1.できるだけ早く安心して学校に行けるように
幼稚園の頃から行き渋りのあった小学2年生の三男(通称みっくん)。
小学生になってからもその様子は変わらず、1年生の間ずっと、わたしが付き添って教室まで送り届けていました。
1年生の3学期には行き渋りが強くなり、保健室登校になった時もありました。その時は小学校の担任の先生や補助の先生とわたしがコミュニケーションをとることで、無事に教室へ登校できるようになったのが3月のこと。
そして4月。2年生に進級し、クラスメイトも担任の先生も新しくなりました。
わたしの願いはただひとつ。
できるだけ早く、みっくんが安心して、楽しく学校に通えるようになったらいいな、ということでした。
2.「行かない」「怖い」新学期にあふれた不安
2年生になったことで、みっくんにとってはたくさんの変化がありました。
クラス替え、教室が1階から2階へ移動したこと、そしてなにより大きかったのは、1年生のときにそばにいてくれた補助の先生がいなくなったこと。
「学校行かない」「怖い」新学期早々、みっくんの口から出てきた言葉に、わたしも胸がぎゅっとなりました。
繊細なみっくんにとって、小学校の担任の先生と気軽に話せるかどうかは、学校で生活する時の安心感に大きく関わります。
このままでは、また行き渋りが強くなって教室へ登校できなくなるかもしれない。
そんな不安が頭をよぎり、わたしだけではなく、みっくん自身が担任の先生と安心して話せるように、なにかきっかけがあった方がいいと強く感じました。
3.人見知りな子が“好き”をきっかけに小学校の担任の先生とつながる
みっくんの行きしぶりが強くなった小学1年生の1月、「みっくんのことかな?!」と思うくらい、繊細な子に特化した親の声かけを教えているむらかみりりかさんに出会いました。「このアプローチ法を学んで実践すれば、なにか変わるかもしれない!!」と、りりかさんの元で脳科学に基づいた繊細な子への声かけを学び始めました。
そして4月。新しい環境に、繊細な子がいかに早く安心感をもってなじんでいくことができるか…ということをりりかさんからぴったりのタイミングで学ぶことができたのです。
「先生に○○(子どもの好きなもの)知ってるか聞いてみて?」そのひと言が、小学校の担任の先生と子どもとの会話のきっかけになる。
たったこれだけのことが、子どもにとって“話しかけやすさ”や“安心感”につながることを学び、「これは、みっくんにも試してみたい!」と感じました。
4.「先生も〇〇知ってるかな?」きっかけの一言
みっくんの“好き”はちょっとマニアックで、海外ホラーゲームのキャラクターなど、先生に質問しても「知ってる知ってる~!」とはなりにくいもの。
そこで、小学校の担任の先生と話す機会があったときに、「三男が先生とお話しできるようになるといいなと思っていて…」と前置きしつつ、「実はこういうものが好きなんです」と、いくつかみっくんの“好き”を紹介してみました。
先生は「わ~、知らないものばっかりです。なんだかおもしろそうですね!」と笑いながら、お伝えしたものの中から1つをその場で検索。「こんなのあるんですね〜!こんなキャラクターも出てくるんだ!もっと調べてお話のきっかけにしてみますね。」と言ってくださいました。
翌朝、みっくんと学校に向かいながら「先生〇〇知ってるかなぁ?知ってるか聞いてみて〜。」と声をかけてみました。
するとみっくんは、「え~、知ってるかな~?知らないかもよ~?」と言いながらもにこにこ。なんだか楽しそうでした。
5.「わくわく」がつなぐコミュニケーションの種
もちろん、初日からうまく話しかけられたわけではなく、「今日はタイミングなかったんだよね〜」と教えてくれる日が1週間続きました。
それでも、「先生、知ってるかな〜?」と、先生に話しかけるのを楽しみにしている様子に安心したことを覚えています。
そして1週間が過ぎたころ、学校から帰ってきたみっくんが「先生とお話ししたんだよ〜!」と、うれしそうに報告してくれたのです。
それからは先生に心を開いて、心配なことをじぶんから聞くこともできるようになり、教室が安心の場になったことも伝わってきました。
繊細な子にとって、誰かに話しかけることは、すごく大きな勇気がいることです。
だからこそ、“好き”というポジティブな気持ちを出発点にすることで、「聞いてみよう!」の気持ちが生まれるきっかけになると感じました。
とくに小学校の担任の先生は、毎日子どもが関わる存在。だからこそ、“好き”をきっかけに先生と会話できるようになると、安心して学校生活を送るための大きな一歩になりますよ。
執筆者:みやざわちひろ
発達科学コミュニケーション