自分の気持ちを言えない4歳の子への声かけ|繊細な息子が保育園の先生に伝えられるようになるまで

監修: むらかみりりか
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー

「ママがいい」とママから離れられなかった4歳の繊細な息子。給食で泣く理由を聞いても「ママに会いたくなるから」。そんな息子が「せんせい、へらしてください」と伝えられるようになるまで、私が家庭で試した選択肢を示す声かけと、言えたことを認める関わりをご紹介します。

1.自分の気持ちを言えない子に、どう声をかける?

 

泣いてしまったり、黙ってしまったりするだけで、自分の気持ちを言えないわが子を見て、「たった一言なのになんで言えないんだろう・・・」と悩むことはありませんか?

 

 

「ママがいい」と離れられなかった私の息子も、保育園で困ったことを先生に伝えられずにいました。

 

私が家庭で続けたのは、言葉が出てこないときに選択肢を示すことと、気持ちを言えたことを認める関わりです。どんな場面で、どう声をかけたのかをご紹介します。

 

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2.給食で泣いても、先生に言えなかった息子

 

2023年8月、4歳(年少)の息子・翼(通称)は、「ママがいい」と離れられない繊細な子でした。外では自分の気持ちをうまく言えず、お家では泣いたり怒ったりが激しく、どう関わればいいのか悩んでいました。

 

食事の時に、苦手な食べ物が出されたり、量が多すぎると感じたりすると、翼は泣いてしまうだけで、どうして欲しいのか自分の気持ちをうまく言えないでいました。

 

 

保育園の先生からも

 

「給食の時間によく泣いていますが、どうして欲しいのかを自分で言えないですね。だから、なんで泣いてるのかがわからないんですよ」

 

と、言われることが何度もありました。

 

私が「なんで給食の時間に泣いてるの?」と聞いても、「ママがよくなるから」「ママに会いたくなるから」としか言わない。

 

最初は、「ママが恋しくなる時間なんだ」と受け取っていました。だけど、給食の時間になると繰り返し泣く姿に、「ほかにも困っていることがあるのかな?」と思うようになりました。

 

ただ、「ママに会いたい」という言葉だけでは、園で何に困っているのかまでは分かりませんでした。

 

私がそばにいない場所でも、困ったことを先生に伝えられるようになってほしい。けれど、そのために家で何をすればいいのか分からず、悩んでいました。

 

保育園の先生に「心が繊細」と言われ、「繊細な子」について調べていたことが、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方を教えている、むらかみりりかさんを知るきっかけでした。

 

私は2023年11月から、りりかさんのもとで発達科学コミュニケーションを学び始めました。

 

学び始めて1カ月が経った頃、2回目の講義で「上手な背中押し」を学び、その中で選択肢を与える関わりを知りました。

 

言葉で伝えてくれたら、私もこの子のことを分かってあげられる。先生にも分かってもらえる。

 

そう考えて、私は家庭での声かけに選択肢を取り入れ、翼が気持ちを伝える練習をしていきました。

 

発達科学コミュニケーションは、脳科学・心理学・教育学をベースに、家庭での関わり方や日常の声かけを変えていくことで、子どもの自信・意欲・行動力を育てていくコミュニケーションメソッドです。 

 

ここからは、気持ちを言葉にする難しさを、学びの視点からお伝えします。そのうえで、私が家庭で試した声かけと、翼が先生に伝えられるようになるまでの経過をご紹介します。  

 

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3.4歳の子が自分の気持ちを言えない理由

 

自分の気持ちを言えない背景には、どんなことが考えられるのでしょうか?

 

自分の感情を認識し、言葉にして表現することの難しさが、その一つとして考えられます。

 

そのため、困っている時にも自分の気持ちを上手に言葉にできなかったり、助けてほしい時にもどんな風に伝えたらいいか分からなかったりするのです。

 

その結果、気持ちをうまく言葉にできず、黙ってしまったり、泣いたり、怒ったりする形で表れることもあります。

 

また、繊細な子どもは、人の感情や表情にはとっても敏感に反応します。そのため、「怒られたらどうしよう」など、不安になり、自分の気持ちを伝えることを躊躇してしまうこともしばしばあります。

 

気持ちを伝える関わりを考える時には、自分の気持ちを伝えてもいいと思える安心感と、どう言えば伝えられるのかという見通しの両方がポイントになります。

 

翼についても、こうした視点から、家庭で選択肢を示し、気持ちを言えたことを認める関わりを続けました。

 

 

 

4.気持ちを伝える練習に、家庭で試した2つの声かけ

 

自分の気持ちを言えない4歳の翼が、言葉で伝えられるようになったお家での関わりをお伝えしますね。

 

まず、子どもが自分の気持ちを言えない時は、言葉で表現することをママが少しお手伝いしてあげましょう。

 

私は、翼が食事の場面で何か困っていそうな時は、

 

「何か困っていることある?」

 

と穏やかな表情で問いかけました。

 

それでも言えない場合には、

 

「減らしたいのかな?残したいのかな?」

 

と選択肢を与えるようにしました。

 

このように選択肢を示して、どうしてほしいかを言葉にすることを手伝いました。

 

そして、選択肢を使って気持ちを言えた時には、

 

「教えてくれてありがとう。翼の気持ちがよく分かったよ。」

 

と穏やかな表情で応え、翼の言えたことを肯定しました。

 

私は、選択肢を示すことと、気持ちを言えたことを肯定する関わりを続けました。学び始めてから3カ月が経った頃には、保育園でも

 

「せんせい、へらしてください」

 

「のこしてもいい?」

 

といったことを自分の言葉で先生に伝えられるようになりました。

 

 

選択肢を示すのは、自分の気持ちを確かめたり、どう言えば伝えられるかの見通しを持ったりすることを手伝うためです。また、気持ちを伝えて受け止めてもらえた経験を重ねることが、安心感や自信につながると考えています。

 

わが家では、こうした関わりを続ける中で、翼が先生にも自分の言葉で伝える姿が見られるようになりました。

 

 

5.小1になった息子と、見守れるようになった私

 

4歳(年少)の頃、お家でも、先生にも、お友だちにも、気持ちをうまく言えない翼を見て、「この子は私に似たから、気持ちを言えないんだ・・」「こういう性格だから、受け入れるしかないのかな」と思っていました。

 

心の中では、「この子、このままで大丈夫かな?」「私がそばにいない場所で、困った時にどうするんだろう?」と、翼の将来のことがとても心配でした。

 

けれど、家庭で気持ちを言葉にすることを手伝い、伝えられたことを認める関わりを続けてきました。

 

2026年4月に小1になった翼は、はじめましての先生にも「〇〇を忘れたので貸してください」と、自分から伝えられるようになりました。 

 

お友だちにも毎日声をかけて、放課後には「あそびに行ってくる!」と、毎日のようにお友だちと遊びに行くようになりました。

 

年少の頃は、「私が守ってあげるしかない」と思うぐらい、翼の将来が心配だったのですが、今は、「この子は、私が近くにいなくてももう大丈夫」と信じて見守れるようになったことが、私自身の大きな変化です。

 

私が今、ママから離れられない繊細な子の支援で大切にしているのも、離れる瞬間だけを見るのではなく、離れた先で何に困っているのかを考えることです。

 

家庭でできることを見つけ、気持ちを伝える経験を重ねる。その子に合った関わり方を、ママと一緒に考えています。

 

園や習い事で「ママがいい」と離れられないとき、何と声をかけたらいいのか迷うママへ。

 

小冊子では、「ママがいい」と言われたときの声かけに加えて、普段のできていることへの声かけや、表情・声のトーンなど、私が息子との関わりで意識したことをご紹介しています。

 

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6.気持ちを言えない子への声かけQ&A

 

Q1. 4歳の子が自分の気持ちを言えません。どう声をかけたらいいですか?

A. 言葉が出てこないときは、選択肢を示して、気持ちを伝えることを手伝う関わり方があります。りりかさんからは、気持ちの理解と、どう伝えるかの見通しを支える視点を教わりました。

私は、食事の場面で翼が困っていそうなとき、「何か困っていることある?」と尋ね、それでも言えない場合は「減らしたいのかな?残したいのかな?」と選択肢を示しました。

お子さんが困っていそうな場面で、何に困っているか尋ねても言葉にしにくそうなら、その場面に合う選択肢を示してみてくださいね。

 

Q2. 子どもが気持ちを話してくれたとき、どう返したらいいですか?

A. まずは、気持ちを伝えてくれたことを認めて応えます。りりかさんからは、気持ちを伝えて受け止めてもらえた経験を、成功体験と記憶として重ねることが、安心感や自信につながると教わりました。

私は、翼が選択肢を使って気持ちを言えたとき、「教えてくれてありがとう。翼の気持ちがよく分かったよ。」と穏やかな表情で応えました。

お子さんが気持ちを話してくれたら、まずは「教えてくれてありがとう」と、伝えてくれたことに応えてみてくださいね。

 

Q3. 保育園で困ったことを先生に言えない子に、家でできることはありますか?

A. 家庭で、気持ちを言葉にすることを手伝い、伝えられたことを認める関わりがあります。りりかさんからは、気持ちを伝えてもいいと思える安心感と、どう伝えるかが分かることの両方が、翼が先生に伝える一歩を支えたのではないか、と助言をいただきました。

わが家では、選択肢を示すことと、気持ちを言えたことを認める関わりを続けました。学び始めてから3カ月が経った頃には、翼が保育園でも「せんせい、へらしてください」「のこしてもいい?」と伝えられるようになりました。これは、わが家で見られた変化です。

まずは家で困っていそうな一場面を見つけ、お子さんがどうしてほしいかを言葉にすることを手伝ってみてくださいね。

 

 

 

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執筆者:まるやま あやか

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

監修: むらかみりりか
(『HSC繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』著者)

準拠理論:
本記事は発達科学コミュニケーションに基づき執筆されています


この記事を書いた人
まるやまあやか

まるやまあやか(丸山あやか)|発達科学コミュニケーショントレーナー

幼児期の繊細な子・母子分離不安の子育てを専門にしています。

脳科学博士・吉野加容子が開発した「発達科学コミュニケーション」を、繊細な子の心のコンディションと脳の育て方がわかる「ココロファインダー」分析で、わが子の心と脳の育ちに合わせて、ペアレントトレーニングで教えています。

「ママがいい」と離れられない子が、安心して「やってみる!」と挑戦できるように、ママがお家でできる声かけや関わり方を教えています。

むらかみりりか著
『HSC・繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』に登場する「翼くんのママ」です。

愛知県在住。元・高校体育教諭。

年少の頃の息子・翼(通称)は、保育園も、
本人がやりたいと言った習い事も行き渋り、
習い事では1分も参加できず、私のそばにいました。

「習い事させたいのに・・・」
「やりたいって言ったのに、なんで?」

力があると感じているのに、
なんて声をかけたら、
この子の一歩が出るのかわからなかった。

もどかしさと不安を抱え、
「性格だから?繊細な子だから仕方ないの?」
と頭を抱えていました。

息子が年少だった2023年11月に、
発達科学コミュニケーションを学び始めました。
学びを通して、息子の行動を性格だけで捉えず、
不安の背景を理解するようになりました。

見通しを伝え、
小さな「できそう」を作る関わりへ変えていきました。

わが家では、
学び始めて1か月ほどで「ママがいい」がやわらぎ、
3か月頃には「ママ、早く保育園に行こう!」と言うように。

1年間参加できなかった習い事にも挑戦し、
小学1年生になった今は、自分から友達に声をかけて、
毎日楽しく過ごしています。

私自身も「なんて声をかけたらいいの?」「このままで大丈夫かな」と、
不安でいっぱいでした。
今は「今のこの子には、この声かけがいい」と選べるようになり、
「この子なら大丈夫」と信じて見守れるようになりました。

今は私もやりたいことに挑戦し、親子のこれからを楽しみにしています。

「繊細だからしょうがない」と諦めそうになっているママと、
わが子に合った関わり方を一緒に見つけていきたい。

子どもの頃の夢は、困っている人を仲間と助けるアカレンジャーになることでした。
今は「アカレンジャーまるちゃん」として、
「ママがいい」と離れられない繊細な子も、ママ自身も、
それぞれの「やってみたい」に安心して挑戦できる世界をつくりたいと思っています。

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