「学校行かない…」と朝になると口にする五月雨登校×繊細な子の「行ってきます!」を叶えたママのニコニコ対応

五月雨登校で学校へ行かない日が続いていると、久しぶりに登校しようという気になっても漠然とした不安でお子さんが登校へ一歩踏み出せないという事はありませんか。前日の夜は「学校行く」と言っていたのに、朝になると「学校行かない」と言う繊細な子の不安を安心に変える対応方法をお伝えします。

1.朝になると「学校行かない」と言う繊細な子

 

前日の夜は「学校行く」と言っていたのに、朝になると「学校行かない」というお子さんの対応に悩んでいませんか?

 

私には五月雨登校だけど学校行事の参加率は高い繊細な娘、花ちゃん(通称)がいます。

 

花ちゃんは幼少期にスイミングへ通っていたため学校の水泳学習はわりと好きな方で小5になってからも、6月から始まる水泳学習に行くつもりでした。

 

しかし、一番最後に登校して以来、学校へ行っていない期間があったので、いきなり水泳学習でしばらく会っていないクラスメイトと会うのは嫌だと言い、好きな水泳学習でさえも行く事をためらうようになってしまったのです。

 

私は花ちゃんに水泳学習に参加させてあげたい一心で、授業に少しずつ参加してクラスメイトに慣れていこうと花ちゃんに話しましたが、学校へ行く前日の夜は学校へ行くと決めても、当日の朝になると、

 

「やっぱり学校に行かない」

 

と言い、数日間その状態が続いてなかなか登校に踏み出せずにいました。

 

その時は疲れているのかな、と思い休ませてあげていたものの、長い間それが続くと家にこもりっきりになってしまい、家の中でも元気が無くなってしまうことがありました。

 

 

私は花ちゃんの行き渋りが始まった頃、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」という親子の関わりを、繊細な子専用に教えているむらかみりりかさんのレクチャーを受講しました。繊細な子に合った親子の関わり方を学ぶ中で、我が子の理解を深めるため、繊細な子の脳のしくみについても研究をしていました。

 

どうして朝になると「学校に行かない」と言うのか、次の章から花ちゃんのケースをもとに私が学んだ繊細な子の脳のしくみと対応方法についてお伝えします。

 

2.繊細な子の脳のしくみを知る

 

繊細な子は、見たこと・聞いたこと・感じたことなど五感を通じて刺激や情報をキャッチする力が強いため、処理が追いつかず脳は大きな負担をかかえています。

 

その大きな負担をかかえたまま、さらに学校での小さな不安や心配が積み重なっていくと、脳の中でストレスを溜め込んでしまい「学校=嫌なところ」というネガティブなイメージで脳が支配されてしまうのです。

 

そのため、目が合っただけで睨まれたと感じたり、目の前でヒソヒソ話をされると自分は嫌われていると思ったり、周りから見れば大したことが無いことでも繊細な子にとっては「嫌なこと」に思えてしまうのです。

 

これにより、花ちゃんは、夜は学校へ行くと決めていても登校する朝になると、ネガティブなイメージが沸き起こってきてしまい、「学校行かない」となっていました。

 

 

その繊細な子の脳の仕組みを理解していなかった私は、朝になると「もう7時だよー」、「今日学校行くんだよね?」と声かけをしていたことで、必要以上に花ちゃんの心が不安になってしまい、学校へ行こうと思う気持ちをより一層遠ざけてしまっていました。

 

不安を感じさせることなく、「学校へ行こう」と思える気持ちのまま朝の時間を過ごすためには、朝のおうちの雰囲気に安心を感じられるようにすることが大切です。

 

 

3.安心を感じ「行ってきます!」が叶うママのニコニコ対応

 

花ちゃんが朝スッと起きて、身支度を自分から進んでやり、元気に「行ってきます!」と言って登校できた、発達科学コミュニケーションのテクニックを2つご紹介します。

 

①支度が進まなくても指示出しは封印!子どものペースを見守る朝の対応

 

朝、お子さんが起きてこなかったら寝室へ行き、アラーム代わりにスイートな声で「おはよう~」とだけ言います。そこですぐ起きなくても無理に起こさず、頭や身体を撫でながら、「今日下校したら、お友達の家遊びに行く?」、「朝食に美味しいプリン買ったから食べる~?」といった一日の始まりがワクワクするような会話をします。

 

時間がある時はママも一緒にベッドに横になり、朝のまったりお話しタイムもおすすめですよ。

 

ベッドから起き上がったら、お子さんのペースに合わせ、すぐ朝食を食べなくてもすぐ着替えなくても何も言わず、見守り続けます。

 

我が家は起きた時の楽しみとして、朝からゲームOKにしています。ゲームをしていたら「何のゲームしてるのー?」と興味関心を示す会話をし、「何時から準備しようかー?」とサラッと聞きます。ゲームで目が覚めたら、「学校どうするー?」と行っても行かなくてもどちらでもいいよ、というスタンスで聞き、学校へ行くか行かないかは本人に決めてもらうよう話します。

 

すぐベッドから出てこなくても、身支度を始めなくても、ここでも指示出しは封印し、お子さんのペースを見守ることが大切。手伝いが必要な時は手伝ってあげます。

 

②登校前の不安や緊張は好きなことをしてやわらげる

 

登校前はお子さんの好きな事をして登校に向けての不安な気持ちを切り替えてあげましょう。好きなことをすることで脳で感じている不安や緊張がやわらいで行動力をアップさせる事ができます。

 

花ちゃんの場合は、イラストを書くのが好きなので、好きなキャラクターのイラストを描いたり、廃材を使って制作をしたり、花ちゃんが行きたいときは公園で身体を動かしてから登校することもあります。脳の運動野を刺激すると脳全体が活性化されて行動を促進してくれる効果があるのです。

 

 

4.笑顔で「行ってきます!」が言えた繊細な子

 

2つの対応を1か月程したことで少しずつクラスの雰囲気に慣れていき、念願の水泳学習は1回参加することができました。

今では「やっぱり学校行かない」という事が随分減りました。前日の夜に時間割を見て「明日は〇時間目から行く」と自分で決めて、当日の朝は笑顔で「行ってきます!」が言えるようになったのです

 

 

5.ママのニコニコ対応で一歩踏み出せる

 

朝はスイートな声で「おはよう」と笑顔で迎え、指示出しは一切せずにお子さんのペースで身支度をして安心を感じさせてあげること、登校前はお子さんの好きなことをさせて緊張をほぐしてあげることでお子さんの安心の貯金がたまり、それが学校へ行こうという気持ちを支えます

 

ぜひ、ママの声かけでお子さんの不安を安心に変えて一歩踏み出せるようにしていきたいですね。

 

 

執筆者:藤野とも子

発達科学コミュニケーション

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