人の目を気にする不登校繊細な子が自分から外に出られるようになれた脳に合った関わり方

「外が大好きだったのに外に出られない・・」そんな繊細な子の姿に胸を痛めていませんか?そんな不安の中、繊細な息子の脳に合った関わり方をすると、自分から一歩踏み出せるようになりました。その方法をご紹介します。

1.外出できない「人の目を気にする」不登校繊細な子

 

わが家の繊細な息子(通称:優士)は、小学5年生の冬休み直前、些細な友達トラブルをきっかけに、感覚過敏や癇癪が酷くなり、学校をお休みすることになりました。

 

それまでは、外で遊ぶのが大好きだった優士が、「誰かに見られるのがイヤ・・」

「誰かに会うのが怖い・・」と、言うようになったのです。

 

家から一歩も出られない日々が続き、「このまま引きこもってしまったらどうしよう・・」と、思う一方、どう声をかけていいのかも分からず、ただ不安だけがつのっていきました。

 

 

2.「気にしなくていいよ」は届かない理由

 

優士は元々外遊びが大好きでしたが、不登校になった途端、家から出なくなりました。私は「不登校を知られたくないからのかな」と考え、「大丈夫、気にしなくていいよ」と声を掛けていました。

 

返ってくる返事は「イヤだ」の一点張りで全く外出する気配はなく困り果てていました。

 

 

3.人の目を気にする不登校繊細な子の脳の仕組み

 

繊細なお子さんは、人の感情を読み取る力が強く、お友達や先生、家族の言葉や表情から感情を細かく察知します。

 

「どうしたらみんな困らないかな・・」

「こうしたら先生喜ぶかな」

を常に考えて行動しています。

 

さらに、不登校になったことで

「外に出てることをどう思われるんだろう」

「学校に行けない自分はダメだ・・」

 

という思い込みから、行動をどんどん止めてしまうのです

 

さらに、

「学校どうしたのって言われるかな・・」

「友達に会ったら何て言えばいいんだろう」

 

自分の感情を言葉で表現できないまま漠然とした不安を1人で抱え込んでしまうため、外に出ることさえできなくなってしまうのです。

 

 

4.人の目を気にする繊細な子の声の掛け方  

 

それでは、優士が自分から外に出られるようになるまでに、私が実践した誰でも出来る3つの方法をご紹介します。  

 

①無理に誘うことを止める

 

不登校になると、「家にこもったままで大丈夫かな・・」と心配になり、つい外に連れ出したくなりますよね。繊細なお子さんは、外の活動に誘えば誘うほど「外に出られない自分=ダメな自分」と感じやすく、誘うたびに傷ついてしまいます。

 

そのため、お子さんのことを信じて待つことが大切です。これは、放置するということではありません。「できるようになる」と、お子さんの力を信じて余計な声掛けを手放すという選択です。

 

②安心の範囲を広げる

 

優士は以前、毎日犬の散歩をしていましたが、不登校になってからは「友達に会いそうだから行かない・・」と言ってやめてしまいました。

 

そこで、「夜なら誰にも会わないよ」と伝え、家族みんなで夜の散歩に出掛けることにしました。

 

周りの目が気にならない時間帯、安心できる家族やペットが一緒にいること、同じ散歩コースで、「これなら大丈夫」という体験を少しずつ積み重ねていきました

 

③外でポジティブな声掛けをする

 

外に出たときには、感じたことを伝える声掛けを意識しました。

 

「夜の空気、めっちゃ気持ち良いね」

「静かで落ち着くね」

「外に出るとスッキリするね」

「そっちの道、ナイスアイディアだね」

 

これは、心と脳に安心を与える声掛けです。

 

また、気分が乗らない日は

「今日は短い散歩コースにしよう」

「帰りに温かいココアを買って帰ろうか?」

 

ちょっとした楽しみを用意しました。こうすることで、「外に出ること=自分にとって良いことがある」経験となり、「また行こうかな」と思えるようになるのです。

 

 

5.自分から外に出られるようになれた未来

 

こうして、優士は少しずつ「夜なら大丈夫」「短い距離なら大丈夫」と、自分のペースで外出できるようになりました

 

すると、次第に

「この時間(昼間)なら、誰にも会わないから大丈夫だよね」

「明日は、○○に行きたい」

と、自分で外出の予定を立てるようになったのです。

 

人の目を気にして外に出られない不登校の繊細なお子さんにとって、「外に出ること」は、とても勇気のいる挑戦です。安心を積み重ねることで、「やってみよう」「行ってみよう」と、お子さんの力で一歩踏み出せるようになります。

 

もし今、お子さんが動けずにいるのなら、焦らず、責めず、そっとタイミングを信じて待つことが大切です。お子さんも、お母さんも、必ず自分の足で未来に向かって歩き始められますよ。

 

執筆者:増山陽香

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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