1.朝が苦手でテキパキ動けない繊細な娘を見て毎朝イライラしていた私
私には朝が苦手でテキパキ動けない繊細な娘、ぷにちゃん(通称)がいます。
保育園の頃は起こしても起きないので、抱きかかえてリビングまで連れてくるのが当たり前でした。
そんなぷにちゃんも小学生になり、自分で起き上がることはできるようになりましたが、リビングに来てもしばらくぼんやりしています。
テーブルに用意している朝食もなかなか食べようとしないし、やっと食べ始めても一口食べてはぼんやりし、時間をかけて食べ終わっても声をかけるまでぼーっと座ったまま。自分から動き出すことがありませんでした。
出発の時間が迫ってきても焦る様子がなく、ゆっくりしか動かないぷにちゃんを見ると毎朝私はイライラして、毎日のように「間に合わないよ!」「早く準備して!」と言ってしまうのが日課でした。
2.一度にたくさんの情報が入ると混乱してしまう繊細な子の脳
朝や急いでいるときに、つい子どもに言ってしまいがちな「早く準備して!」。
実は繊細な子は、「早く準備して」という抽象的な言い方をされると、何をすればいいのかわからず、この言葉だけでは動けません。
この言葉には2つの要素が含まれています。
早く⇒いつまでに?
準備⇒何をするの?
しかし迫る出発時間に焦るあまりに「〇時までにこれとそれとあれを終わらせて!」と、子どもに一気に伝えても逆効果です。
繊細な子の脳は、物事を深く処理する特性があります。一度にたくさんの情報(指示)が入ってくると、脳は情報の処理が追い付かず、混乱してしまうのです。
このようなときは「何時までに何をしてほしいのか」、家を出るまでの行動を分解して、1つ1つ具体的に伝えるほうがスムーズです。
3.実は十個以上に分解できる朝の準備
私たち大人からしてみると一言で「朝の準備」と言ってしまいがちですが、起きてから家を出るまでの行動は、実は十個以上に分解できます。
具体的には以下のように行動を分解することができます。
- 起きる
- アラームを止める
- 立ち上がる
- リビングまで来る
- 朝ごはんを食べる
- 顔を洗う
- 歯磨きをする
- 着替えを用意する
- 着替える
- 脱いだパジャマを洗面所に持って行く
- トイレに行く
- 持ち物を確認する
- 家を出る
このように、「家を出る」というゴールに向かって必要な行動を一つ一つに分解して伝えることで、朝からテキパキ動けない繊細な子も「それならできる!」と思い、行動に移しやすくなります。
このとき最初に、「○○ちゃん」と優しい声と笑顔で名前を呼んで、間を取りながら伝えることも大事です。
例えば、「〇〇ちゃん、顔を洗おうね」「〇〇ちゃん、歯磨きをしようね」という形です。
紙やホワイトボードに書いて、毎朝子どもがそれを見れば動けるようにしておくのも良いですね。
4.一日の始まりはママも子どもも笑顔でスタート!
朝が苦手な子どもにとっては、起きてから家を出るまでの準備は決して楽しいものではありません。
学校に行くことが楽しみ!と思えていないお子さんであればなおさらです。
本人が乗り気ではない行動に対して、「早く準備して!」「間に合わないよ!」とママのイライラが伝わってしまう言い方では、さらに行動する意欲が失せてしまいます。
細かく分解して伝えることで繊細な子どももスムーズに動いてくれるので、ママもイライラせずに済みます。
一日の始まりがママも子どもも笑顔で過ごせるように、「行動を分解する」という一手間を惜しまずにやってみてくださいね。
執筆者:神名 美緒(かみな みお)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)