1.子どもの気持ちがわからなくなった母の不安と焦り
我が家の小学1年生の娘(通称:ゆーちゃん)は、思い通りにならないと声が枯れるまで泣き叫び、物を投げ、人を叩くなど激しい癇癪を起こすだけではなく、毎朝学校への行き渋りがありました。
小学校入学前から、集団行動が苦手で多動もあり、先生から指摘や注意を受けることの多い子でした。
私は、毎日不安でいっぱいでした。
ゆーちゃんの為に、「私が何とかしてあげなきゃ」「ちゃんとできるようにさせなきゃ」そう思うほど、家でも外出先でも指示や注意が増えていきました。

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2.寄り添うほど悪化する繊細な子の癇癪
1年生の夏休みが終わる頃から、「宿題やりたくない!」「ママと一緒じゃないとむり!」「ママがいないとさみしい。」と言うことが増えました。
「行けば楽しいよ。」「大丈夫だよ。」と声をかけ続けました。
そう言い続ければ、少しでも楽しく学校へ行く手助けになると思ったからです。
けれど、夏休み明けから、ゆーちゃんは毎日泣きながら学校へ行くようになりました。
ある日、「学校なんてもういかない!」と玄関で座り込むゆーちゃん。
私は、これまで学校に無理に行かせていたから寄り添いが足りないのかもしれないと思い、「行きたくないんだね。」「疲れちゃったよね。」と声をかけ休ませました。
次の日も、また次の日も「学校にいきたくない!」と泣き叫び、学校を休む日が続きました。
YouTubeやゲームなど好きなことだけをしているはずなのに、ゆーちゃんからは笑顔が消え、無気力になり、食欲もなくなっていきました。
「好きなことをしているのに、どうして?」と思わずにはいられませんでした。
どうしたらいいのかわからず、私は仕事を辞め、家で過ごす選択をしました。
それでも癇癪は増え、私の焦りと不安だけが大きくなっていきました。
1年生の9月の終わり頃には、家から出ることも難しくなりました。
それでも、やっとの思いで連れ出したスーパーでは床に寝ころび、泣き叫びました。
「かってくれなきゃヤダ!」「どうしてダメなの!」暴れる姿に、私は周りの目が怖くなり、「静かにさせなきゃ」「周りに迷惑をかけないようにしなきゃ」と必死。
無気力で家から出れない日もあれば、外に出れば激しい癇癪で苦しい。
それでも1番辛かったのは癇癪でした。

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3.繊細な子の癇癪をどう止めるか悩んでいた母が出会った学び
外にも出ず、着替えもせず、動画とゲームだけの毎日。
「ずっと見てるのはよくないよ」「学校に行かないなら、家で勉強しようよ」 そう声をかけるたびに癇癪が起きる。
ゆーちゃんに話しかけること自体が怖くなっていきました。
「何気ない一言で、また癇癪が始まってしまうかもしれない」
そう思うと、私はただ見ていることしかできませんでした。
自由に好きなことだけをしているのに、癇癪は減るどころか増えていきました。
「私の声かけや関わりでは、もうどうにもできない」
「この子はどうなってしまうんだろう」
「もう怒りたくない」
「ゆーちゃんが笑って過ごしてくれればそれだけでいい」
そう思いながら、インターネットで検索を繰り返していました。
そんな中、悩みながらも、子どもとの関わり方を模索する中で出会ったのが、脳科学・心理学・教育学をベースにした発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)の学びでした。
家庭での関わり方や日常の声かけに目を向けていく視点に触れたことで、私自身の受け止め方が、少しずつ変わっていきました。
「この現状をなんとかしたい」その一心で、発コミュの中でも、繊細な子の心と脳を育てる親子の関わり方を専門に教えている、むらかみりりかさんのもとで学ぶことを決めました。
そこで知ったのは、子どもを変える前に、親子のコミュニケーションを変えることで、子どもの脳は育ち、困りごとは減っていくという考え方でした。

4.安心を伝える関わりを続けた母が叶えた、親子関係と癇癪の変化
私は学び進めることで、「変えるべきはゆーちゃんではなく、私の関わり方だった」と気づきました。
では、私がどんな風に関わり方を変えたのか。
2つご紹介します。
①褒めない肯定的な注目
私は褒める時に「すごいね」「えらいね」「頑張ったね」と結果に注目して褒めていました。
けれど繊細な子にとってそれは安心ではなく、「うまくやらなきゃ」という不安や緊張を強めてしまうことがあると知りました。
大切なのは”ありのままのあなたでいいんだよ”という気持ちが伝わる肯定的な注目を増やすこと。
まず意識したのは、目が合ったらにこっと笑うこと。
繊細な子は言葉より先に、表情や雰囲気から安心を受け取ると学んだからです。
Youtubeを見ている時には「何見てるの?」「これおもしろそうだね。」と声をかけ、あなたを見ているよと伝えることを大切にしました。
すると、「これはね…」と話してくれる時間が増えていきました。
②好ましくない行動には注目しない
私は、ゆーちゃんが「やりたくない」「嫌い」などネガティブな言葉を口にするたびに「なんで?」「どうして?」と理由を聞き、「そんなことないよ」「心配ないよ」と声をかけていました。
発コミュで学んだのは、繊細な子のネガティブな言葉は必ずしも答えを求めているわけではなく、不安をそのまま吐き出していることもあるということ。
理由を詳しく聞いたり、強く共感しすぎたりすると、かえって不安に意識が向き、感情が強まってしまうこともあることでした。
私はネガティブな言葉には共感も否定もせず、「そうかぁ」「そうなんだね」と否定や共感はせずに、ただ気持ちを受けとめると、ゆーちゃん自身が理由を話してくれるようになりました。

5.この子は大丈夫と思えた日
毎日、安心を伝える関わりを少しずつ続けてきました。
うまくいかない日もある。
「このままで大丈夫なのかな」と焦ることも。
それでも続けるうちに、癇癪は少しずつ減り、親子でぶつかり合う時間も減っていきました。
「話さなきゃ」ではなく、 ゆーちゃんと話すことが楽しい。
以前のように、話すことが怖いと思う日はもうありません。
学校を休む日があっても、 ゆーちゃんを責めるより先に気持ちを受け止めようと思えます。
私はずっと、癇癪を止めようと力を入れていました。
けれど視点が変わり、安心を感じられる会話を積み重ねることを大切にするようになると、癇癪は少しずつ落ち着いていきました。
やがて、ゆーちゃんは自分の気持ちを言葉で伝えてくれるように。
「どうにかしなきゃ」ではなく、「この子は大丈夫」と思えるようになりました。
あの頃、玄関で座り込んでいたゆーちゃんが、今は少し背筋を伸ばして歩いています。
次はどんなことに「やってみる」と言うのか。
どんな顔で「できた!」と笑うのか。
きっと、ゆーちゃんなりに進んでいくはずです。
これからも、この関わりを続けて、どんな毎日が重なっていくのかその一つひとつを、そっと大切に見守っていきます。

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