1.音に過敏で「うるさい」と言って耳をふさぐ繊細な子
子どもが音に過敏で映画や花火鑑賞などの音の出る場面が楽しめない…学校で先生の声がうるさいと言う…どうしてわが子だけ?そんなふうに思っていませんか。
わが家の繊細な娘、現在小6の花ちゃんも、小さい頃は嫌がる様子はありませんでしたが、不登校気味になった小4の頃から音に過敏になり始めました。
外食しているときに隣に座っている人の声が「うるさい」と言ってご飯を食べられなかったり、わが家のベランダから至近距離で花火が観れるのに「うるさい」といってずっと耳をふさぐ娘。
楽しいはずの外食も急いで食べておうちに帰る、せっかくの花火大会なのに鑑賞できない、「もっと楽しめたらいいのに…」私はそんなふうに思っていました。
娘が「先生がこわい」と言って学校へ行けなくなった時に、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方を専門に教えているむらかみりりかさんと出会い、繊細な子の生まれ持った特性を強みに変える研究を始めました。
研究を究めていく中で、不登校気味になってから音に過敏になったのは繊細な子の特性だけでなく、実は脳のストレスにも関係していたことがわかったのです。

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2.繊細な子が感覚過敏になりやすい理由とは
繊細な子の脳は、あらゆる情報や刺激を感じとる敏感なセンサーがあります。
そのため、においに敏感だったり時計の音や人の話し声が気になったり、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の「五感」が敏感に反応して日常生活でも疲れやすいのです。
このもともとの敏感さに加えて、さらにストレス状態が続くと、1のストレスを100に変換してしまう過剰な反応が起こり、症状が現れるのです。それを「感覚過敏」といいます。
娘の場合、小4になる前までは、そこまで気にならなかった飲食店での人の声や花火の音が、学校の集団生活でのストレスがきっかけで音に過敏=「聴覚過敏」が現われていたのです。

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感覚過敏には聴覚過敏の他に、
・視覚過敏(光や映像への敏感さ)
明るい蛍光灯や日差しがまぶしすぎて目を開けられない
人混みや教室の掲示物などが「ごちゃごちゃして落ち着かない」
・ 触覚過敏(肌に触れるものへの敏感さ)
洋服のタグ、縫い目、チクチクする素材がどうしても我慢できない
手や顔が汚れるのが嫌で、粘土・砂遊び・食事中に触るのを避ける
・ 嗅覚過敏(においへの敏感さ)
香水、柔軟剤、給食のにおいが気になって体調を崩す
病院や学校のにおいで気分が悪くなる
・ 味覚過敏(味・食感への敏感さ)
食感が苦手(ぐにゃっとしたもの、ザラザラしたものなど)
食べられるものが極端に少ない(偏食)
といったものがあります。普段なら気にならないようなことまで意識してしまうため、刺激が多すぎて疲れやすくなります。
これは単なるわがままではなく過敏状態が影響しているんですね。また困りごとに見えているものが実は、この感覚過敏によるもの、ということもあります。
では、この過敏さはどのようにしてやわらげることができるのでしょうか。
次の章で、私がこれまでお家で脳を育てるコミュニケーションをマスターして、実践してきたことをお伝えします。
3.過敏さをやわらげるママの3つの対応
①ママの肯定的な関わり
安心できる環境でお子さんの脳をリラックスさせることで過敏さはやわらぎます。娘が「うるさい」と言ったとき、私は「そんなの気にしすぎ」、「大丈夫だよ」と言っていたことが逆効果だったのです。
「そう感じるんだね」
こんなふうに受けとってあげることでお子さん自身がストレスを感じることなく、「わかってくれた」と安心できます。
普段の会話は、お子さんが前向きな気持ちになれるように、肯定的な声かけをしてあげるといいです。
「最近はどんな動画みているの?」
「気になってたカフェ行ってみる?」
「ママもそう思うよ~」
といったように、お子さんとの会話でリラックスできる環境をつくることがポイントです。
②安心できる「音」を取り入れる
「苦手な音をゼロにする」より、「心地いい音を増やす」という視点で、好きな音を取り入れると耳が落ち着く体験ができます。
娘の場合、音に敏感でも自分の好きな「推し」が歌っている曲をドライブしている時や動画で見たりしていました。そんなに大音量で聞いていても大丈夫なのかな?と思うくらい大きな音で聞いていましたが、好きな音楽は不快にならないんですね。
「誰が歌っているの?」
「今度カラオケで歌ってみる?」
というように興味をもって聞いてあげると、とても喜びますよ。お子さんが安心できる音は何か、ママが探してみてくださいね。
③好きなことから「できた!」の体験をたくさん増やしてあげる
最初はお手伝い多めでもOK!自分でできることが増えていくと、理解して→考えて→判断して→行動するといった一連の流れで脳が育っていき、過敏さが落ち着きます。
わが家の場合、娘が好きなアスレチックへ行って8mもあるところまで一人で登ったり、木工体験でミニトランクを製作したり、「できた!」の体験をたくさん積ませてあげました。
「こんなに高いところまで登れたんだね!」
「ステキなミニトランクができたね~」
と言葉にしてあげることで「できた!」記憶が脳に残りやすくなります。

4.「花火きれい!」と言えるようになった繊細な子
この3つの対応をしたことで脳のコンディションが整い、娘の聴覚過敏はやわらぎました。
小5の時にビーチから目の前で花火を鑑賞した娘は、その綺麗さに感動。花火が「うるさい」から「きれい」に変わった瞬間でした。

もちろん外食の時も、耳をふさぎながら「うるさい」と言う娘はもういません。
イヤーマフなどの道具も大事ですが、いちばんの支えは理解してくれる人がいるということ。「感じ方は変じゃない」と伝えてあげて、肯定的な関わりこそが聴覚過敏をやわらげるのです。
感覚過敏はお子さんそれぞれの感じ方が違いますし、苦労されているママも多いのではないかと思います。
繊細な子の聴覚過敏で悩んでいたら3つの対応を試してみてください。少しずつ音への過敏さがやわらいでいきますよ。
5.小4で花火が「うるさい」から「きれい」に変わった娘が、中1になった今
あれから3年、中1になった娘は毎年、違う楽しみ方で花火を鑑賞できるようになりました。
小6の時は家の近くの丘から最前列で鑑賞し、参加できなかった主人のために花火の動画を撮影しながらリアルタイムで実況中継。
そして、中1になった今年は打ち上げ場所から一番近くで見れる観覧席でご飯を食べながら花火を楽しみました。

小4の時に耳を塞いでいた娘が嘘のよう…
花火鑑賞を楽しんでいる娘を見て、脳のストレスをやわらげてあげることでこんなにも楽しみ方が増えるのだと嬉しくなりました。
そして、今まで舌触りが嫌でこんにゃくを食べられなかった娘は、「食べてみる!」とトライするようにもなったのです。
この娘の成長に本当にびっくりしています。
そして、「過敏さがでた時はストレスを感じ始めている状態」と学んだことで、小1の弟くんの嗅覚過敏がでた時にすぐ対応することができました。
いつでも誰にでも対応できる術を身に付けたことは、私の大きな自信となったのです。
せっかくの花火なのに…と諦めなくて大丈夫!
子どもに合った肯定の関わりで、経験できることをどんどん増やしていきたいですね。
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執筆者:藤野とも子
(発達科学コミュニケーション)





