お友達の輪に入れない繊細な子がはじめての子とおでかけを楽しめた「行きたい」の引き出し方

「はじめて」が苦手な繊細な子は、おでかけするにも一苦労…なんていうことはありませんか?お友達がいる場所でも「ママ一緒に来て」が口ぐせで友達の輪に入れない繊細な子が、はじめての人たちとのおでかけに乗り気になり、手をつないでお別れをさみしがるほど楽しめた「行きたい」の引き出し方をお伝えしますね。

 

1.三兄弟とのおでかけは出発までが一苦労?!

 

我が家の子どもたちは、男の子が3人と女の子が一人。ちょっと家族多めです。男の子が3人?!うわーっ、やんちゃ爆発で大変そう!!って、思いましたか?

 

実は我が家の三兄弟のうち2人は繊細な子。

 

・同じ小学校の子に会いそうだから外に行きたくない

・長く車に乗るのは酔うからイヤだ

・はじめての人に会うのは不安

 

三人そろってご機嫌でお出かけしたいときは、いつも試行錯誤しています。

 

今日は三兄弟の中でも「はじめて」のことが苦手な三男(通称:みっくん)にスポットを当ててお話しさせていただきます。

 

 

 

2.楽しそうなイベントでも「友達の輪に入れない不安」がある繊細な子

 

繊細なみっくんがいつもまとっている不安感を、どうしたらいいのか…。寄り添っても共感しても、「ママと一緒じゃないと不安」が増す様子に頭を悩ましていました。そんな時に出会ったのが、お家で脳を育てる発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)のトレーナー、むらかみりりかさんでした。

 

りりかさんの元で学び始めて2ヶ月が経った頃、「いたずらで心と脳をのばす!」子どもたちのピュアな「やってみたい」を大人の「当たり前」を封印して叶えよう!!という「いたずら万博」の計画が発表されました。

 

わたしは瞬時に参加を決意。

それには3つの理由があります。

 

①家族だけではできない体験の宝庫!

②子どもが挑戦して最後までやり切る経験を楽しみながらできる

③わたしも子どもへの対応をリアルに学んで成長できる

 

とはいっても、この時に乗り気なのは、まだわたしだけ。

 

案の定、「夏におうちじゃ出来ないようないたずらが、なーんでもできちゃうイベントがあるんだって~~~!!!」「イェイ、イェーイ!!」と小躍りしながら伝えても、多少にんまりはしたものの「それって…誰がいるの?」と不安な気持ちをのぞかせました。

 

それもそのはず、みっくんは「もし、あっちに行ってって言われたらどうしよう」と話しかける勇気が持てず、お友達の輪に入れないほど繊細な子。みっくんが「行きたい!」と乗り気になるには、いろいろな準備が必要です。

 

 

 

3.なにかに誘うとき、ママの説得は封印

 

イベントに参加する!となった時に、通常はイベント当日のみ足を運んで参加することが多いと思いますが、今回は繊細な子たちの気持ちを知り尽くした発コミュのイベントです。

 

事前に自己紹介シートを作って共有したり、オンラインで行う「いたずらミーティング」で顔を見る機会をつくったり、さらにはみんなで広い公園で遊んで、どんな人たちなのか肌で感じるおでかけ企画も立ち上がりました。

 

ここからおでかけ企画までの1ヶ月、わたしも焦らず楽しもう。「お友達の輪に入れない不安」解消の前に、まずは「行ってみたい」を引き出すこと。説得するのではなく子どもが「参加したい!!」と走りだせるようにするにはどうしたらいいか、ということを考えていくことにしました。

 

 

 

4.子どものワクワクを引き出す作戦!!

 

意識していたのは「こうじゃないとダメだよ!」「これに参加しないとダメだよ!」という指示は絶対にしない、ということ。

 

繊細な子は大人がこうしてほしい!という指示を出すと「うまくやらなきゃダメ…ママが思うようにできなかったらどうしよう」と不安になって、聞く耳も興味も閉じてしまうと発コミュで学んだからです。

 

とにかく、ワクワクがふくらんで興味をもってもらえるように、わたしが楽しんで準備を進めました。

 

 

①「はじめまして」の前にお互いの「好き」を知る

 

まずは、どんな子がいるのかを見ることができる顔写真つきの自己紹介シートに記入します。

 

りりかさんと息子君、そしてもう1組の親子が最初に記入してくださっていたので、「みてみて~!こんな子が参加するんだって!!」と、まずはみんなのお顔や好きなことを一緒に眺めました。「あ!これ知ってる~!」「これってなんだろ~?」と、ひと盛り上がり。

 

「みんなの好きなもの見るの楽しいね~」と話しながら、顔が分かる家族写真と、好きなものと一緒に映るおふざけ写真も撮影してシートに載せました。

 

その後も「誰か新しい人載ってる~?」と、ちょっと興味がわいてきたようでした。

 

わたしたちの自己紹介おふざけ写真

 

 

②おでかけまえにオンラインで雰囲気をキャッチ

 

「一緒におでかけするみんなといたずら作戦会議するんだよ~、どんないたずら考えてるんだろうね?!」「子どもたちも映りたい子は映っていいんだって~、自己紹介シートの子たちもいるかな~?」そんなことを、いたずらミーティングの1週間くらい前から会話の中にいれていきました。

 

心の準備が必要なみっくんは、当日や前日に「ミーティングあるよ!」と言うとビックリの方が大きくて、ワクワクまでたどり着けないからです。

 

いたずらミーティング当日、最初はちらちらと映りこむだけだったみっくん。好きなおもちゃを持っている子を見つけてからは、じぶんの好きなぬいぐるみを持ってぐいぐいカメラの前へ。

 

カメラ越しでもお友達と関りを持てたことで「友達の輪に入れないかも」という不安もやわらぎ、「きちんと」しなくてもいい楽しいメンバーだよということも、感じ取ってくれたようでした。

 

いたずらミーティング

 

 

③持っていきたいものはなんでもリュックにつめて出発!

 

いつも公園に行くときは、「汚れたら一緒に寝れないよ~?」「なくしたら大変~~」と言って、ぬいぐるみはお留守番させることを勧めていたわたし。けれど、いたずらミーティングで楽しそうにぬいぐるみを見せる姿を見て、そんなわたしの「当たり前」は封印することにしました。

 

「一緒に公園に連れて行ってあげたい子(ぬいぐるみ)はリュックに入れて持っていこう~!」というと、「え、いいの?!」ととっても嬉しそう。ぬいぐるみたちをリュックに詰めた後は、「水筒も持っていかないとね!」と、みっくん自らおでかけの準備を進めていました。

 

もうひとつ、車で移動することの多い我が家ですが、この日はみっくんの大好きな電車で公園へ向かうことにしました。

 

「靴ぬいで窓の外見てもいい?」車窓から外の景色を眺めるみっくんは、とっても嬉しそうでした。

 

 

 

5.はじめましての子とニコニコで過ごせた「はじまりの日」

 

待ち合わせの公園につき、みんなの到着を待つみっくん。最初に合流したりりかさんの息子君の手に、大きな恐竜のおもちゃを発見!じぶんもリュックから犬のぬいぐるみを出し、さっそく2人で遊び始めました。

 

(え?お友達の輪に入れないみっくんはどこに行ったの?!)

 

心の中で驚きながらも、事前に顔や好きなもの、雰囲気を知れていた「安心」の効果に嬉しくなりました。

 

そこからは、大きな木までかけっこをしたり、体を動かしてすっかり心もほぐれた様子。大人も一緒になって本気のおにごっこをしたり、風船ゲームで盛り上がりました。

 

男の子たちがボール投げで盛り上がり始め、ボールにそこまで興味のないみっくんはどうするのかな~?と思って横目で見ていたら…なんと、はじめましての女の子のところへ行き、それは楽しそうにぬいぐるみで遊び始めました。

 

「お友達と遊びたい」という気持ちはもともと強かったみっくん。ただ、お友達の輪に入るのはちょっぴり苦手…。そんなみっくんが、安心できる人たちの中ではこんなふうに楽しく遊べるんだな…と、胸がじんわりあたたかくなりました。

 

帰る頃には「帰りたくない~」「もう終わり?寂しくなっちゃうな・・・次はいつ会える?」と言いながら、お友達と公園の出口まで手をつないで歩くみっくん。

 

たくさんのはじめましての子たちと、「帰りたくない」と思えるほど楽しく遊べた素晴らしい1日になりました。

 

 

冒頭にも書きましたが、おでかけはゴールではなくて、夏のいたずら万博へ向けた「はじまりの日」です。大人とも子どもとも楽しく遊べて「次いつ会える?」と思えたことで、いたずら万博へのワクワクがまたひとつ膨らんだみっくん。

 

楽しかった思い出を振り返りながら、「みんなとどんないたずらやっちゃおうか?!」と、ワクワクの芽をもっと伸ばしていこうと思います。

 

 

執筆者:みやざわちひろ

発達科学コミュニケーション

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