どうやって伝えたらいいの?先生とADHDタイプの子どもの保護者との対応で大切なこと

ADHDタイプの子の保護者との対応に悩んでいる先生、いませんか?問題行動を伝えても反応は今一つだったり、逆に攻撃的な態度をとられてしまう…どうすればいいのかわからない!というときに保護者の心の扉を開くために気をつけてほしい対応についてお話します。
 
 

1.教育現場でのADHDタイプや支援を必要とする子どもに戸惑う先生たち

 
 
クラスの中で問題行動が多かったり、集団生活から外れてしまいがちな注意欠如・多動症(ADHD)タイプの子どもたち。
 
 
そんな子どもが在籍するクラスでは、先生が対応に困っていることも少なくありません。
 
 
なぜなら、教育現場でのADHDタイプの子どもへの正しい対応がまだまだ知られていない、ということがあります。
 
 
ADHDタイプには指摘や注意はNG!余計に調子が悪くなってしまうことが多いのですが、日本の教育は「できていないところを教える」スタイルなので自然と指摘・注意が増えてしまいます。
 
 
指摘や注意ばかりを受けているADHDタイプの子どもは、問題行動が増える傾向があるので「クラスの問題児」になりがちです。
 
 
そうなると先生も困ってしまうので、保護者に生徒の問題行動を伝えてお家でも対応してほしい、と思いますよね。
 
 
ところが、伝えても反応が今一つだったり、納得していない様子だったりして、どう対応すればいいのかわからない…と頭を抱えている先生も多いと思います。
 
 
 
 
また、最近はインクルーシブ教育を取り入れよう!という話題も目立つようになりました。
 
 
インクルーシブ教育とは、障害を持つ子、持たない子関係なく誰でも平等に教育を受けられるようにしよう!というもの。
 
 
ところが現場の先生たちはまだまだ対応がわからない状態なので、保護者から「わが子にはスピードが合っていない」「もっと一人ずつに対応する時間を取ってほしい」など先生の意に反する意見が出てしまったりして対応に困ることもあるようです。
 
 
そんな悩める先生に向けて、ADHDタイプの子どもの保護者と良い関係性を築くために大切なことをお伝えしたいと思います。
 
 

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2.先生からの報告に一喜一憂!知っておいてほしい保護者の気持ち

 
 
私たち保護者は、先生の言葉やお話しに一喜一憂します。
 
 
褒められれば嬉しくなるし、お叱りやネガティブな報告を受ければショックと不安で胸がいっぱいになります。
 
 
保護者は基本的には学校に行ってわが子を見守ることはできませんよね。
 
 
何も言われていなければ「うまくやっているのだろう」と思っているので、突然先生からネガティブなお話しをされると混乱したり、困惑したりします。
 
 
 
 
我が家の長男はADHDのグレーゾーンです。ある日の面談のとき、先生から長男が授業中に鉛筆を噛んでいるという話を伺いました。
 
 
「鉛筆を噛む」という行動は、実はADHDタイプの子どもにはよく見られる行動です。
 
 
鉛筆を噛むことでほかのことに気が散らないようにしていたり、刺激を入れることで集中力をあげていることもあります。
 
 
これは脳の働きが関係していて無意識のうちにやっている行動なので、注意したり叱ってもおさまるものではありません。お子さんによっては、それが爪かみだったり、びんぼうゆすりだったりします。
 
 
それらの行動は、クラスメイトからすると「気持ち悪い」とか、「汚い」「うるさい」と思われてしまいがちです。だからこそ、先生も良かれと思って伝えてくださっていたと思います。
 
 
息子がどうしてそのような行動をとるのか理解していましたが、先生から改めてお話されると「高学年にもなって鉛筆を噛むなんてみっともない」「しつけがなってない親だと思われるんだろうな」など色々な感情が浮かんできて苦しくなりました。
 
 

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3.ネガティブな報告に左右される親の行動と子どもへの影響

 
 
先生から、わが子のネガティブな様子を聞いた多くの保護者は、どうにかやめさせようと子どもをきつく叱ったり、注意したりします。
 
 
我が子のためになんとかしてその行動を直したい、と思うからです。
 
 
ところが、先生からネガティブなお話を聞いて少なからずショックを受けているお母さんやお父さんが、お子さんに良いコミュニケーションを取れるかというと、難しいことが多いです。
 
 
なぜなら、保護者も不安だから。そしてその叱るという行動に、不安を乗せて子どもにぶつけていることが多いからです。
 
 
 
 
我が家もそうでした。
 
 
「止めなさいって言ったでしょ!」「また忘れ物してきたの?」「どうしてお友達と仲良くできないの!」とできないことばかりを指摘していました。
 
 
こんな風に、学校でも家庭でもできないことを指摘され続けた子どもはどうなると思いますか?
 
 
どんどん自信を失っていき、不登校や二次障害の発症などの負のループに陥ってしまうのです。
 
 
息子も今までできていたことができなくなり、怒りっぽくなって、すぐに「どうせ俺なんか!」と言ってやる気までもなくなっていってしまいました。
 
 

4.ADHDタイプの子どもの保護者との対応で気をつけてほしい大切なこと

 
 
こんな経験をしたからこそ伝えたい、学校の先生たちにたったひとつだけ気を付けてほしい大切なことがあります。
 
 
それは、子どもの気になるところを伝えたいときは学校で頑張っている様子も一緒に伝えてあげて欲しいということです。
 
 
ほんのささいなことでかまいません。
 
 
「〇〇くん、今日も元気に登校してくれました」「最近、〇〇の係を頑張っていますよ」など、子どものできている行動を、ぜひ伝えて下さい。
 
 
こんな当たり前のことをわざわざ言うの?と思われるかもしれません。
 
 
しかし、この当たり前のことが、私たち親も前向きな気持ちになれるのです。
 
 
この後にネガティブなことを伝えられたとしても、先生に対して心の扉を開きやすい状態になります。
 
 
鉛筆を噛んでいることを教えてくださった先生は、私の表情が曇ったのを見逃しませんでした。
 
 
すかさず 「お母さん、確かに鉛筆は噛んでいますけど、いつもそうじゃないんです。授業態度はまじめですし、意欲的です。とても頑張っていますよ」とほめてくださいました。
 
 
長男の良いところも教えてくださって、私の気持ちも軽くなりました。
 
 
 
 
24時間365日、子どもに寄り添いその特性を見ているのはお母さんやお父さんなど一緒に暮らしている保護者です。
 
 
子どもに対する愛情と子育ての経験は、まさに「専門家」だと思いませんか?
 
 
先生と保護者がタッグを組み、それぞれの専門性を活かしながら戦略を練られれば、もう最強です!
 
 
お互いに子どもの明るい未来について語り合うことができる…!そんな信頼関係づくりのスタートに、この記事がお役にたったら嬉しく思います。
 
 
 
 

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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
 
教育現場でのADHDキッズへの理解・対応はまだまだ足りていません…。とは言え、先生方が努力されていないわけでもありません。そもそもの教育システムを変える必要がある、そんな時期に入って来ていると感じます。ADHDキッズの未来のために教育を変えたい!そんな想いで活動しているSTELLA*Schoolに、もし参加してみたい!と思われたら個別相談でお話しましょう!
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