1.「もう小学生なのに」ママにだけ癇癪のナゾ
毎日つづくママにだけ癇癪でお困りではありませんか?
クラスではお手本と言われているのに、外ではいい子なのに、家でだけママにだけ癇癪を起こすわが子を見ると、なんでうちの子だけ?と心配になることありますよね。
「妹に先におやつ渡した!」「このパンもっと食べたかった!」「今したかった!」何がきっかけになるか分からない癇癪で、毎日地雷を踏まないように気を遣って過ごすということもあるかもしれません。
親子で疲れてしまうこのママにだけ癇癪、解決しませんか?
娘が小学1年生だったわが家の娘の癇癪がわずか1ヶ月でなくなった対応を、今日はお伝えしていきますね!
もともとクラスではお手本と言われていた娘は、1年生の夏休み以降学校を行き渋るようになり、同時に私や家族にだけ暴力暴言と、1日に何度も癇癪を起こし手が付けられない状態でした。
泣く、怒るにはじまり、近くにあるものを投げる、妹に手を出す、注意すると悲しそうに号泣…そんな娘にどう対応したらいいか分からず、いつも家族は娘に気を遣っていました。
2.ママにだけ癇癪の原因は脳からのSOS
家でだけ、ママにだけ癇癪を起こす原因は、繊細な子の脳の特徴にあります。
ひといちばい敏感な気質を持った繊細な子の脳は、先生やお友達の気持ちや雰囲気を誰よりも察し、無意識にそれに過剰に応えようとしてしまいます。
また、白黒思考になりやすく、「先生がダメって言ってた」「ルールは守るもの」などと、一度言われたことを言われた通りに行おうとするため、「クラスのお手本です」と言われることも。
一方で、自分の気持ちは上手くだせず、スッと言葉にするのが苦手なのも繊細な子に多い傾向です。
本当は嫌なのにお友達に嫌と言えなかったり、無意識に我慢した結果、見えないストレスが蓄積し、家に帰る頃にはエネルギー不足になり、感情をコントロールできないまま安心できるママにぶつけてしまうのです。
感情をワーッと爆発させると、一時的にストレスが軽減されるため、その行動が脳のクセとなり、学校では我慢、家では発散という悪循環が生まれてしまいます。
このように、一見ワガママに見えたり、「この子大丈夫?」と思うような行動は、実は脳からの「ママたすけて!」のSOSなのです。

では、このSOSどのように対応すればいいのでしょうか。
次の章で、今日からできる対応術についてお話しますね。
3.癇癪を根本解決!今日からできるママの対応術
◆癇癪はスルーと肯定の使い分けが大事
お子さんの癇癪に、寄り添ったり応戦するのは逆効果!
「何が嫌なの?」「いつまで怒ってるの?」「いい加減にして!」つい質問攻めしたり、感情が巻き込まれて応戦してしまうことは、癇癪を起こせばママが注目してくれると、子どもの脳に間違った学習をさせることになります。
気づけば癇癪を起こすことがクセになり、帰宅するなりママにだけ癇癪が頻発することになるのです。
癇癪をスルーするためのコツは2つ。
「見て見ぬふり」「肯定するタイミングを見計らうこと」です。
まずは、体や視線を向けず、家事をするなどママは気づいてないという姿勢でいましょう。
最初はママの反応がないことで、かえって癇癪がエスカレートすることもありますが、そこで反応すると、それがママの注目を受けるための基準になってしまうため、グッと堪えましょう。
ママに反応してもらえないことが分かると、それまでの暴言、暴れる、物を投げる、床に寝転がって泣きわめくという行動から、「ママ~」と呼びかけてきたり、すり寄ってきたり、何か伝えようとするタイミングが訪れます。
この時に「なあに?」と笑顔で穏やかな声で反応し、話を聞いてあげましょう。
上手に言えなくても、怒りながらでも、言葉で伝えてくれたのなら、「話してくれてありがとう!」「言葉で教えてくれたから、ちゃんと気持ち分かったよ」などと肯定します。
この対応を繰り返すことで、脳が学習しなおし、困ったときには言葉で伝えるという行動が増えるようになります。
◆肯定9:否定1のコミュニケーション
先ほどお伝えした対応をするにあたっての注意点があります。
それは、日ごろから肯定的なコミュニケーションで、子どもの安心と自信をチャージしておくことです。
ママとの心のつながりに安心感を感じられているからこそ、癇癪をスルーしても、お子さんが不安になったり不信感を持つことなく、癇癪が和らいでいくのです。
結果を褒めるのではなく、「起きてきたね」「今日も元気で嬉しいな」「ご飯食べてるね」など、当たり前のことにもたくさん注目し声をかけることで、「ママは見てくれている」「これで大丈夫なんだ」と自信を育んであげましょう。
学校でのストレスをおうちでリセットする、この基本の関わりがあってこそ、感情が爆発することが減り、癇癪もなくなっていきます。
◆子どもの感情に巻き込まれないコツ
とはいえ、毎日続く癇癪に、もしかしたらママの脳が反応しうまくスルーできない!ということもあるかもしれません。
そんな時はぜひ、3分でいいのでその場を離れ、一人の時間をつくりましょう。
お子さんの安全を確保したうえで、トイレや洗面所、寝室など一息つける場所に避難しましょう。
人間の怒りのピークは90秒という研究があります。
この90秒で応戦してしまわないように、あえて物理的に距離を置くのです。
好きな音楽を聴く、雑誌を読む、紙に状況を書き出すなど、何か別の行動をすると、意識がちがうところに向き、怒りで暴れている感情の脳が落ち着き、理性の脳に切り替えやすくなります。
わが家の娘はわずか4日で変化が出はじめ、1ヶ月たつ頃には何が起きても「まいっか」と自分で気持ちを切り替えられるようになり、地雷を恐れる日々から卒業することができました。
小学生のママにだけ癇癪に悩まれていたら、ぜひ参考にしてみてくださいね!
執筆者:ふじい あきな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)