音読宿題の苦手な繊細な子が「読めた!」の自信が育つ脳に届く声かけ

音読宿題にまったく手をつけない息子。 だけど、歴史の本を黙々と読んでいる姿があるんです。 「なんで音読は嫌なのに、本は読むの?」と私はずっと不思議でした。実はそこには、繊細な子どもの脳のしくみが深く関係していました。 この記事では、無理に克服させなくても「読めた!」が自然に増える、声かけの工夫をご紹介します。

1.音読宿題に、まったく手をつけない…

 

✔音読カードにサインだけ書いてって言われる

✔音読の宿題を伝えた途端「やらない!」と、いなくなる

✔国語の授業がある日は学校に行きたがらない

毎日の音読の宿題に抵抗するお子さんの姿に、「どうしたらいいの?」 「何とかやらせなきゃ…」と悩まれる経験はありませんか?

 

私の繊細な息子(通称:優士)は” 音読”というだけで、顔をしかめ、ランドセルに近づこうともしないのです。

 

しかし、その一方で、優士は大好きな歴史の本を読んでいるのです。 まるで授業の国語とは別物かのように、夢中でページをめくっています。

 

「同じ読み物なのに、なんで宿題音読はあんなに嫌がるのに、 本は自分から読むの…?」

優士のギャップに疑問に思って調べるうちに、私は初めて繊細な子の脳のしくみに気づいたのです。

 

 

2.音読が苦手な理由は、繊細な子の脳の“記憶のクセ”にあった

 

繊細なお子さんの脳は、過去の嫌だった記憶や恥ずかしい体験を強く覚えやすいという特徴があります。

たとえば:

  • 音読中につっかえて笑われた

  • 読み間違いを注意された
  • みんなの前で緊張して恥ずかしかった

そんな経験が、「音読=嫌なこと」「注目=失敗」という記憶として 脳に刻まれ、音読そのものにブレーキがかかってしまうんです。

頑張ってほしくて「家で練習したら大丈夫だよ」と励ますほど、“嫌な記憶”が上書きされ続けてしまうのです

 

 

3.読ませない!“実況中継”が読めた!を引き出す

 

国語の授業がある日に登校を渋った優士。 家で歴史の本を読んでいる姿を見て、私は「これはチャンスだ!」思いました。

 

私は、すぐに、「読ませる」ことではなく、 ただ行動を言葉にして実況中継することを始めました。

 

「あ、読んでるね。中国の歴史かな?」
「ここ、面白そうなページだね」

 

すると優士は、「うん。ここさ、中国とロシアが…」と 照れながらも自分の言葉で読み始めてくれたのです。難しい漢字で止まったときも、私は口を出さず、

「そっか、それも読んでみたんだね」 とただ聞き役に徹しました。

 

 

4.克服させないで「できた!」が繊細な子の脳の発達になる

 

音読が苦手な子にとって一番大事なのは、 「できない」記憶を増やさないことです。

  • 「またできなかった」

  • 「やっぱり自分はダメ」

そんな思いが積み重なると、音読だけでなく、 国語や学校そのものが嫌になってしまうこともあります。だからこそ、 家では“できた”“読めた”の記憶を積み重ねてほしいんです。

 

優士は今でも音読が得意なわけではありませんが、「自分のペースで読んでいい」という安心感の中で、 少しずつ読むことに対して自信をつけていきました。

 

声かけひとつで、脳は動き始めます。 まずは今日、「読ませよう」とする代わりに、“見る・言葉にする・聞く”をやってみませんか?

 

執筆者:増山陽香

発達科学コミュニケーショントレーナー

 

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