1.「やっぱり行かない!」登校直前に行き渋る不登校繊細な子
わが家には不登校で繊細な息子(通称:優士)がいます。1学期は放課後登校に挑戦していた優士は、「2学期は朝から行くって先生と約束したんだ!」と、久しぶりにお友達のいる教室に行ってみようとワクワクしていました。
しかし、いざ、夏休み最終週になると優士は「やっぱり無理・・」と、ぽつりとつぶやき始めたのです。
私は、「せっかくここまで来たのに」と焦ってしまい
「優士なら大丈夫だよ」
「きっとできるよ」
「自分の力を信じよう!」
と、たくさん励ましの言葉をかけていました。
しかし、優士に励ましの言葉をかければかける程、優士は「やっぱり行かない!」と強く拒否するようになりました。次の章では、行き渋りを引き起こしてしまう繊細な子の脳の仕組みをお伝えしますね。
2.突然行き渋りをする繊細な子の脳の仕組み
実は、繊細な子の脳には「励まし」は逆効果だったのです。そのため、私の声かけによって、優士の行き渋りを強くしていたのです。
不登校になっている繊細な子は特に、
「学校行って欲しい」ってお母さん思ってるよね‥
「なんで来ないの?」って友だち思ってるかな‥
「待ってるよ!」って先生思ってるかな‥
人の気持ちをいつも以上に敏感に受け取ります。
励ませば励ますほど、お母さんの期待を感じとりプレッシャーになるのです。さらに、久しぶりにお友達がいる教室に入ることなどの不安や怖さが、登校直前には止まらなくなります。
脳の中では、新学期に頑張りたい気持ちと漠然とした不安や怖さの2つの間で心=脳が揺れているのです。その結果、 脳はストレスでいっぱいの状態となり、脳が行動にブレーキをかけ「やっぱり行かない!」を引き起こしてしまうのです。
3.行き渋りが和らぐ!繊細な子に合ったママの関わり方
では、行き渋る繊細な子にどうやって関わればよいのかお伝えしますね。
①繊細な子の発言を否定しない
「やっぱり行かない!」に反応することはやめましょう。一旦何も言わずに注目しないで見守るか、「そう思うんだね」と気持ちをお預かりし、繊細な子の心と脳に「ママにどんな感情を伝えても大丈夫」という安心感を与えましょう。
②どんな選択肢も肯定する
「やっぱり教室行かないで、放課後にしようかな」
「教室じゃなくて校門までにしようかな」
「やっぱり行きたくない」
登校の直前におそってきた様々な感情を、”言葉にして表現して伝える”ことが大きな一歩です!
「そう思うんだね」
「分かった。自分で決めたんだね」
どんな選択枝も”間違いじゃない”と感じられるような会話は、繊細な子の心と脳に安心を届けられます。
③普段の姿に注目して肯定する
日常のありのままの姿を肯定し、心と脳に安心の貯金を貯め続けましょう。
「学校に行けた・行けなかった」に注目していると、せっかく貯めてきた自信がすり減っていくからです。
「おはよう!自分で起きてきたね」
「おー、自分で着替え選んだね」
「ご飯一口食べられたね」
心と脳に安心が増えるほど、自分から行動する力も貯まるのです。
4.心と脳が安心すると一歩踏み出す力になる
優士が完全不登校状態から、学校に一歩踏み出し、「行きたくない」と行き渋るようになるまでになれたこと、これ自体大きな成長でした。毎日できていることを伝え続け、少しずつ「やってみようかな」が増えていきました。
心と脳に安心を貯めると、繊細なお子さんは「動いてみよう!」という行動のエネルギーが湧いてくるようになります。
「わが子は大丈夫!私の声は届くようになる!!」
ママが信じ、安心の声かけを届け続けていきましょう。
執筆者:増山陽香
発達科学コミュニケーショントレーナー