少し胸がギュッとするかもしれませんが、
知っているかどうかで
この先の関わり方が大きく変わる、
とても大切なお話です。
恐怖は、
目の前の危険が去れば
自然とおさまります。
でも
不安は違いましたね。
不安は、
もう起きていない出来事を
脳の中で何度も再生し続けます。
そして実は
不安は、放っておくと
形を変えながら進行していく
という特徴があります。
その代表的な一つが、
分離不安です。
分離不安は、実は
中学生になっても、あります。
ただし、
小さい子のように
泣いて離れられない、
という形では出てきません。
そして、
お母さんが一番戸惑うのが
「お母さん、仕事休んで!」
という言葉。
もう中学生なのに?
甘えているだけ?
自立できていないの?
そう感じてしまうのも
無理はありません。
でも脳の中では、
こうしたことが起きています。
「学校が怖い」というより、
「ママと離れる状態が不安」
理屈では分かっている。
行かなきゃいけないのも
分かっている。
でも
脳が「安全じゃない」と判断して、
体にブレーキをかけてしまう。
だから、
言葉が強くなり、
「仕事休んで!」
「一人にしないで!」
という形で
SOSが出てくるのです。
これは、
甘えでも
心の弱さでもありません。
不安が進行して、
分離不安という形で
表に出てきているサインです。

さらに不安が重なると、
「またああなったらどうしよう」
「失敗したらどうしよう」
「行ったら何か起きる気がする」
予期不安へと
広がっていきます。
まだ何も起きていないのに、
脳が先回りして
危険を作り出してしまう状態。
ASD傾向のお子さんや
繊細なお子さんは、
この予期不安が
とても強く出やすいので要注意!
なぜなら、
脳が「安心」よりも
「危険」を学習しやすいからです。
不安が続くと、
・眠れなくなる
・体調不良が増える
・外に出ること自体がつらくなる
こうして、
不安障害という形に
つながっていくこともあります。
ここで
はっきりお伝えしたいのは、
これは
性格の問題でも
育て方の失敗でもない、
ということ。
脳がずっと緊張モードのまま、
解除できなくなっているだけ
なのです。
だからこそ、不安は
「そのうち慣れる」
「時間が解決する」
と後回しにするより、
早い段階で
安心に戻してあげること
が、とても大切です。
不安が小さいうちに、
・大丈夫だった
・守られている
・一人じゃない
この経験を重ねると、
脳はちゃんと
安心を学び直せます。

