざきあいか
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
ADHDグレーキッズは自分が「好き」「得意」と思ったことには力を発揮します!それは私たちが思う方法ではないこともあります。子どもの「好き」から才能を伸ばす子育ての方法を一緒に探しませんか?個別相談ではお子さんの明るい未来をつくるためのお話をしています。