繊細なお子さん、小学校の集団生活で感覚過敏で辛い思いしていることありませんか?
繊細な子は正しい対応をすることで感覚過敏を和らげることができます。繊細な子の感覚過敏の原因と対処法についてお伝えしていきます。
繊細な子は正しい対応をすることで感覚過敏を和らげることができます。繊細な子の感覚過敏の原因と対処法についてお伝えしていきます。
1.繊細な子は感覚過敏で小学校の集団生活が辛い
繊細な子は感覚過敏でひといちばい刺激を敏感に感じることありますよね。
小学校という集団生活は刺激にあふれているため、より敏感に感じて辛い思いをすることがあります。
例えば
・校帽や体操帽子の締め付けられる感じやゴムの圧迫を嫌がる
・白色の紙をまぶしく感じる
・給食の匂いを嫌がる
・給食に出てくる食べ物の食感が嫌で食べられないものがある
・友達に触られるのを嫌がる
・粘土を触ることを嫌がる
・教室でザワザワしているのをうるさく感じる
など、感覚が敏感すぎてできないことがあったり、苦しい思いをしたり、また集団でのストレスでより感覚過敏になることもあります。
子どもは辛そうなため治してあげたいけれど感覚過敏に対する根本的な治療法はないので、お母さんも悩みますよね。
2.繊細なA君の困りごと
実際に私の生徒さんでも、息子くん(A君)の感覚過敏で悩まれていたかたがいました。
A君は小学1年生の男の子です。
新しい環境への不安が強くて小学校入学後5月頃から心身ともに不安定。
感覚過敏になっていました。
学校への行き渋り、不登校になりかけな状態でした。
お母さんはA君が困っていてなんとかしてあげたいけどどうしたらいいか分からないとお困りでした。
・朝、嘔吐を繰り返していた
・校帽のゴムがいやで被れない
・ランドセルが背負えない
・みんなと一緒に給食を食べれず別室で食べていた
このような状況で大変お困りでしたが、お母さんが発達科学コミュニケーションで正しい対応をされたところお子さんの困りごとも解消されていきましたので、後ほどお伝えしていきますね。
3.繊細な子が集団生活で感覚過敏になる原因とは?
感覚過敏とは聴覚や視覚、触覚などの感覚が過敏になっている状態をいいます。
感覚刺激を受け取り過ぎてしまうしまうため、必要以上に不安になってしまったり、落ち着いて過ごせないことがあります。
繊細な子の場合、他の子どもと同じ場面にいたとしても、どこか反応が違うことありますよね。
繊細な子が集団生活で感覚過敏になるには原因があります。
聴覚過敏、視覚過敏、触覚過敏、味覚過敏、嗅覚過敏など様々な原因がありますが、特に小学校で原因となりやすい聴覚過敏について説明していきます。
◆聴覚過敏がある
小学校での集団生活では1日中なんらかの音が耳に入ってきます。
感覚過敏で聴覚が敏感な子にとって、クラスの中で先生のお話を聞く場面では
・廊下から聞こえる足音
・エアコンの操作音
・後ろの席の子の話し声
・隣の席の子が物を落とした音
・そして先生の話し声
これらの全部の音が一度に耳に入ってきて先生のお話を聞き分けるということが難しいということがあります。
特定の音に注意を向けることが難しくなり、大切なお話を聞き逃してしまうこともあります。
またクラス内でお友達が喋っていて、ざわざわしている感じを嫌がることがあります。
運動会ではピストルの音で耳が痛くなり、耳を塞いでいなければならないこともあります。
他の子どもが気にならないような音まで反応してしまうので、聴覚過敏の子どもは集団生活ではストレスを感じることが多いのです。
◆ストレスにより感覚が過敏になっている
ストレスや不安は感覚過敏に影響するといわれています。
小学校という集団生活では繊細な子はたいていの子どもが気にしないような状況や刺激に対して過敏に反応してしまうことがあります。
例えば先生がお友達を注意する大きな声も自分が怒られているように感じ、悲しくなってしまったり、また怒ったらどうしようと不安になることがあります。
また繊細なため、先生やお友達の表情や態度や言葉から相手の気持ちや求められていることを感じとり、期待に応えようと行動することもあります。
そのため、ひといちばい疲れてしまいストレスになるのです。
不安を感じたり、ストレスが多くなってくると、心が不安定になり、感覚をより過敏にさせてしまいます。
心が元気なときには気にならない刺激にも敏感に反応するようになります。
そのため、繊細な子が安心して集団生活を送れるように感覚過敏を和らげてあげたいですよね。
4.お家でできる感覚過敏の対処法
繊細な我が子が感覚過敏で辛い思いをしているのを目の当たりにすると、感覚過敏の治し方を知りたいなと思うことありませんか?
完全に治る方法はありませんが、感覚過敏を和らげることはできます。
繊細な子の感覚過敏の対処法にはコツがありますのでお伝えしていきます。
◆感覚過敏の原因を取り除く
感覚過敏で苦痛に感じていることがあれば、その原因を取り除けることがあるなら取り除くことがまず最初にすることです。
例えば、運動会のピストルの音で耳が痛くなる子にはその時間はイヤーマフを使用することです。
イヤーマフとは大きな音から耳を守るためのヘッドホンのようなものです。
苦痛になる刺激を避けることで、安心して過ごせるようになります。
また校帽や体操帽のゴムの圧迫が苦痛に感じる子の場合は、ゴムを帽子の中にしまって被るなど本人が心地よく被れる方法を相談します。
学校の先生にも事情を説明しておくと理解してもらいやすくなりますね。
◆心と脳を強くするコミュニケーションをとる
繊細な子どもには感覚過敏の原因を取り除くことと同時に必要なことは、心と脳を強くする親子のコミュニケーションです。
心が不安定になっている繊細な子に「不安だよね」「わかるよ」と寄り添うだけでは強くなれません。
否定的な注目をなくし肯定的な注目で安心と自信を貯める親子のコミュニケーションで心を強くすると脳の体力やキャパもアップします。
具体的には、お子さんのできていないことはスルーすることです。
そして、代わりにできているところを探して言葉にします。
お子さんのできていることにアンテナをはり、できていることをどんどん言葉にして伝えてあげてください。
・朝、自分で起きることができた
・食事の前に「いただきます」が言えた
・歯磨きを自分でできた
・帰宅後に手洗いをすることができた
など、よく観察してみると、見過ごしていることでもたくさんのできていることがあります。
それを「朝 自分で起きてこれたね」「いただきますが言えたね」など言葉にして伝えていきます。
99個の「できてない」があっても1個の「できている」を探しだす!!
くらいの気持ちでお子さんを観察してみてくださいね。
繰り返しているうちに、表面上のセリフだけではなく心から、脳から、自然に子どものできているところ探しができるようになっていきますよ。
できていることを言葉にしてもらい肯定してもらった子どもは心と脳が強くなるので、そうすると不安も和らぎ、安心して過ごせるようになります。
そして安心できるようになると、今まで敏感に感じていた感覚過敏も和らいでいきます。
最初にお伝えした、感覚過敏で小学校に行き渋りをしていたお子さんは、心と脳を強くするコミュニケーションを継続した結果、たくさんの変化・成長しました。
・嘔吐がほとんどなくなった。
・車で長距離の移動も苦しさが少なくなった。
・校帽を被れるようになった。(ゴムを避ける術を発見)
・ランドセルを背負えるようになった。
・感覚過敏が緩和し給食を教室で食べれるようになった。
給食で出された初めてのものも、大半のものを食べており、家でも大人が食べているもので、今までなら全く興味も持たなかったものも「ちょっと食べてみたい」と言うことが増えました。
繊細な子に必要なことはただ寄り添うだけではなく、科学的根拠に基づいて対応することです。
そうすることで小学校という集団生活での感覚過敏は和らいでいきます。
強い心と脳の土台づくりで外でも本来の力を発揮することができます。
ぜひ心と脳を強くするコミュニケーションをしてみてくださいね。