感受性が強い繊細な子が「大切な人との別れ」を受け入れられた事前準備

感受性が強い繊細な子が「大切な人との別れ」を受け入れられた事前準備
生きていれば避けられない「大切な人との別れ」。実際にそんな場面が訪れると、感受性が強い繊細な子どもにどう伝えればパニックにならずに受け入れられるのか?私の祖母が他界したときに、初めて通夜に参加することになった繊細な娘の不安を減らすためにしたことをお伝えします。

1.春休みにクラス替えの心配をするほど初めてのことに不安を感じる繊細な子

 

私には初めてのこと、初めての場所に不安を感じる繊細な小2の娘、ぷにちゃん(通称)がいます。

 

1年生の修了式が終わると、大好きだった担任の先生やお友達と別々になってしまう「初めてのクラス替え」を控え、毎日のように「2年生も〇〇先生がいいなぁ」「〇〇ちゃんと同じクラスになれるかなぁ」と不安を口にしていました。

 

ぷにちゃんは1年生の2学期に登校渋りがあったため、こんな様子で始業式は大丈夫かな・・・と私まで不安に感じていました。

 

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2.始業式前日にやってきた大切な人との別れ

 

始業式前日は朝から幼馴染のお友達と大きな公園で遊んでいました。私は、楽しい気持ちで今日を終えて、明日は元気に登校するといいなと願っていました。

 

すると15時頃に母から、「祖母が呼吸停止して、父が急いで病院にかけつけた。詳しいことはまだわからないので、また後で連絡する」という内容の電話がありました。

 

祖母は96歳でコロナに感染するまで、入院や手術をしたことがなく、コロナも念のための入院というだけで軽症で済んでいたほど、生命力が強い人でした。

 

半年前に高熱を出して以降、ずっと入院していましたが、容態は安定しており、親戚一同「100歳まで生きるね」と話すほどでした。

 

 

そのため、そんな祖母が呼吸停止と言われてもピンと来ず、私は今回もきっと持ち直してくれるだろう、という想いと、万一他界した場合に、ぷにちゃんにどう伝えればいいかを考え始めました。

 

すると18時過ぎ、公園からの帰り道に他界したとの知らせが入りました。

 

危篤状態で家族が呼び出されることもなく、2時間前の巡回では看護師さんの呼びかけに返事をしていたのに、その次の巡回時には呼吸が停止していた、ということで、いわゆる「老衰」でしたが、あまりにも突然すぎる知らせでした。

 

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3.繊細な子の不安を取り除くには見通しが大事

 

通夜は翌日の始業式の日の夕方に行われることが決まりました。

 

ただでさえ、クラス替え・始業式というタイミングで緊張状態のぷにちゃんに、「大ばあばとのお別れ」という悲しい出来事を伝えなければいけない。そして通夜というぷにちゃんにとって初めての儀式に参加することへの不安をどう取り除いてあげればいいのか・・・

 

ぷにちゃんにどう説明すれば、不安を感じずに最後のお別れができるのか、私は慎重に考えました。

 

 

発達科学コミュニケーションに出会って、繊細な子の脳はそこがどんな場所で何をするのかわからない、という想像の出来ない・見通しの立たないことに不安を感じることを知りましたそのため、初めて行く場所(葬儀場)、初めてのこと(通夜)、という非日常の行事は大きなストレスになってしまいます。

 

私はまず、感受性の強いぷにちゃんが身近な人の「死」を受け入れられるよう、「大ばあばは、眠っている間に苦しまずに亡くなったんだよ」と伝えました。

 

そして、大ばあばが天国に行く前に、皆で最後に一緒に過ごす「通夜」という儀式があること、通夜には誰が参加するのか、何人ぐらい参加するのか、どこで行われるのかをわかる範囲で細かく伝えました。

 

そして、私の両親から、繊細なぷにちゃんにとって新学期早々の大事なタイミングでもあるので、葬儀で学校を休ませることはない、通夜だけ来てくれたらいい、と言われていたので、通夜の翌日に葬儀があるけど、ぷにちゃんにとっては通夜が大ばあばとの最後のお別れの場であることも伝えました。

 

すると、保育園の頃、紺色の制服を着て、親戚の法事に参加したことを覚えていたぷにちゃんは「何を着ればいいの?保育園の制服着るの?」と心配そうに尋ねてきたので、「ぷにちゃんが学校行ってる間にママが用意しておくから大丈夫だよ」と伝えたところ、安心した様子でした。

 

4.繊細な子の突然始まる頻尿はストレスサイン

 

始業式の朝。

この時点ではクラス替えの不安でいっぱいだったぷにちゃんには、「帰ってきてお昼ご飯を食べたら一緒に大ばあばのところへ行こうね」とだけ伝え、いつも通り見送りました。

 

帰宅後、クラス替えの話を聞くと、ぷにちゃんが事前に「一緒のクラスになりたいお友達」として名前を挙げていた4人中2人と同じクラスになったと聞いて安心したところで、通夜の話をしました。

 

「ママはこれを着て、ぷにちゃんはこれを着るよ。靴下はこれ、靴はこれを履くよ。〇時から通夜が始まるけど、葬儀場に行く前に一度じいじばあばの家に寄るから、そこで着替えてもいいよ。ママはそこで着替えるよ」と丁寧に説明しました。

 

ぷにちゃんは「わかった!」と言ってお昼ご飯を食べ始めましたが、そこから徐々に緊張状態になりました。

 

普段、起きてもすぐにはトイレに行かない、日中5,6時間行かないこともあるぷにちゃんが、家を出る直前の30分の間で3回トイレに行きました。

 

そして、家を出てまずはパパを車で15分ほどの職場まで迎えに行ったのですが、到着した途端ぷにちゃんが「トイレ行きたい!」と言いました。

 

 

そこから車を1時間ほど走らせて実家に着いた途端にまた「トイレ!」と駆け込んだのです。

 

いつもは出かける前にトイレに行くことを促しても「(行かなくて)いい!」と言うぷにちゃんがこんなにトイレに行くなんて・・・

 

実はこの「頻尿」は子どものストレスサインの1つです。ストレスによって自律神経が乱れたり、ホルモンバランスが崩れることで、子どもは頻尿になったり、逆に尿が出にくくなることがあるのです。

 

着替えて実家を出るまでの間にも何度もトイレに行くぷにちゃんでした。

 

そして、葬儀場に着き、初めて棺を見たぷにちゃんは少し戸惑っていました。

 

私の両親からは「(ぷにちゃんが怖がるなら)大ばあばの顔は見なくていいよ」と事前に言われていましたが、私としてはちゃんと顔を見て最後のお別れをしてほしい気持ちがありました。

 

足が進まなくなったぷにちゃん。「こっちだよ!」「行こう!」などとは言わずに静かに待ちました。そして優しく「大丈夫?最後のお別れできそう?」と聞くと「うん」と言ってくれたので、ぷにちゃんのペースを守りながら、ゆっくりとお顔を見て、しっかりお別れの挨拶をすることができました。

 

5.感受性が強い繊細な娘が帰宅後に涙を流した理由

 

そして夜、自宅に戻り、私と2人きりになった瞬間、ぷにちゃんはボロボロと涙を流し始めました。

 

大ばあばが亡くなったことの寂しさかと思いきや、「大ばあばは苦しまずに亡くなってよかったね。大ばあばにぷにちゃん(=自分)という『ひ孫』を見せることができてよかった」と言ってしばらく涙を流していました。

 

大切な人との別れを初めて経験したぷにちゃん。そして初めてのクラス替えと初めての通夜が重なり、キャパシティオーバーとなった脳の中で張りつめていた緊張の糸が切れ、感情があふれ出した瞬間でした。

 

 

当時娘は7歳でしたが、「大ばあばにひ孫を見せることができてよかった」という視点はとても感慨深く、想像力が豊かな繊細な子の特徴が現れているなと感じる言葉でした。

 

通夜や葬儀は感受性が強い繊細な子にとって、緊張や不安がより一層高まる儀式ですが、その目的や手順を事前に説明し、細かく見通しを立ててあげることでぷにちゃんは無事に参列することができました。

 

生きていれば避けられない大切な人との別れ。

 

もしものときには、この記事を思い出して対応方法を参考にしていただけると幸いです。

 

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執筆者:神名 美緒(かみな みお)

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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