不安が強い子どもはネガティブ思考が癖になっています。そんな子どもに対して、ママはどのような対応をすればよいのでしょうか。不安を和らげ、子どもが自らいろんなことを楽しめるようになる対応について紹介します!
1.不安が強い子どもへの対応がわからない!
子どもの不安が強く、いつも何かを心配をしている姿に「どうしてあげたらいいんだろう」と悩んでいるママはいませんか?
子どもが不安を抱いてしまう原因を知らずに対応しようとしても、あまり効果が出ないということは既に経験済みだと思います。
ここでは、子どもが不安になる理由と不安を解消できる対応を紹介していますので、ぜひご家庭で実践してみてください!

2.不安が強い息子の将来を心配してばかりの毎日
私には繊細で不安を感じやすい息子がいます。
小さい頃から不安が強く、「大丈夫?」が口癖になってしまうほど、常に何かの心配をしているような状態でした。
周りの子たちが楽しそうにしている中、一人不安そうにオドオドしている息子を見ては、「この子はこの先、楽しい人生を送れるのだろうか…」と心配していました。

3.その原因はママにあった?!知らず知らずのうちにしてしまっているNG対応とは
私自身はどちらかというと明るい性格で、新しいことに挑戦したり、新しい環境に飛び込んだりすることが好きな方なので、
「どうして私と一緒にいる息子がこんなに不安が強いのだろう?」と疑問に思っていました。
しかし、発達科学コミュニケーションを学んで、私の息子を心配する気持ちこそが息子に不安を与えているのではないか?と気付いたのです。
■知らず知らずのうちに、子どもの不安を煽る声かけをしていませんか?
子育てをしていると、時間に追われて焦ってしまうという状況がたくさんありますよね。
そういう時は「はやく動いてほしい!」という気持ちから、ついつい「〇〇しないと△△できないよ!」という声かけをしてしまいがちです。
例えば、
「はやく着替えないと遅刻するよ!」
「ちゃんとご飯食べないと病気になっちゃうよ!」
「約束守れないなら、次からYouTubeは見られないからね!」
このようなものです。
実はこのような声かけは繊細な子や不安が強い子にとっては、全く効果がありません。
それどころか、ショックを受けたり傷ついたりして、より不安や恐怖を強く持ってしまいます。
また、「これぐらいのこと、すぐにできるでしょ!」というママの態度も良くありません。
「こんな簡単なことも自分にはできないんだ・・・」と子どもがどんどん自信を失くしてしまうからです。
子どもの脳はまだ未熟で、大人には簡単にできるようなことも、難しいと感じているということが少なくありません。
今できないからといって自信をなくす必要はこれっぽっちもないのに、大人の声かけ一つで自信を奪ってしまうのです。
私はまさにこのような声かけや態度で息子に注意をしたり怒ったりしていました。
「これも愛情!」と思ってやっていたのですが、自分の性格や経験の押し付けをしていたことを知り、深く反省しました。
■子どもの不安を軽視するような返事をしていませんか?
ママと子どもは毎日一緒に過ごす時間が長いので、子どもがあらゆることに不安そうにしていると「またか・・・」、「いつものことだ」と思ってしまいがちです。
ですが、たとえ毎日同じタイミングで不安を感じていたとしても、子どもからすると本当に不安や恐怖をその都度感じていて、「なんとかしたい!」と思っているのです。
その気持ちを軽視し、「大丈夫だから!」「泣かないの!」なんて言われると、
子どもは「自分の気持ちをママはわかってくれないんだ」、「気持ちを伝えることに意味はないのかな」と感じてしまい、不安や恐怖をどこにも吐き出せなくなってしまいます。
不安や恐怖というものは、溜め込めば溜め込むほど大きくなります。
そして、放っておけばおくほど、本格的なメンタル症状を引き起こしやすくなります。
だからこそ、できるだけはやく解消してあげることが大切です!
ただでさえ、不安や恐怖は目に見えません。
他の人に「どれぐらい不安を感じているのか」をわかってもらうということはとても難しいことです。
だからこそ、ママだけはいつも子どもの理解者でいてあげるということが重要なのです。

4.発想を変えるだけ!簡単なのに効果抜群の対応を2つお伝えします。
繊細で不安を強く感じてしまう子どもは、周りの人の顔色や気持ち、その場の空気などに影響されやすいという特性を持っています。
だからこそ、ママの言動には大きく影響されるのです。
ですが、ネガティブなものに影響されやすいということは、ポジティブなものにも影響されるということ!
この特性を上手く利用し、子どもの不安や恐怖を和らげていきましょう!
具体的な対応を2つお伝えします。
①脅すような言い回しではなく、ご褒美がもらえるイメージで声かけする
先ほどお伝えしたように、「〇〇しないと△△できないよ!」という声かけは子どもの恐怖を煽ってしまいます。
ですが、〇〇の部分は子どもにしてほしいことで、それはしっかり伝えたいですよね。
そういう時は、言い回しを変えましょう。
例えば、さっきの例を変換すると、次のようになります。
「はやく着替えないと遅刻するよ!」
→「はやく着替えたら一冊絵本読めるね!」
「ちゃんとご飯食べないと病気になっちゃうよ!」
→「たくさんご飯を食べたら、強くなれるよ!」
「約束守れないなら次からYouTubeは見られないからね」
→「約束を守ってくれたら、また次もYouTube見られるね!」
いかがでしょうか? やってほしいことは変わっていないのに、受け取る印象は全く違いますよね。
②ママが持っている固定概念を捨てる
突然ですが、日本の文化には、子育てにおいてあまり良くないものがあるということをご存じですか?
大人が当たり前のように感じていること、または慣れ親しんでいる風潮が、子どもたちを傷つけてしまっている可能性があるのです。
■苦手なことは克服するべき!という考え方を捨てる!
苦手なことがあることを良くないとする文化が日本にはありますが、そのせいで得意なことを見失ってしまう傾向にあります。
得意なことは特に褒められず、「できて当たり前」とされ、苦手なことにだけフォーカスし、指摘されたり注意をされたりする、そんな経験が少なからずママにもあると思います。
この感覚が根付いているからこそ、声かけにもネガティブな雰囲気が漂ってしまうのです。
苦手なことしかない人はいません。
みんな、苦手なことも得意なこともあるはずです。
苦手なことがあったっていい!
もっと得意なことに注目し、どんどん褒めていきましょう!
■人に迷惑をかけてはいけない!という風潮に影響されすぎない!
自分のことを思い返し、「私は一度も人に迷惑をかけたことがない」という人はいるでしょうか。
おそらく、いないはずです。私たちは機械ではありません。
だからこそ、温かみがあると同時に、ミスもします。
ですが、日本では人に迷惑をかけるということを極端に”悪いこと”と見なす風潮があるので、ママは子どもを厳しくしつけなければ!と思ってしまいますよね。
どんなに優秀な人でも、人に迷惑をかけずに生きていく、なんてことは不可能です!
迷惑をかけてしまったとしても許してくれるような人に出会うこと、そして許してもらえるような魅力的な人間になることの方が大切なのです。

5.ポジティブなことに時間を使おう!
私が考え方や声のかけ方を変えると、息子はみるみる明るくなっていきました。
泣いたり怒ったりする時間よりも、笑っている時間の方が圧倒的に長くなり、毎日いきいきしています。
今朝は、幼稚園に向かう車の中で、「今日は楽しいことばっかりだよ!幼稚園が楽しいし、おうちで車で遊ぶのも絵本を読むのも楽しいから!」と話してくれました。
子どもに楽しい未来を想像してもらうのは、そんなに難しいことではありません。
ママ自身がネガティブなものに目を向けすぎず、ポジティブなことに時間と労力を使うようにしてみてくださいね!

執筆者: 中谷 そら
発達科学コミュニケーション トレーナー