繊細な子が習い事を「嫌がる」から挑戦に変わる!「できない」が「やってみる!」へ変わった心と脳を育てる関わり方

好きなことや得意なことでも挑戦できず、一歩が踏み出せないことはありませんか?本当は「やりたい」と思っていた繊細な子が、親の関わりで“挑戦する心=脳”を育て、習い事を嫌がることなく、挑戦できたわが家の体験をご紹介します! 

1.繊細な子が「サッカー大好き」なのに習い事を嫌がり踏み出せなかった理由


サッカーが大好きな次男、年長のエイジ君(仮名)は、家族で公園に行けば夢中でボールを蹴るほど楽しんでいました。

 

そんなエイジ君は、兄の通うサッカースクールの見学も毎週欠かさず行き、グラウンドの隅で真似をしながらサッカーボールを蹴って遊んでいました。

 

その様子を見ては「そんなに好きなら、一緒に参加してみたら?」と声をかけていましたが、返ってくるのは決まって「僕はやらない…」という言葉。

 

何度誘ってもその気はなく、次第に声をかけることを諦めていました。

 

「家族でなら生き生きと楽しめるのに、なぜスクールは無理なのか」と悩みつつも、エイジ君には無理なんだと思い、いつの日か誘うことすらなくなっていたのです。

 

好きなことなのに「やらない」という不思議な態度に、親として戸惑いを抱えていました。

 

 

2.習い事を嫌がる繊細な子の本当の気持ちとは?“やらない”の奥にある脳のブレーキ

 

実は、エイジ君が「やらない」と言い続けていたのには、ちゃんと理由がありました。


みんなみたいに上手にできないかもしれない。

 

失敗したら恥ずかしい。

 

注目されるのが怖い…。

 

そんな気持ちが、彼の中にはあったのです。

 

「サッカーが好き=習い事に通う」という私の当たり前の感覚では、気づけなかった息子の本音。


私の中で、好きならやればいいのに、どうして?という思いがずっとありましたが、実は「好き」と「やる」はイコールではなかったんだと気づくきっかけがありました。

 

それは、たまたま見つけたむらかみりりかさんの投稿です。


繊細な息子さんが、少しずつ挑戦していく姿に驚きと憧れを感じました。

 

繊細な子でも挑戦する?嘘でしょ!?と、そこから私は、発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会い、学び始めることにしたのです。

 

発コミュを通して、子どもの行動の裏にある心や脳のしくみを知り、「やってみたい」「もっと上手になりたい」と思っているのに、動き出せない理由があることを知りました。


あの時のエイジ君が、習い事を嫌がるのは拒否ではなく、脳に強いブレーキをかけ、自分を守るための言葉だったんだと、ようやく理解できたのです。

 

 

3.繊細な子が習い事を嫌がっても挑戦できる親のサポート方法

 

①繊細な子の自信を育てる「肯定の声かけ」とは?

 

エイジ君の自信を育てるために、私が最初に取り組んだのは、「褒め」ではなく「肯定」を意識することでした。

 

繊細な子どもは、自信を失いやすいものです。


だからこそ、「できる、できない」のではなく、「やり始めや、やろうとしていること、やっている過程」に日々目を向け、肯定的な言葉をかけることにしました。

 

たとえば、
「助かった〜、ありがとう!」
「〇〇まで出来たね!」
「ナイス〜」
そんな風に声をかけるように心がけました。

 

ママやパパからたくさんの肯定の言葉を受け取った子どもは、親子の愛着の関係を深めていきます。

 

この愛着の土台が安定してくると、「自分は大丈夫」と思える心が育ち、少しずつ行動する力が育っていきます。

 

②嫌がるから安心感を育てるスモールステップ練習法


繊細な子どもは、周囲の環境や状況をとてもよく観察しています。
安心できる場所だと自分で感じない限り、最初の一歩を踏み出すのはとても難しいものです。

 

そこで私は、エイジ君と一緒に「なんとなく見ていた練習」を、もう少し丁寧に観察するようにしてみました。

 

「今日は何人いるかな?」「どんな練習してる?」「どこにボール出してる?」
「○○くんって名前だったね?」と、見えていることを会話にしていくと、エイジ君の中で少しずつ練習風景が“知っている世界”に変わっていきました。

 

そうして安心の範囲が広がってきたある日、偶然にも体調不良などでスクールの参加人数が少ない日がありました。


そのときコーチが「入ってみる?」と声をかけてくれたのです。

 

すると、エイジ君はすっとグラウンドに入っていきました。しかも、私がちょっと目を離していた間に。

 

「本当に初めてなの?」と思うくらい、まるで心のブレーキが外れたかのように、アクセル全開でサッカーを楽しんでいました。

 

背中を押してあげるつもりだった私でしたが、気がつけば、自分の足でしっかりと一歩を踏み出せる力が育っていたのです。

 

 

③「やってよかった」の記憶づくりで次も挑戦!

 

エイジ君はドキドキしながらもスクールに参加し、初めての経験に一歩を踏み出しました。


コーチや仲間たちの中に入るのは勇気が必要だったと思います。

 

終了後は「楽しかった」「またやりたい」と笑顔で話してくれました。


この体験が、エイジ君にとって「怖かったけど、やったら楽しかった!」というポジティブな体験と記憶として残ったことが、次もやってみたいという気持ちになったのです。


「できた!」という自信が、次のチャレンジにもつながっていき、今では休まず練習に参加するまでになりました。

 

大好きなサッカーだったからこそ、苦手な初めてに挑戦出来ることが出来ました。

 

4.繊細な子でも習い事を嫌がらずに挑戦できる子に育つ!親子で築く安心と信頼の“心の土台”

 

いつも見ていた場所でも、「安心できる場所」だと感じられれば、子どもにとっては大きな一歩が踏み出しやすくなる。そんな気づきを、今回の経験を通して得ることができました。

 

見慣れた風景、知っている人たち、繰り返し見た行動。


それらが「安心」の材料となり、挑戦へのハードルを下げてくれるのです。

 

そのためにまず必要なのは、親子の愛着関係をしっかりと育むこと。

 

心の土台が安定していれば、たとえ新しいことに挑戦する場面でも、バランスを崩すことなく立っていられる。そう確信するようになりました。

 

習い事だけを無理やり進めるのではなく、日々の関わりの中で自信を積み重ねることが、子どもの“やってみよう”の力になるのです。

 

今回の体験では、習い事にフォーカスしていましたが、実はそれと同時に、家庭内のいろいろな困りごとも同時に解決していったことにも驚きました。

 

これからも、子どもと一緒に成長していくことを楽しみにしながら、笑顔あふれる毎日を積み重ねていけたらと思っています。


そして、同じように悩みながら子育てしているママたちとも、そんな希望を分かち合っていけたらうれしいです。

 

 

執筆者:ますながゆみこ

発達科学コミュニケーション

 

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