不安が強いASDグレーゾーンの息子
我が家には小学5年生で自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの息子がいます。
小さい時から初めての場所や初めて会う人が苦手で不安になるとよく泣いてしまう子どもでした。それでも何度か同じ場所へ行ったり、何度か会ううちに慣れてくると元気いっぱいになる男の子。人見知りなんだろうと思っていました。
しかしながら慣れている場所で慣れている人がいても、私や主人、毎日一緒にいる私たちがいても、突然動かなくなったり、話さなくなったりすることがありました。どうしたのか、何に困っているのかなども説明してくれないので
「いつもやっているのに、なんでやらないの?」
「なんで出来ないの?」
「何が嫌なの?」
「言わなきゃわからないよ」
「みんな楽しそうにやってるよ?」
と声をかけては時間が掛かっても取り組ませようとして、その度に泣きながら取り組む息子に何が嫌なのかわからないまま、私はみんなと同じように”ちゃんとすること”を求めていました。
泣いても最後には行動するので、わがままなんだろうと思っていました。
息子が幼稚園に入り私から離れるたびにすごく泣き、先生に抱えられて教室に入ることが1ヶ月以上続きましたが、帰りには楽しそうに笑っている息子に、慣れるまで時間がかかるだけなんだと思っていました。
小学校に入り低学年の間は先生も優しく、フォローもたくさんあり、困っていると手伝ってもらえたのですが、学年が上がるにつれて自分1人ですることが増え、わからなくても聞くことが出来ない息子は、出来ないことが目立ち始め学校や習い事で叱られることが増えていきました。
「出来ないのはちゃんと聞いてないからだ」
「出来ないのは◯◯が悪いんだ」
「ちゃんとしなさい」
「みんなと同じように動きなさい」
先生から報告があり学校や習い事で叱られていることを知ると、家でなんとかしなければと、私は出来ないことをできるようにしようと、何度も言って聞かせたり練習をさせたり、家でも叱ることが増えてしまい、状況は良くなるどころか悪化し続けました。
「なんでわかってもらえないのだろう」
「私、何か難しいこと言ってるのかな」
「どうしたら叱られなくなるんだろう」
と私は笑顔を見せることもなく、ため息をつき落ち込んでばかりでした。
そのうち息子は色んなことを怖がるようになり、1人で部屋を移動することもトイレに行くことも、テーブルに座っていることも出来なくなり、すぐに泣いたり怒ったりと情緒不安定になっていきました。
「どうしたの?」
「何があったの?」
「何が怖いの?」
わからない私は質問ばかりしてしまい、息子の気持ちを強引に聞き出そうとしていました。そんな毎日を送っていると息子が
「もう何もしたくない」
とご飯も食べず、笑顔も消え、ただ寝て起きてを繰り返すようになってしまいました。
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要注意!ASD特有の二次障害とは?
ASDグレーゾーンの子は不安の強さやこだわり、偏食や感覚過敏など様々な特性があるのですが、それは脳の発達が未熟なことが原因です。
そしてその特性が原因で注意や叱られることが増えると、二次障害という症状が現れることがあるのです。
二次障害とは発達障害・グレーゾーンの特性などの一次障害を原因として、周りから理解が得られない環境で繰り返し注意を受けたり、叱られたりすることで過剰なストレスやトラウマによって、自己肯定感が下がり情緒不安定など様々な症状が現れることです。
その症状も身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振、チックなど)や精神症状(不安、うつ、緊張、興奮しやすさなど)を生じることにより、不登校、引きこもり、暴言、暴力、自傷行為など様々です。
私の中にある感覚や常識で息子を苦しめ続けていることにも気が付かず、私や周りからの間違った対応で息子は学校にも行けなくなり、大好きな習い事にも行けなくなりました。二次障害の症状が現れ始め、
「もうどうしたらいいのかわからない」
とネット検索を繰り返し、色んな情報を探し続ける毎日でした。
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ママの一言で行動力が一気にUPします!
そんな時に出会ったのが発達科学コミュニケーション。声かけやコミュニケーションを変えることで脳を発達させていく、新しいコミュニケーション方法です。
正しい対応をすれば息子に笑顔が戻るのではないかと、苦しんでいる息子を1日も早く助けたいと思い、対応していきました。
私が初めにした対応は出来ていないことに注目するのではなく、出来ていることに注目する肯定の声かけをしました。
どんな風にかけたかというと、
「おはよう。今朝も起きられたね」
「テーブルまで来られたね」
「ご飯食べようとしてくれたんだね」
「ジュース残さずに飲めたね」
と当たり前のように思うことでも肯定していったのです。
少しずつ息子は声に出して、気持ちを言葉に出すようになりました。
その時も
「そう思ってたんだね」
「伝えてくれてありがとう」
「教えてくれてありがとう」
とひとつひとつ肯定の声をかけたのです。
今までの私は出来ていないところばかりに注目し、息子の頑張りに気づくこともなく否定をしていました。息子は今まで受けた注意や叱られたネガティブな記憶から、何もかも自信をなくしている状態で何をするのも不安があったのですが、肯定をすることで
「これでいいんだ」
「大丈夫なんだ」
「わかってもらえた」
と成功体験になり、自己肯定感を上げ自信を育むことができていきました。
何も話さない時も無理に聞こうとせず、背中をさすったり目があえば笑顔を見せたりと安心できる環境を作りました。
正しい対応を始め1ヶ月が経つ頃には学校に行けるようになり、みんなと一緒に運動会の練習にも参加できるようになっていきました。
再び習い事に行けるようになった息子
私が正しい対応をすることで成功体験を積み上げていった息子はみるみる元気になり、運動会では応援団に立候補するという、初めてのことに挑戦。
不安もたくさんあった中で毎日朝練に行き一生懸命練習をし、運動会本番では誰よりも大きな声で学校のみんなを応援することができました。
それからは外で友達と遊ぶことも増えどんどん行動力が上がり、自信をなくし行けなくなった大好きな習い事にも
「もう一度頑張りたい」
と気持ちが前向きになり、再び行けるようになったのです。
二次障害に苦しんでいた息子にも正しい対応をすることで、息子の脳を発達させることができ、笑顔と行動力を取り戻すことが出来ました。私の経験が参考になったら嬉しいです。
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執筆者:原田たえみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)