習い事を行き渋る繊細な子が不安を解消してすんなり出発!ママのスモールステップ作戦!

繊細な子が習い事を行き渋るとき、理由が分からず困ることはありませんか?ママの肯定的な声かけで、子どもが「行きたくない」理由を話し、「これくらいならやってみようかな」と思えるスモールステップ作戦で習い事に参加できた記録です。

1.不登校になった繊細な娘


2023年7月

私の娘・千帆(仮名)は小学3年生。数ヶ月前から学校へ行くことが難しくなり、不登校の状態が続いていました。


家では元気に過ごしているのに、外の世界へ向かう一歩が重くなる日々。


繊細な気質がある千帆は、 学校や習い事での小さな失敗体験が積み重なり、 自信をなくしてしまっていたのです。


「どうしてお家の外には向かえないんだろう…?」


私は千帆に何が起きているのか分からず、本やネットで情報を読みあさりました。


そんなとき、「おうちで脳を育てる発達科学コミュニケーション(発コミュ)」に出会い、私は学びを深めていきました。


発コミュの基本は、 好ましくない行動に注目せず、できていることに肯定の声を届けること。


この関わりを続けていくと、数週間で千帆に変化が見られるようになりました。


不登校ではありましたが、学校行事やお出かけで外に行くことも増え、千帆の心と脳はゆっくり強くなっていきました。


そして、幼稚園から続けている習い事のダンスも、 一時期は家から出られず欠席ばかりでしたが、意欲的に練習に参加できるようになっていったのです。



 

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2.習い事を行き渋る繊細な娘


2025年1月

小学4年生の冬のことです。


2ヶ月後に、習い事のダンスで、小学生とシニアの方が一緒に作品をつくる発表会が控えていました。


この日も午前中から夕方まで長時間の練習が予定されています。


千帆は、前回、初めてお会いしたシニアの方とのペアダンスにも挑戦していました。


しかし、もうすぐ出発だというのに、朝ごはんがなかなか進まない千帆。


空はどんより曇り、今にも雨が降りだしそう。私の心の中にも不穏な空気が流れ始めました。


そのとき千帆がぽつり・・・。


「練習行きたくないな」


予感的中。習い事の行き渋りが始まったのです。


家で自主的に練習するほど頑張っていたのに、練習を行き渋る千帆。


私は、いったん時計を見ながら、まだ出発までには余裕があることを確認し、まずは自分の心を落ち着かせました。

 


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3.繊細な子に寄り添いが逆効果な理由


この時点では理由までは分かりませんでしたが、繊細な子が習い事を行き渋る背景には、“脳のしくみ” が深く関わっています。


まず脳には自分を守るための “ブレーキ機能” が備わっています。これは危険や不安を感じたときに働くもので、繊細な子の場合、このブレーキが特に作動しやすいのです。


さらに繊細な子の脳は、人の感情にとても敏感で、ちょっとした表情の変化や、ネガティブな言葉を強く受け取ってしまいます。


だからもし、行き渋る千帆の言葉に対して私が


「そうだよね〜長時間で疲れるよね」

「行きたくないよね、分かるよ」

 

と、感情に寄り添いすぎてしまうと、千帆の脳は


「ママも行かなくていいって言ってる」

「今日は行かなくて正解なんだ」

 

と、受け取ってしまうのです。

 

すると、行き渋る気持ちはどんどん強まり、脳のブレーキがさらに強く踏まれてしまう。

 

その結果、不安はあっても本当は習い事に“行きたい”気持ちはあるのに、身体がついていかず、練習に向かう力が出せなくなってしまうのです。

 

寄り添いすぎは逆効果なのです。

 

4.不安を解消するママの2つの作戦

 

①ホームカウンセリング


発コミュを学んだ私は、 子どもの感情に寄り添いすぎず、子どもが自分の考えを言葉にして整理していく「ホームカウンセリング」を実践してみました。


ポイントは、どんなにネガティブな感情を言葉にしてきても気持ちをお預かりするスタンスでいること。


「そっか~、そうなんだね~」


とフラットに返事をします。


そして、千帆が落ち着いて話しができるように、質問するときは、なるべくネガティブなワードを使わないようにしました。


「何がなの?」

行きたくない理由を教えて!」

 

などと言ってしまうと、より行きたくない気持ちを強めてしまうからです。

 

だから私は、

 

「何かひっかかっていることがあるの?」

 

と聞いてみました。


ですが、なかなか千帆の口からは言葉が出てきません。

 

次に行きたくない理由はどこにあるのか、まずは私が考えてみることにしました。

 

・翌日家族で遠出を予定しているから?

・天気はあまりよくないし、単純に気分が上がらない?

・前回の練習で何かあった?

・そもそも発表会に出たい気持ちがなくなった?

 

千帆の背中をなでながらいくつか聞いてみましたが、千帆は「違う」と言うだけです。


再び、

 

「そっか~」

 

と穏やかに返事をすると千帆がぽつりぽつりと話し始めました。

 

「練習代が無駄になるのは悪いと思っている」

「でも行きたくない…」


ここは、どんな返事であろうとも、「話してくれた」そのこと自体を肯定します。

 

「そっか~、言葉にできたね」と伝えると千帆が本音を語り出しました。

 

「わたし、シニアの方とのペアダンスが苦手なの…。」

 

なるほど!!


シニアの方とのペアダンスは、きっちりとした型があるわけではなく、お互いの呼吸を合わせてフィーリングで踊るパート。

 

毎回微妙に動きが変わっていくので、次に相手がどんな動きをするのか良く分からないことが千帆の不安になっていたのです。

 

まずは、この不安をコーチに伝えてペアを解消してもらおうか、と提案することができました。

 

どんよりしていた千帆の表情がだんだんと明るくなってきました。

 

②スモールステップ作戦


次に、練習に少し前向きになってきた様子だったので、私は
「スモールステップ作戦」でそっと背中を押すことを考えました。

 

長時間の練習を「それくらいならやっても良いかな」と思えるように分解していきました。

 

・午前だけの参加でOK

・みんなとお昼ごはんを食べたら帰ってくる

・帰りに近くのお寺でお守りを買おう

・午後はそのとき考えよう

 

どこまで参加できるかは分かりませんでしたが、短く時間を区切って、参加の目安を伝えました。

 

そして、


「行こうと思って、朝、起きたんだよね」

 

と、この時点ですでにできていることに肯定の声かけをしました。

 

繊細な子の脳のブレーキが、ゆっくり緩み、進み出すことを待ちました。


 

5.すんなり出発し挑戦を続けられた娘

 

すると千帆は、鼻歌まじりで朝ごはんを食べ始め、すんなり出発することができたのです!

 

出発前はあんなに行き渋る様子があったのに!

 

そして、 練習会場に着き、コーチにペア解消をお願いしました。

 

千帆は、不安が解消されるどんどん調子が上向きになり、 最終的には、夕方まで練習に参加できたのです。

 

ステップをクリアするごとに、

 

「午前中の練習お疲れ様!」

「お昼ごはん美味しかったね!」

「かわいいお守り買えたね!」

 

肯定の声をかけました。

 

千帆の中に小さな「できた!」が積み重なっていき、それが安心と自信になったことで行動し続けることができたのです。

 

これからも、千帆の本当の気持ちに耳を傾けながら、挑戦する力を育てていきたいです。

 


 

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執筆者:あなんしほ
発達科学コミュニケーショントレーナー

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