1.怒られたくないから”いい子”でいる繊細な子
「ママに怒られないように」
「先生の言うこと守らないと」
「ちゃんとできてる?」
そんな言葉を口ぐせのように言っていたわが家の現在小学2年生の繊細な娘(通称:ミカ)。
保育園の先生には「問題ないですよ」と言われ、お友達トラブルも特になく、外の環境でめいっぱい頑張っていました。
ところが、常に緊張して気をつかっている様子で、家ではドッと疲れが出て荒れ放題・・・「この子大丈夫かしら?」と私はいつも心配していました。
それは、「いい子でいなきゃ」と脳が頑張りすぎているSOSサインだったのです。

2.”いい子症候群”になってしまう心と脳のしくみ
どうにかしてあげないと娘が自分らしさを失い、壊れてしまうと思った私は、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」で繊細な子の心と脳のしくみを学び始めました。
繊細な子の脳は、人の評価や感情にとても敏感です。
「先生がこうしなさいって言ってたから」
「ママ、今って機嫌悪い?」
そんな風に、雰囲気でさえも感じ取る”超敏感センサー”を持っていて、感じ取ったものを外に出せずに1人で抱え込んでしまいます。
それが不安に変わり「何かイヤだな」「怖いな」のようなネガティブな感情と一緒に、その場の状況が強く記憶されてしまうため
「こうするのがいいんだ」
「怒られないように」
と人の評価ベースで行動することが当たり前になりやすいのです。
例えば
✔ 言われたことだけをこなす
✔ 自分の気持ちは後回し
✔ 失敗が怖くて挑戦できない
このような”いい子症候群”と言われる状態になってしまいます。

3.「すごいね、偉いね」の褒め方を封印
”いい子”で無理をしていると、心も脳も疲れてしまい、自分らしさが出せません。
繊細な子の”いい子症候群”を緩めるには、大人の関わり方を評価する褒め方から、できていることへの注目に変えていくことが大切です。
ここで具体的な関わり方3つご紹介していきます。
① 評価する褒め方を封印
今は「怒られなかった=OK」という捉え方をしているため
「○○できて偉いね」
「完璧だね」
「1番だったの?すごいね」
何かができて偉い!やすごい!などの物事を評価する褒め方は、「できなきゃダメなんだ」とプレッシャーを知らず知らずのうちに与え「すごくない私はダメなんだ」と自信も失ってしまいます。
② 結果ではなくプロセスに注目
できた・できなかったの結果に注目するではなく
✔チャレンジしたこと
✔工夫したこと
✔最後までがんばったこと
など、その過程やプロセスに目を向けて声をかけることが大切です。
たとえ出来なかったとしても「次また頑張ろう」「練習すれば出来るかも」と未来への期待が出来るようになります。
③ 自信をつけるママの同意
「ママもそう思う」
「そう考えたんだね、いいね」
そんな風に、“自分の気持ち”を言葉にしてわかってもらえた!ママもそう思うんだ!という成功体験を積み重ねます。
小さな自信をつけることで、少しずつ「人の目や評価」ではなく「自分の軸や気持ち」で行動できるようになっていきます。

4.繊細な子が生き生きと過ごせるママの関わり
「怒られたくない」
「がっかりされたくない」
その思いの裏には「自分を出せない」というSOSが隠れています。
わが家の繊細な娘は、知らず知らずのうちに自信を失い、”いい子症候群”になって自分の気持ちを表現できなくなっていました。
ママの毎日の声かけを、心と脳に届く声かけに変えると、家ではお話上手になり、外でも緊張から緩和され自分らしく過ごせるようになりました。
繊細な子の“いい子”は、すごく頑張っている証です。
そのがんばりを、「自分らしく生きる力」に変えていくのは、ママの日々の関わりで心と脳をを強くすることが大切なのです。
「うちの子は大丈夫かしら?」と感じた方は、わが子をしっかり観察することから始めてみてくださいね。

執筆者:やまさき うみ
発達科学コミュニケーショントレーナー


