繊細な子の学校に行きたくない理由とは?登校しぶりを解決するママの質問力

 

「学校イヤ」「ママがいい」繊細な子の繰り返す登校しぶりに悩んでいませんか?繊細な子の本音を引き出すには、心と脳に届く声かけが不可欠!理由を聞いても「わからない」「ママがいい」しか言わなかったわが家の娘が学校に行きたくない理由をを言葉で伝えられるようになった方法をお伝えします。

 
 

1.朝は決まって「学校行きたくない」繊細な娘

 

「何が嫌なの?」「どうして行きたくないの?」 学校に行きたくない理由を聞いても答えが返ってこず、どう対応すればいいのか分からない。

 

そんな経験はありませんか?

 

現在小学3年生のわが家の繊細な娘も、小学1年生の夏休み明けから登校しぶりを繰り返してきた過去があります。

 

学校では楽しそうに過ごしているのに、朝になると決まって「行きたくない」と動けなくなるのに、はっきりとした理由を言ってくれない娘を、私は理解できずにいました。

 

 

どうすれば娘のことを、心から分かってあげられるのだろう?と悩んでいた私が、 心と脳の仕組みを学び声かけを変えたところ、娘は少しずつ自分の気持ちを言葉にできるようになり、私も娘を理解できるようになりました。

 

次の章では、理由がはっきりしない登校しぶりに隠れた本当の問題点について、お話しますね。

 

2.学校に行きたくない理由、実は子ども自身もわかっていない?

 

「学校に行きたくない」とお子さんが言ったとき、親は「なぜ?」と理由を聞きたくなりますよね。

 

しかし、実は繊細な子の場合、漠然とした不安は感じるものの、その不安の正体まではハッキリ分かっていないということが多いのです。

 

 

わが家の娘も、「先生が怖いから」と言っていたのに次の日には「給食が嫌だった」、また次の日には「ママと一緒がいい」など、一貫しない理由に、どう対応したら良いのか分からずにいました。

これは、脳のストレス反応が影響しています。

 

漠然とした不安が上手に処理されないと、脳は、その刺激を「危険だ!」と感知し、自分の身を守るために、ストレス信号を発信し、ドキドキしたり、なぜか足が進まなくなったり、体に反応が現れます。

 

つまり、「学校に行きたくない」という言葉は、処理しきれなかった不安からくる脳からのSOSサインなのです。

 

では、どうすれば子ども自身も気づいていない不安の正体を見つけることができるのでしょうか?

 

次の章で詳しくお伝えしますね。

 

3.不安を感じやすい繊細な子の脳

 

繊細な子の脳は、自分の感情をコントロールするのが苦手な一方で、人の気持ちには驚くほど敏感です。

 

特にママの表情や声の変化を、まるで自分のことのように感じ取る力があります。

 

たとえば、「水泳嫌だな」とつぶやいたとき、子どもはママの表情や声、雰囲気から、「ママはどう思ってるんだろう? どんな反応をするのかな?」と、無意識にセンサーが反応しています。

 

すると、最初は小さな不安でも、センサーが受け取ったママの不安や焦りも重なり、1の不安が10にも100にも広がって、脳が不安で支配されるということがあるのです。

 

 

この漠然とした不安が解消されないと、脳の機能のひとつである、行動を抑えるブレーキ機能が強く効きすぎて、「できない」「行きたくない」につながります。

 

繊細な子が不安を安心に変えるには、ママのサポートが不可欠です。

次の章で、繊細な子の心と脳に合った対応をご紹介していきますね。

 

4.登校しぶりのある繊細な子の心と脳にあったママの対応2選

 

登校しぶりを繰り返す繊細な子にぜひやってみてほしい対応は、次の2つです。

 

①「行きたくない」発言に過剰反応しない

 

繊細な子にとって、ママの反応はダイレクトに子どもの感情に影響するということを、前の章でお伝えしました。

 

だからこそ、すぐに反応せず、まずは聞こえていないふりして様子を見るのが効果的です。

 

お子さんの行きたくないというネガティブな感情に巻き込まれると、つい不安げに声をかけそうになりますが、ママが動じず笑顔とポジティブな雰囲気を保つことで、子さんのネガティブな感情をポジティブな感情に上書きしてあげてほしいのです。

 

なんとなく不安な時や、毎朝の「行きたくない」発言が習慣になっている時は、この対応で「なんか大丈夫かも?」と自然に不安を消化できることがあります。

 

何度も繰り返したり、「ママ」と訴えかけてきたら、「そうなんだ~」と笑顔と明るい声のトーンで受け止めましょう。

 

内心「また始まった!何が嫌なの?」と不安に思ったとしても、態度に出すと不安の連鎖がうまれるため、気を付けたいポイントです。

 

 

②漠然とした不安はママの質問で分解

 

気持ちを受け止めただけでは、解消しないこともありますよね。

そんなときには、不安の分解のお手伝いをしてあげたいです。

 

まだまだ成長中の繊細な子の脳は、自分の感情を上手に処理したり言葉にしたりすることができない場面が多くあります。

 

ひとりでは解決できない漠然とした不安は、放っておくと脳のストレスとして蓄積してしまうため、お手伝いをしてでも外にアウトプットさせてあげることが大事です。

 

私のおすすめは、

 

「ちなみにどうしてそう思うの~?」

「なんか気になることがあるの~?」

 

という声かけです。

 

気を付けていることは、「何が嫌?」「何が怖い?」などのネガティブワードを使わないということ。

 

ママの言葉に影響され、嫌なこと怖いこと探しをしてしまうからです。

あくまでフラットに、不安の原因となる「コト」に目を向け言葉にできるような質問がおすすめです。

 

最後は、「そうだったんだね!話してくれてありがとう!」と肯定することで、

 

(思ったことを話していいんだ)

(ママには何を言ってもいいんだ)

 

という安心感につながり、気持ちを言葉にしやすくなります。

 

ちなみにわが家のケースでお話した「水泳が嫌」という発言に隠れた不安の正体は、「先生が10秒潜ってって言ったけど、3秒しか潜れなかった」という過去の経験による、「できないことはやりたくない」完璧主義な娘の自信のなさでした。

 

私の声かけで、娘は落ち着いて自分で考え直し、最終的には、

 

「3秒は潜れるから、3回+1秒で10秒にしてもいいかな?」

 

自分で解決策を見つけ出しました。

 

理由がはっきりしない登校しぶりに、なんと声をかけたらいいのか分からないと悩んでいたら、わが子の不安をスッと軽くする質問法を是非試してみてくださいね。

 

 

執筆者:ふじい あきな

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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