繊細な子が親の言うことを聞かない時の脳科学的な理由と解決法

 

親の言うことを聞かないわが子。繊細な子だから叱らないようにと我慢はするけれど、結果ママのイライラが爆発し親子バトルに発展してしまう。そんなお悩みを解決します!
 
 

1.親の言うことを聞かない繊細な子とのバトル

 
親子バトルの原因として多いのが、「子どもが親の言うことを聞かない」です。
 
 
ひとりでできるはずなのに動かない、何度言っても聞かないわが子にママのイライラが爆発!という場面があるかもしれません。
 
 
わが家には繊細な小学2年生の娘がいます。
 
 
小学1年生のある時、これまで出来ていたはずの身の回りのことを、なぜか突然やらなくなりました。
 
 
・帰ってもランドセルは玄関に置きっぱなし
 
・明日の準備が進まない
 
・ご飯に呼んでもテレビに夢中
 
・いつまでもお風呂に入ろうとしない
 
 
私は先回りや指示出しが増え、毎日イライラ爆発ママでした。
 
 
娘は泣いたり癇癪を起こしたり、親子バトルに発展することもありました。
 
 
 
 

2.繊細な子が言うことを聞かない時に脳で起きていること

 
子どもが親の言うことを聞かないのはなぜでしょう?
 
 
じつは、脳は否定的なコミュニケーションが大嫌い。
 
 
「聞きたくない」と脳が聞く耳を閉じてしまうと、言葉がスッと届きにくくなってしまうのです。
 
 
たとえば、
 
 
「またランドセル置きっぱなし!」
 
 
「宿題もうした?」
 
 
「早くご飯食べて」
 
 
「何回言ったら分かるの?」
 
 
という風に、ママが発する言葉が否定的な言葉ばかりだと、「ママの声=聞きたくない言葉」と認識し、聞く耳を閉じてしまうのです。
 
 
また繊細な子は、ママの表情声のトーン足音や、料理したり物を置く生活音など、些細な音の変化にも敏感。
 
 
ママのイライラが態度に表れることで、無言の否定になってしまうこともあります。
 
 
たとえば会話のハジマリで「(笑顔で優しい声で)ねぇねぇ〇〇ちゃん」と話しかけるのか、「(不機嫌そうに低いトーンで)〇〇!」と話しかけるのかで受け取り方が180度変わります。
 
 
わが家の繊細ちゃんはとても耳がいいので、私の声のトーンや生活音にも敏感に反応します。
 
 
お皿をポンと置いたり、冷蔵庫の開け閉めがいつもより激しかったりするだけで「ママ怒ってる?」と聞かれることもありました。
 
 
怒ってるつもりがなくても、脳がそう捉えると聞く耳は閉じてしまいます。
 
 
ではどうしたら聞く耳が開くのか? 次の章でお話します。
 
 
 

3.繊細な子の聞く耳が開く、言葉の〇〇をしよう!

 
 
脳はポジティブな会話が大好き。
 
 
脳が喜ぶ肯定的な声かけで、お子さんの聞く耳を開くことができます。
 
 
では、どうやったら話を聞いてくれるのでしょうか?
 
 
 
親の言うことを聞かないわが子に、つい否定的になってしまうママへのオススメは、言葉の「翻訳」をすることです。
 
 
ランドセルは玄関だけど、帽子は帽子置き場に直している
→「帽子直してくれてるね!有難う
 
 
30分前にとりかかった宿題で、まだ1問しか解いていない
→「もう1問解けたんだね
 
 
テレビに夢中で食事をはじめない
→「これ面白そうだね!録画してあとで一緒に見よっか
 
 
できてないよ!という否定的な声かけを、これは出来たね!こうしたらまたやろうか!とポジティブな声かけに翻訳してあげることで、すんなり聞き入れてくれるようになります。
 
 
出来ていることへの注目を意識することで、私自身のイライラも格段に減り、穏やかに声をかけられることが増えました。
 
 
そうは言っても感情が抑えられない!という時もありますよね。
 
 
そんな時にできる、ある裏技を最後にご紹介します。
 
 

4.感情が抑えられない!そんな時は?

 
 
人間にとって、イライラや怒りという感情は、外の危険から自分を守るために備え付けられた本能です。
 
 
時間がない、忙しい、やることが溜まっている、自分の思い通りに進まず不安焦りを感じると、脳が危険信号を発信します。
 
 
どうしても感情が抑えられず肯定的な声かけができない!
 
 
そんな時に私がよくやる方法を3つお教えしますね。
 
 
 
➀話しかける前に3分待つ
(スマホのタイマーなどで時間を計るのがオススメ)
 
 
➁息をたっぷり吸って、下腹に力を入れてゆっくり吐き出す
リラックスモードをつかさどる副交感神経が刺激され、イライラから安心モードに切り替えることができます。
 
 
➂一旦できているところ探しをしてから、優しい声でゆっくり話しかける
優しく、ゆっくりと間をとることで、ママの気持ちも落ち着き、子どもにも言葉が届きやすくなります。
 
 
これをすることで、自分の脳内で暴れていた感情を落ち着かせることができ、冷静に対応できるようになります。
 
 
繊細な子は感覚が敏感だからこそ、否定の声かけや雰囲気も敏感に感じ取ります。
 
 
ママの声かけがスッと耳に届くようになれば、「親の言うことを聞かない」問題は解決し、親子バトルはグッと減ります。
 
 
 
ぜひ意識してみてくださいね!
 
 
 
執筆者:ふじい あきな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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