発達障害グレーゾーンの子は文章問題が苦手
文章問題が苦手な発達障害グレーゾーンの子どもって実は多いです。
・計算はできるのに文章問題になると手が止まる
・そもそも文章を読むのがめんどくさい
・聞かれている問題の意味が分かっていない
・思い込みで問題を解く
こんなお悩みはありませんか?
一般的には、もっと本を読ませなくちゃ、 ドリルでもっと練習させよう、という学習方法を考える方が多いと思います。
私も同じでした。
しかし、何度同じ説明をしても理解が進まない、その場では「わかった」様子でもちがう日に似たような問題を解いてみると解けない、わからない!と癇癪を起こして学習が進まない。
こうなるとなかなか思うようにサポートも進まず、悩んでいました。
そこで今回は文章問題が苦手な発達障害グレーゾーンの子への対応についてお話ししますね!
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文章問題が苦手の原因は「ワーキングメモリ」だった!
算数の学習が進むと、計算だけではなく答えを出すプロセスも複雑になるので、そこまでの順序を考える必要が出てきます。
この作業に必要なのがワーキングメモリです。
発達の特性がある子は、集中力が続かない、文字やことばをじっくり読み取る力が弱い。
こんな特性がある上に、ワーキングメモリが弱いために文章問題が苦手になります。
ワーキングメモリとは、記憶する、記憶した情報をもとに実行していく力のことです。
さらに扱う情報には、音声情報(聞く) 、視覚情報(見る)の2種類があり、聞いたことを覚えて行動する場合と目で見た情報を記憶して行動する場合の2つがあります。
ワーキングメモリが小さいとゴールまでのプランニングが十分にできず、あれ、今何をしているんだっけ?何を聞かれているんだっけ?と迷子になってしまいます。
初めて見る問題ではさらに苦手さが増します。
5+3=?はできるけど5+?=8になると分からなかったり、これまでと同じ方法では解決策が見つけられないことがよくあります。
さらに細かく見ていくと、文章問題を解くにはワーキングメモリがフル活動していることがわかります。
文章問題を解くプロセスを見ていきましょう。
面積が91㎡の花だんを作ります。たての長さを7mにすると横の長さは何mにすればよいですか?
こんな問題があったとします。
問題を解くプロセスは
1.文章問題を読む
2.与えられた状況を理解する
3.いろいろな解き方を考え、どの解き方がよいかを判断する
4.式を立てて、答えを出す
となりますが、それぞれのステップでつまずくポイントがあるのです。
1.文章問題を読む
→主に音声情報を扱います。
つまずきポイント:語彙力、読解力
・言葉や文の意味があいまい
・何を求められているかわからない
・目的を覚えていられない
2.与えられた状況を理解する
→主に視覚情報を扱います。
つまずきポイント:イメージ化
・言葉から形のイメージができない
・文章から図式が書けない
・途中で目的がわからなくなる
3.いろいろな解き方を考え、 どの解き方がよいかを判断する
→主に言語情報を扱います。
知識の取り出しが苦手で公式や解き方が思い出せない
4.式を立てて、答えを出す
→音声情報、視覚情報を使います。
式を作れない、計算ミスをする。
いかがですか?頭の中で、これほどたくさんのことに取り組んでいることや、ワーキングメモリのあらゆる機能を活用して文章問題を解いていることがお分かりいただけましたでしょうか。
このワーキングメモリが弱いために、文章問題が苦手な発達障害グレーゾーンのお子さんが多いのです。
ワーキングメモリを伸ばす学習サポートとは?
ここでは文章問題が苦手な発達障害グレーゾーンの子どもにおすすめの学習サポートを2つ紹介しますね。
答えを教えて理解力アップ
ワーキングメモリの苦手さをサポートするためにママが答えを教えてサポートしましょう。
「え、答えを教えていいの!?」と思われるかもしれませんよね。ここでお話しする答えというのは数字の答えではなく、「この問題はこんなことを聞かれているよ」「こんな計算をして欲しいんだよ」と言うことを整理してあげると言うことです。
例えば、バスが止まって5人おりていきました。次の駅で4人おりました。お客さんは何人減りましたか?という問題だと、減るという言葉に反応して、5ー4と式を立てる子がいるかもしれません。
その場合、はじめに「バスから人がどんどん降りて行って、何人降りたかを答えるんだよ」と、ゴールを教えてあげます。
そうするとワーキングメモリが整理されて「5人降りてさらに4人降りるから合わせて9人降りた!」と答えやすくなるのです。
こうして目的を整理してあげることで理解力がグっと上がります。文章問題が苦手なお子さんは、情報を整理して取り入れれば理解力がアップして、自分で解けるようになるのです。
できたことを伝えて成功体験に
こうして自分で解ける部分が増えたら「問題の意味が分かったね」「式が立てられたね」「計算できたね」「よく考えられたね」「初めて見る文章問題なのに解けたね」「文章問題、得意だね」と、ひとつひとつのプロセスを成功体験として伝えていきます。
すると解くことが楽しくなり、どんどん解いていくようになります。
自信を付けた子は、次は自分で解いてみるよ!と、自分から取り組みます。
ママのサポートでどんどん文章問題が解けるようになったら嬉しいですよね。
良かったら参考にしてみてください。
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執筆者:徳長真維
(発達科学コミュニケーショントレーナー)