行動が遅い、マイペースなわが子。 準備に時間がかかる、ひとりでできないわが子に、つい手助けや先回りをしているママ必見!この記事では、先回り無しで子どもがスッと行動できるようになるママの関わり方をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.繊細な子の行動が遅い理由は?
なかなか行動しない、行動が遅いわが子にイライラしてしまうこと、ありませんか?
自分でさせることが大事だと分かっていても、現実には時間がない。ゆったり待ってあげられず、ついお母さんが口出ししたり手を出したりすることも多いですよね。
実は、大人と子どもでは行動のスピードが3~4倍違います。
これは、子どもの脳がまだ発達途上で、考える・処理する・理解する・行動するというステップを、一つずつゆっくりしか処理できないからです。
たとえば、大人なら5分で終わる着替えも、子どもにとっては
「着替えなきゃ」
「服はどこだっけ?」
「何がいるんだっけ?」
「どれを着ればいいんだろう?」
「靴下はどこだっけ?」
と、考えながら進めています。
とくに繊細な子の場合、感覚過敏があり、脳が多くの情報をキャッチしすぎてしまいます。テレビの音や料理、洗濯機の音、家族の会話など、周囲の音や映像に反応し、脳内が大渋滞。
キャパシティーオーバーを起こし、やろうとしていたことを忘れて別のことを始めることもあるのです。
行動が遅い理由を理解し、適切に対応していくことが大切です。
2.お母さんが与える先回りの影響とは
我が家には小学2年生の繊細な娘(通称:繊細ちゃん)がいます。私は以前、先回りして口出しをするお母さんでした。
「手洗った?」や「靴を揃えて」「そろそろ〇〇しないと間に合わないよ」と、常に繊細ちゃんの行動を気にして焦っていました。
その結果、彼女は
「ママ、次は何をしたらいいの?」
と、私からの指示を待つようになりました。実は、私の先回りが子ども自身が考え、試行錯誤する経験を奪っていたのです。
脳は行動によって成長し、特に子どもは10歳で脳の土台が決まると言われています。
では子どもが自ら行動できる環境をつくるには、どうしたらよいのでしょうか?
次の章でお話ししますね。
3.行動が遅い繊細な子にまずやってほしいこと
まずは、子どもが何にどれくらいの時間をかけているのかを把握しましょう。
お母さんが感じる遅さは、子どもにとっては意外と早いこともあるからです。このギャップを知ることで、焦りやイライラを減らせます。口を出さずに、一連の行動を観察し、時間を計ります。
たとえば、わが家の繊細ちゃんの着替えでは、
クローゼットからリビングに服を持ってくる
床に並べてじっと見つめる
気に入らなければ入れ替える
納得したらパジャマを脱ぎ着替える
このプロセスを理解することで、着替えにかかる時間が長いことを認識しました。
行動が遅い理由を知ることで、お母さんの心持ちも変わり、心の余裕が生まれるのです。
4.行動が加速する「できないはスルー、できたことを全力肯定」
繊細な子の脳は、出来ないことを注意されたり指示されると、「私はできない」とネガティブな感情と行動を記憶します。 そのため、行動が遅いと注意されると、次回同じことをする際に「どうせ遅いから」と嫌がり、動けなくなることも。
ポイントはできたことを全力肯定すること!
「今日■■分で終わったね!ママビックリ!」
「自分から準備できたね!」
と声をかけることで、脳にポジティブな感情がインプットされ、行動しやすくなります。
とはいえ、朝の忙しさや家事育児に追われる日々では、心の余裕がないこともありますよね。
そこで、私自身も活用している裏ワザを最後にご紹介しますね。
5.自分の感情に振り回されない裏ワザ
口を出さず、できているときに肯定するのは理解していても、焦りやイライラが生じることはありますよね。 そこで、自分の感情に振り回されそうな時に試してほしい裏ワザをお伝えしますね!
◆イライラしている自分を否定しない
「またイライラしてる」「なんでこんなにイライラするんだろう」と自分を責めるのはNG!
自分を責めると、相手も責めたくなります。「まあこんなこともある」「人間なんだから」と、イライラしている自分を受け入れましょう。
◆見て見ぬふりをしつつ、肯定チャンスを探す
たとえば姉妹喧嘩への介入は、かえって火に油を注ぐことも。子ども同士で解決させるため、最初から最後まで気づいていないふりをしてみましょう。
感情が巻き込まれそうなときは、別の部屋に避難するのもオススメです。
子どもたちが自分で解決できたら、「二人ともニコニコ素敵だね」「仲良くテレビ見てるね」とすかさず肯定しましょう。
脳は喜びを感じることで行動を促すので、できていることにこそ、注目することが大事です。
いかがでしたか?わが子のペースを観察し、できないときはスルー、できているときには全力で肯定する。感情に振り回されないための裏ワザを、ぜひ試してみてくださいね!
執筆者:ふじい あきな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)