繊細な子が自分の気持ちが言えるようになる、わが子の脳に合った親子の会話術

自分の気持ちが言えないため「わかんない」とばかり言う繊細な子。聞けば黙り込み、怒ったり爆発してしまうこともあり、ついイライラしてしまったり不安を感じることはありませんか?そんな子が本音を言葉にできる親子の会話術、3つのステップを紹介します。

1 おしゃべりなのに、自分の気持ちが言えない繊細な子

 

我が家には小3の娘(通称:メイ)がいます。

 

メイは外ではとっても明るくて、おしゃべり上手。

先生やお友達からも「元気な子」と見られています。

 

けれど実は繊細な一面を持ち、自分の気持ち」を言葉にするのがとても苦手

 

学校やお友達との関わりで、気持ちを伝えられずトラブルになることもあります。

 

困ったときは、自分の気持ちが言えないために、誰かを味方につけて相手を攻撃してしまうこともありました。

 

そのストレスをため込んで、家では爆発

 

ちょっとしたことで癇癪を起こし、感情をぶつけてきます。

 

「どう思ったの?」と聞いても返ってくるのは決まって「わかんない」


気持ちを聞き出そうとしても、私にはその言葉が“その場しのぎ”にしか聞こえず、だんだんイライラしてしまう…。

 

外では元気に見えても、本当は気持ちをうまく言えずに苦しんでいるメイ。

 

メイの苦しさを理解してあげられないまま、親子でストレスばかりがたまっていきました。

 

 

2 気持ちを吐き出させてあげたいのに…できない現実

 

「どうしてそんなことになったの?」

「その時、自分はどう思ったの?」

 

私が聞けば聞くほど、メイは黙り込んでしまう

 

やがて「わかんない」だけ言って逃げ出したり、最終的には怒って爆発する。

 

お友達とのトラブルも、起きた事実は言えるが自分の気持ちが言えない



そんな日常が繰り返され、私自身も「どう関わればいいのか分からない」と途方に暮れていました。

 

周りからは

 

「子どもの気持ちを深掘りしてあげて」

「どう思っているかを聞いてあげるといいよ」

 

と気持ちの言語化が必要だというアドバイスをもらうけれど…

 

そもそも“聞いても答えられない、自分の気持ちが言えない子”にどう関わったらいいのかまったく分からなかったのです。

 

 

3 逆効果だった「どう思う?」の落とし穴 

 

悩みが苦しく、私は夜な夜な「どうしたら自分の気持ちが言えないを解消できるのか」を検索していました。


そんなときに出会ったのが、発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)で「繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方」を専門に教えている むらかみりりかさんでした。

 

悩みきって疲弊していた私は、思い切って個別相談を予約しました。


そのときりりかさんは、私の悩みにこう答えてくれました。

 

どう思う?と聞かれて気持ちを言葉にするのは、繊細な子にとってとても難しいことなんです。
大丈夫。親子の関わり方で、ちゃんと気持ちは言語化できるようになりますよ。」

 

この言葉を聞いた時、メイはやっぱり繊細な子なんだなと確信し、ずっと苦しかった心に希望の光が差し込んだ気がして、とても嬉しくなりました。

 

この後すぐに発コミュを学ぶことを決意しました。

 

そこで学んだのは、繊細な子は

 

  • 言葉を使い【聞く・考える・話す】力はあっても、気持ちを言葉にすることがとても難しい

 

  • 自分の感情を認識する力がまだ育っていない

 

  • 人の表情や感情への感受性が高く、注目されると脳が警戒モードに入ってしまう

 

  • 感情を扱う脳のエリアが安心し落ち着かないと、考える脳のエリアは働かない

 

その結果、

 

自分の気持ちが言えない → 分かってもらえない → 心を閉ざす

という悪循環が生まれてしまうこと。

 

そして衝撃だったのが、私が良かれと思って声をかけていた「どう思う?」という言葉が、実は逆効果だったということ。

 

心と脳に届く声かけをしていけば、少しずつ感情のキャッチボールができるようになり、やがて自分の気持ちを「言葉」で話してくれるようになる。

 

驚きと同時に「メイも変われるかもしれない!」と大きな希望を持つことができました。

 

 

4  気持ちを言葉にできるようになる親子の関わり方

 

学びを実生活に取り入れてみると、少しずつ変化が見えてきました。

 

「わかんない」で終わっていたメイが、自分の気持ちを言葉にできるようになったのです。

 

私が実践したのは、脳に届く3つのステップでした。

 

① 会話の間をあける

 

気持ちを理解して言葉にする脳の処理は、思っている以上にゆっくり

 

一つ問いかけたら、10〜15秒は笑顔で待つことを意識しました。

 

矢継ぎ早に質問したり、急かしたり、責めたりしないことで、娘が安心して考えられるようになったのです。

 

② 聞き方を変える

 

「どう思う?」

 

 ではなく、答えやすい2択やイエス・ノーで答えられるものに。

 

 「さみしかったの?びっくりしたの?」

 

具体的に聞くと、娘も「さみしかった」と少しずつ気持ちを言葉にできるようになりました。

 

③ ママも自分の気持ちを言葉にする

 

 「ママは今日は〇〇があってびっくりしちゃったな~」

「メイとお話できて嬉しかったよ」

 

などと、私自身の気持ちを伝えることを意識

 

こちらから気持ちを言葉にすることで、自然とメイも気持ちを表現してくれるようになりました。

 

こうした小さな積み重ねで、1ヶ月経ったころから「わかんない!」と言う回数が減り親子で感情のキャッチボールができる瞬間が増えていったのです。

 

 

5「わかんない」が減って、素直な気持ちが言い合える親子に

 

少しずつ「わかんない!」と言わなくなり、気持ちを言葉にできるようになったことで、親子の会話がぐんと増えました

 

学び始めて 5か月。今では「さみしかった」「嬉しかった」と素直な気持ちを言い合える仲に。

 

自分の気持ちを言語化できる力がついたことで、メイも少しずつ安心して人と関われるようになり、私自身も「気持ちを聞いて理解してあげられる喜び」を感じられるようになりました。

 

以前は自分の気持ちが言えないことで悩んでいたけれど、今はその時間を「親子で気持ちを伝え合うあたたかい時間」に変えて、これからも楽しんでいきたいと思います。

 

 

執筆者:たかしまきわ

発達科学コミュニケーション

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