1.朝の仕度は母だけが大忙し
小2(当時)の息子りゅう君との朝は、いつも私だけが大忙し。
「パジャマ脱いでー!」「靴下はいてー!」
何を言っても聞く耳をもたず、りゅう君はソファーから立ちあがろうともしません。
結局、私が服を持ってきてあげて、お着替えをしてあげることになります。
「そのうち出来るようになるかな?」そんな母の期待をよそに、朝の仕度はバタバタしたまま、2年生が終わろうとしていました。
2.声は「脳」に届かないと行動できない
3年生になる前には何とかしなくちゃ・・・と、夜な夜な情報を検索していると、発達科学コミュニケーションで「繊細な子のココロと脳を強くする親子のかかわり方」を専門に教えている、むらかみりりかさんを発見!
「行動することで、脳は発達し、心が強くなる」
「心が強くなれば、どんどん挑戦し、行動できるようになる」
私が探していたのはコレだ!と、光が見えた気がしました。
そこでりりかさんに学んだのは、「ママの声が脳まで届かなければ行動に移せない」ということ。
毎朝の支度時間で繰り返していた私の指示は、脳まで届いていないから、考えて、理解して、行動に移すことができなかったのです。
どうにかして「聞く耳」を持ってもらう必要がありました。
3.否定されるから「聞く耳」が閉じる
では、なぜ私の声が脳まで届かないのか?
それは、私の「否定の注目」が原因だとわかりました。
これまで私は「出来たからえらい!」「間違えてないからすごい!」という結果や成果を褒めていました。
それは、裏を返せば「出来ていない時はダメ」という目で子どもを見ていることになります。
例えば朝の支度時間に、テレビを見ながらパジャマを脱いでいたら、
「テレビ見てるから動きが遅いー!」
「まだズボン持ってきてないのに脱いじゃったの?!」
といった具合に、「出来ていないこと探し」がクセになっていたのです。
そんな風に否定ばかりしている私の声は、子どもにとって「聞きたくない声」になり、聞く耳が閉じてしまったのです。
4.「実況中継」で聞く耳が開く
「お母さんの声が聞きたい!」と思ってもらうために私がやったことはひとつ。
結果ではなく、始まりと途中に注目すること。
例えば、テレビを見ながらのお着替えも、
「着替え始めたんだねー」
「お!パジャマがもうちょっとでぬげそうだぁ〜」
終わるまでの間、見たままを声に出すようにしたのです。
何かに似ていませんか? そう、「実況中継」です。
この実況中継で、りゅう君は「お母さんが注意しなくなった!いつも見てくれている」と感じたようで、毎朝の支度を自分でやる日が増えていきました。
ちょっとでも自分で動いた時を見逃さず、「お!自分で始めたねー!」と伝えることで、「自分は出来ている!」という自信がつき、自ら行動することが増えていったのです。
5.息子が自分で動く朝がやってきた!
1ヶ月ほど経つと、りゅう君は自分でクローゼットに行き、上下の洋服を選び、自分で着替えを終わらせることが出来るようになりました。
聞く耳が開くだけで、朝の支度時間がこんなに穏やかになるとは思ってもみませんでした。
なにより、「出来ていないこと」に注目しなくなったら、私自身がイライラしなくなったのも、うれしい変化でした。
これからも、結果だけで判断するするのではなく、始めや過程の「できた!」を見逃さずに伝え、行動する力につなげていきたいと思います。
発達科学コミュニケーション
かなうち りこ