1.「本当はやりたいのに」すぐ諦める繊細な子
「やってみたい!」と思っても、ちょっと失敗するとすぐに諦めてしまう。そんな繊細な子に悩んでいるママも多いのではないでしょうか?
わが家の繊細な小学校3年生の娘も、以前は何でもすぐ諦める子でした。
実は、すぐに諦めてしまうのは、 繊細な子どもの脳の仕組みが関係しているのです。
今日は、繊細な子にあきらめ癖をつけない!確実に成功体験をさせられるママの関わり方を、わが家の実体験に沿ってご紹介します!
2.なぜすぐに諦めるの?繊細な子の脳のしくみ
繊細な子の脳は、不安や恐怖を感じるエリアがとても敏感です。
ちょっと失敗すると、
「危ない!」
「もうダメかも…」
と脳が心にグッとブレーキをかけるかのように、行動を抑制する機能が働きます。
さらに、自信につながる脳のエリアはまだまだ成長途中のため、うまくいかない経験があると「やっぱり無理」と不安がふくらみ、スムーズに切り替えることができないのです。
このように、 「できない」とすぐに諦めるのには、脳の仕組みが関係しているということです。
3.弱音に共感や寄り添いは逆効果!
ある日わが家では、娘が以前から希望していた釣り堀体験をすることになりました。
はじめての釣り堀に「何匹釣ろうかな~?」とテンションがあがる娘。
しかし、一向に魚は釣れません。
キラキラしていた繊細ちゃんの表情は、みるみる暗く、悲しい表情になっていき、
「全然釣れない」
「やっぱりできない」
と弱音を吐きだしたのです。
以前の私は、「できない」と言ってすぐ諦める娘に、「大丈夫!もう少しやってごらん!」と寄り添い励ましたり、「無理しなくていいよ」と優しくしたり、それでもうじうじする姿に「じゃあもうやめる?」と突き放したりと、一貫性のない対応ばかりしていました。
実はこれらはすべて逆効果!
ひといちばい敏感で繊細な子の不安は、「大丈夫」という漠然な言葉では解消できません。
「無理しなくていいよ」と言われると、 自分が本当にできないんだと感じ、突き放されるとこの世の終わりと言わんばかりに傷ついてしまう。
つまり、どれも繊細な子の自信を奪ってしまう声かけなのです。
大切なのは、繊細な子自身が「大丈夫!」と思える自信の種を、ママが外からインプットしてあげることです。
具体的な方法を次の章でお伝えしますね。
4. あきらめ癖が改善!ポジティブ記憶を貯金するママの声かけ
私がやったことは2つです。
①成功体験のインプット
繊細ちゃんは過去に、「できない」が「できた!」に変わったある経験がありました。
それは家族でUFOキャッチャーをしに行った日の出来事です。
どうしても欲しい景品が取れず、半泣きで諦めかけた繊細ちゃんでしたが、最後の100円で「もう1回だけ」と挑戦し、見事キャッチに成功したのです。
私は繊細ちゃんに成功体験のインプットをするために、この話をしました。
すると、暗かった表情がパッと明るくなり、「絶対できる!諦めなければできるもん!」とやる気スイッチが入ったのです!
そんな繊細ちゃんの前に、魚を大漁に釣っている一組の家族がいました。
繊細ちゃんは、自分で考えてその家族を観察し、エサの付け方と、竿をあげるタイミングを真似し始めました。
繊細ちゃんが気付いたことはそれだけではありません。
その家族が釣りを楽しんでいる!ということに気づいた繊細ちゃんは、「釣れるかな~」と笑顔で楽しむことにフォーカスし、目をキラキラさせ始めたのです。
②実況中継で背中押し
私は、繊細ちゃんを観察しながら、できたこと、できるようになったことを実況中継しました。
「周りの人を観察して勉強してるんだね!」
「エサのつけ方変えたら、ちょっと魚寄ってきたね!」
「竿の上げ方変わったねー!なんかプロみたい!」
失敗しても何しても、できている事に注目し、声をかけ続けました。
そしてついに釣れた念願のお魚!
一匹釣れると、次々と釣れ、最終的にひとりで6匹のお魚を釣ることができました。
エサを自分でつけたり、魚を素手でつかんだり、次々とはじめてのことに自ら挑戦し、たくさんの自信と成功体験の貯金が出来ました。
繊細ちゃんが一匹目を釣った時の、達成感に満ち溢れた表情は、今でも忘れられません。
これまで親子でたくさんの経験をし、トラブルも乗り越えてきました。
いつでもその経験に立ち戻り、できた記憶を振り返ることで繊細な子は動き出せます!
ネガティブ思考が強い繊細な子でも、ママが外からポジティブな記憶をインプットすることで、ネガティブはポジティブに上書きできるのです。
繊細な子のあきらめ癖に悩んでいたら、ぜひ試してみてくださいね!
執筆者:ふじい あきな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)