外ではいい子・家では癇癪を起こす子どもの理由と対応を徹底解明!~隠れ発達障害の視点から~

外ではいい子なのに突如、家では癇癪を起こすのは子どもからのSOSサインです!学校や園生活に対応するのがしんどい時、癇癪が現れます。癇癪は子どもの特性や発達障害との関係があるのかないのか?子どもを考察をする上でこの記事が参考になると幸いです。
 
 

1.外ではいい子、家では癇癪持ちのわがまま息子

 
 
外ではいい子なのに家では癇癪やわがままがひどいと、「うちの子なにかあるんじゃないか?」と心配になりますよね。実は私もかつてとても心配になった一人です。
 
 
わが家の息子も外ではいい子だけど、家ではすぐ癇癪を起こしわがまま放題でとても荒れていました。思い通りにならないと、金切り声をあげてとにかく暴れる!の繰り返しです。
 
 
もう勘弁してほしい!!と思うことが何度もありました。
 
 
 
 
周りの人に相談してもなかなか分かってもらえず、なんでうちの子だけこんなに手がかかるんだろうと思っていたのです。
 
 
「男の子なんてそんなもん!」
「大きくなれば落ち着くよ!」
 
 
と本当によく言われていました。しかし、この大変さを誰かに分かってもらうというのは到底無理な話だったのです。
 
 
なぜ理解してもらえないのか?
 
 
それは外ではいい子なので本気で荒れている息子の姿を周りの人は想像しにくい、ということ。また息子の特性を母親である私がちゃんと理解できず、もちろん周りはそれ以上に特性に気付きにくかったのでは?と今なら考えることができます。
 
 
では、どのような特性が考えられ、また子どもの心理としてはどのようなものがあるのでしょうか?
 
 

2.外ではいい子だけど家で癇癪を起こしてしまう子どもの特性とは?

 
 
年齢にもよりますが幼い子どもの場合だと、外ではいい子、家ではわがままやりたい放題というのは、育児成功!とも言えることなのです。
 
 
残念ながら年齢があがってそのような状況に陥ってしまう場合は他に原因があると考えられます。
 
 
その原因の一例を紹介していきます。
 
 

♦①子どもの特性が関係している場合

 
 
私の息子は小さい時から不安が強く、小学4年生の時に母子分離不安になりました。それから母子登校・付き添い登校も経験しました。
 
 
本当に保育園時代から育てにくさを感じていましたが、第一子ということもありこんなものかもしれないと思っていました。
 
 
しかし母子分離ができず、登園させることにとても苦労していたのを覚えています。生まれもった不安気質が影響していたのかもしれません。
 
 
ASD
 
 
また同じく4年生の頃に発達障害・自閉症スペクトラム症のグレーゾーンという診断も受けています。スペクトラム症の特性として、人間関係の苦手さや、コミュニケーションの苦手さがあります。
 
 
子どもはその苦手さがあることで外ではギリギリのところで一生懸命にやっているのに、家に帰ってくるとお母さんからは
 
 
「宿題はしたの?」
「早くご飯食べて!」
「早く明日の準備して!」
「早く寝なさい!」
 
 
と言われるともう「イヤだー!」となりキャパオーバーになってしまい癇癪を起こすことになります。
 
 

♦②こだわりの特性が強い場合

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもの場合、特性として強いこだわりを持っている子どももいます。そのような子どもは、こだわりの対象が物から人へと移る場合があります。
 
 
小さい時はおもちゃなどの物がうまく動かない時に起こしていた癇癪が、年齢があがってくるとその対象が人へと移ってしまうことがあるのです。
 
 
集中
 
 
その対象となるのが一番身近にいる母親となります。
 
 
子どもが思うようにお母さんが動いていなかったり、自分の思うようなタイミングでお母さんから言葉の返答がないなどがあると、その度に癇癪を起こしてしまい止まらなくなってしまうことがあります。
 
 

♦③見過ごされやすい発達障害・グレーゾーンが隠れている場合

 
 
小学校高学年から中学生頃に癇癪からの暴言・暴力が増えたと感じた場合、背景には発達からくるものと考えていいかもしれません。
 
 
比較的年齢が上がってから癇癪が見られるようになったお子さんは、ある程度の事は頑張ればできてしまうので、何とか適応しながら生活を送っていましたが他者との比較ができるような年齢になってくると、「皆と同じようにできない!」とイライラやモヤモヤが爆発してしまうことがあります。
 
 
恐らく今までも簡単にできていたのではなく、子どもにとってはかなり努力しながら周りに付いていっていたり、合わせていたのだと思います。もうこれ以上はできない!と限界を迎えてしまうことで癇癪を引き起こしてしまいます。
 
 
脳の発達に凸凹があることで今までのように適応していくことが難しくなっていると考えられます。
 
 
以上のことから、癇癪を起こす子どもは親を困らせようとわがままを起こしているのではなく、子ども自身が持っている特性が影響して引き起こしてしまうものと考えることができます。
 
 
 
 
癇癪を起こすことが当たり前になってしまうと、脳は癇癪を起こすとスッキリする、という誤学習をしてしまいます。
 
 
そうすると落ち着いて自分の気持ちを話すことからどんどん遠ざかっていきます。
 
 
お母さんは子どもが荒れる理由を聞きたくても、そもそものコミュニケーションが成り立たなくなってしまうので、親子関係が壊れてしまう…という非常事態にも陥っていきます。
 
 
癇癪をくり返す子どもは
 
 
嫌なことが起きる➜すぐ癇癪
 
 
という脳の使い方のクセがついてしまうので本来もっている「考える」という思考がどんどんできなくなってしまいます。
 
 
イヤなことがあれば直ぐに癇癪を起こしてスッキリ
 
 
というメカニズムができあがったまま、癇癪について何も手を打たずそのままにしていると、大人になってもすぐキレる大人になってしまいます(キレる大人はこのメカニズムによるものだと思います)。
 
 
しかし分かって欲しいのは、一番辛いのは子ども自身であるということです。脳がそのようにクセ付いてしまうと、なかなか自分で治したくても治せないのが怖いところです。
 
 
そう!癇癪は自分ではどうしようもできないのです!
 
 
そこでお母さんの助けが必要となります!ぜひ次のような対応をお子さんにしてあげて欲しいと思います。
 
 

うちの子、ちょっと手がかかるな…

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3.癇癪対応に大切な3つのこと

 
 
お母さんがお家の環境を整えることで、癇癪などが軽減されると考えられます。
 
 

♦①癇癪は見て見ぬ振りを!

 
 
癇癪が起きた時、同じように感情的になって応戦していませんか?
 
 
癇癪をやめさせようとお母さん達は子どもをなだめたり、注意したり必死に対応しお子さんの要求をのむこともあると思います。
 
 
実はその行為自体が子どもの癇癪をまた引き起こさせてしまうことになるのです。
 
 
癇癪を起こすと誰かが解決してくれる、自分の力ではなく誰かが手を貸してくれると脳が誤学習してしまうので、同じような対応をしていては癇癪はなくなりません。
 
 
 
 
 
なので、癇癪が起きた時はディスタンシングというスタイルをとります!これは見て見ぬ振りをするという意味です。
 
 
お子さんの安全を確保しながら、徹底的に癇癪を無視します。脳に癇癪を起こしても何も良いことは起きませんよ、という思考を脳に刷り込ませるためのテクニックです。
 
 
最初はなかなか見て見ぬ振りをするのは大変かもしれませんが、徹底したディスタンシングを行うと癇癪の時間が減ったり癇癪を起こす回数が減ったりと必ず効果が出てきますのでぜひ試してみてください。
 
 
お母さんは癇癪が始まったら安全確保をして家事をする、本を読む、別室に移動するなど工夫してみてくださいね。
 
 
癇癪後に自分で落ち着くことができたら、「自分で気持ちを整えられたね」などとできたことを褒めてあげることも忘れずにしてあげてください。
 
 

♦②子どもの気持ちを吐き出させる    

 
 
暴言などが出てくるなら、子どもがその気持ちを全部吐き出せるようにお母さんは聞いていきましょう。
 
 
子どもが文句を言っているなら、
 
 
母)「何かいやなことがあったの?」「どうしたの?」
子)「〇〇が腹が立つ」「むかつく」
 
 
母)「そうなんだね、腹が立つくらい嫌だったんだね」
子)「それから?他にある?」
 
 
 
 
うんうん、それから?それから?と子どもが思っていることを全て言葉にして出させるようにしていきましょう。
 
 
心の奥底に溜まっているモヤモヤした気持ちを全て吐き出させるように、手伝う気持ちでやってみてください。
 
 
最初はうまくいかないかもしれませんが、筋トレと一緒で回数を重ねていくことで少しずつうまくできるようになります。
 
 
うまくいかない時は、話を聞くタイミングを変えてみるなどして、状況に合わせて声をかけるようにしてみてくださいね。
 
 

♦③安全基地をつくる   

 
 
癇癪やわがまま行為が目立つ子どもには、お母さんが子どもの1番の味方である、家庭が安心できる場所である、ということを分かってもらうことが大事です。
 
 
なのでお母さんは、極力指示を出すことなく笑顔のお母さんでいて欲しいと思います。
 
 
 
 
いつもお母さんがニコニコ笑顔でいると家の中の雰囲気はとても良くなりますので、子どもが外で頑張っていることを理解し、出来るだけ家ではゆったりとした気持ちで過ごしてもらうようにしましょう。
 
 
また、可能ならば家以外の場所で、例えば放課後デイサービスなどの先で、子どもの気持ちを聞いてもらえるように環境を整えていきましょう。
 
 
年齢が高くなり、母親に対しての暴言・暴力などが増えてくるとお母さんだけが子どもの気持ちを受け止めるということが難しくなってきます。
 
 
放課後デイサービスを利用していなければ、習い事や地域の子どもの集まる場所などを利用して、外にも居場所を作れるようにしていくと良いですね。
 
 
お母さん以外にも気持ちを出せるような居場所を作ったり、子どもが律することを当たり前とせず、外でもありのままの自分をさらけ出せるようになることを目指していきましょう。
 
 
そのような場所が出来ることでお母さんに向けていた暴言・暴力なども少なくなることが期待できます。
 
 
安心・安全な場所があるからこそ、外ではうまく適応しているので(外で仕事を頑張るお父さん。家ではダラダラというのと同じかもしれません)、わが子はどのようなタイプなのか観察してみるところから始めてみてくださいね。
 
 
 
 
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