3歳の偏食は好き嫌いではなく、発達特性や感覚過敏が原因のことがあります。この記事では、偏食が起こる理由と、無理なく食べられるようになるための具体的な対応を専門家が解説。発達障害グレーゾーンの子に悩むママに寄り添う内容です。
1.「食べたくない!」3歳の偏食に疲れてしまうママへ
「3歳になってから偏食が急にひどくなってきた」
「前は食べていたハンバーグや卵料理も、まったく口にしなくなった」
「手作りも市販も外食もダメ。新しいものは絶対に食べない」
そんな悩みを抱えて、毎日の献立を考えるがしんどくなっているママはいませんか?
3歳はイヤイヤ期のピークであり、 「食べない」「初めてのものを嫌がる」時期でもあります。
しかし、発達障害グレーゾーンの子の場合は、単なる“好き嫌い”ではなく、脳の特性や感覚過敏が関係していることも少なくありません。
特に次のような様子があると、「偏食=わがまま」ではなく発達特性のサインである可能性があります。
✔️味、匂い、食感に敏感すぎる
✔️ 新しい食べ物を強く警戒する
✔️“食べられるもの”が極端に少ない
✔️野菜は細かくしてもバレる
✔️ 好きだったものも突然食べられなくなる
あなたのお子さんにも、当てはまるものはありませんか?
このあと、偏食に悩んだ私自身の話も紹介しながら、原因と正しい対応を分かりやすく説明していきます。

2.うちの子も偏食がひどく大変でした…。 【筆者のリアルな体験談】
実は私の息子も、小さい頃から偏食でとても悩んでいました。
特に 匂い・食感に敏感な“感覚過敏” があり、海の匂いがするものは大の苦手。
台所で味噌汁用の出汁を作るだけで「くさい!いや!」 と怒って他の部屋に行ってしまうほどでした。
でも、保育園では事情は違いました。
息子は
「先生に怒られる」
「残すことはダメなこと」
という強い不安から、苦手な魚も、嫌いな野菜も、全部食べていたのです。
魚のメニューの日は毎朝「保育園に行きたくない…」「具合が悪い」と言い続けていました。
そして、小学生になってからも給食を理由に登校拒否がどんどんひどくなっていき、家でも苦手なものはまったく食べない生活が続きました。
唯一食べられるのは決まったメーカーのハム、甘めの味の卵焼きだけ。
保育園で唯一食べられるようになった「鮭」さえも、トラウマなのか見るだけで具合が悪くなってしまうこともありました。

3.実は…偏食は“好き嫌い”とは違うものです ― 偏食が起こる3つの本当の理由
私は長い間
「どうしたら食べてくれるの?」
「私の作り方が悪い?」
「栄養は足りている?」
と不安でいっぱいでした。
けれど発達について専門的に学んだ今は、偏食は“ママのせい”ではないし、本人の努力不足でもないと断言できます。
ここからは、なぜ偏食が起こるのかを科学的に説明します。
◆味や匂い、食感への強い「感覚過敏」
発達特性がある子には五感が敏感すぎる“感覚過敏” がよく見られます。
例えば…
*においが少し違うだけで「食べられない」
*食感が変わるとパニックになる
*舌触り・噛み応えに強い嫌悪がある
*初めての匂いに「危険」を感じる
これは“わがまま”ではなく、脳が「危険!」と反応してしまう生理的反応です。
発達障害グレーゾーンの子は、脳の危険察知能力(ネガティブチェック)が強く働くことがあります。
新しい食べ物は「未知のもの=危険」と判断され、食べないのは自然な反応なのです。
◆「食べたらイヤなことが起こった」記憶が強く残る
自閉スペクトラム症(ASD)傾向の子は、イヤだった記憶が強く残りやすい特徴があります。
一度「匂いが嫌だった」
一度「口触りが気持ち悪かった」
これが脳に深く刻まれ、「あの食べ物は危険!」と判断し続けます。
だからこそ、以前食べていたものを突然食べなくなるという現象が起こります。
◆変化が苦手で「いつも同じ」が安心できる
発達障害グレーゾーンの子どもの多くは、変化が苦手です。
・いつもと違う味
・いつもと違う焼き加減
・いつもと違う見た目
これだけで「これはいつもの食べ物じゃない!」と警戒スイッチが入ります。
・同じメーカーのハムなら食べる
・同じメーカーじゃないと拒否
こうしたこだわりも珍しくありません。

4.今日からできる「偏食の安心対応」 ― 無理なく食べられるようになるための具体策
原因を踏まえたうえで、ここからは実際の対応法を詳しく解説します。
① 無理やり食べさせない ― “嫌な記憶”を増やさないことが最優先
偏食がある子にとって“無理やり食べる経験”は大きなストレスです。
・怒られる
・無理に口に入れられる
・「食べないとダメ!」と言われる
これは脳に「食事=怖いもの」と刻まれ、偏食が悪化します。
まずは “食べない選択肢があってOK” と伝えましょう。
② 食べられるものを「安心材料」として確保する
偏食のある子には、「食べられるものがある」=安心できる状態が必要です。
同じものでも構いません。
*ふりかけご飯
*ウインナー
*卵焼き
*パン
*ヨーグルト
子どもが食べられるものが1つでもあれば、生きていく上では問題ありません。
「これしか食べない」ではなく「これなら食べられる!」と捉えて大丈夫です。
③ 苦手の理由を観察する(味・匂い・食感・温度)
偏食の対応は“原因探し”が重要です。
・匂い?
・舌触り?
・見た目?
・温度?
・柔らかすぎる?
・固すぎる?
どこに嫌悪感があるのか、毎回、丁寧に観察してみてください。
観察のポイントは…
食べられるものと、食べられないものの共通点・違いを探すこと
これを続けると、お子さんの「食べられる方向性」が見えてきます。
④ 食事の雰囲気を“楽しい”で満たす
偏食のある子にとって、食卓はストレスになりやすい場所。
だからこそ、食事の時間は「安心・楽しい・リラックス」がキーワードです。
・楽しく会話をする
・きょうだいや家族がおいしそうに食べる
・無理にすすめない
・「食べられたらラッキー」くらいの気楽さでOK
食卓が楽しくなると、子どもは自然に「ちょっと食べてみようかな」と思えるようになります。
⑤ “見るだけ・触るだけ”も立派な練習になる
食べない日が続いても、見るだけ、触るだけのステップで十分です。
・匂いをかぐ
・手で触ってみる
・皿にのせてみる
・一口だけチャレンジする
食べなくてもOK。
小さなステップが、確実に偏食改善につながります。

5.まとめ|偏食は“特性”と理解すれば、ママも子どももラクになる
3歳の偏食は、決して「わがまま」でも「好き嫌い」でもありません。
感覚過敏・不安特性・変化への苦手さといった、発達特性に深く関係しています。
✔ ママができることはたった1つ
「この子はこの子なりの世界で、精一杯食べようとしているんだ」と理解して見守ること。
✔ 大切なのは “食べられるものがある状態” を守ること
食べられるものが1つでもあれば大丈夫。
子どものペースで、少しずつ進めていきましょう。
✔ 子どもの世界を尊重すれば、食事はもっと安心できる時間になる
偏食への正しい理解と、無理のない対応を続けることで、子どもは自分らしく、安心して生活できるようになります。
ママが背負いすぎなくて大丈夫。
今日から、できるところから一歩ずつはじめてみてください。






