きょうだい喧嘩が続き、毎日のように注意や叱る声かけをしていた私。発達凸凹のある兄弟への関わりが分からず、否定が先に立つ関係に。発コミュを実践し「正さなくても、育つ」と気づいたことで、兄弟関係と親子の関わりが、少しずつ楽になっていった実体験を紹介します。
1.きょうだい喧嘩が続き、イライラしていた日々
きょうだい喧嘩が多くて、気づけばいつもどちらかを注意している。
「使ってないなら貸してあげなよ!」
「そんな強い言い方しない!」
「物に当たらないで!」
仲良くしてほしいだけなのに、毎日イライラしてしまう。
そんなふうに感じていませんか。
この記事では、きょうだい喧嘩が続いていたわが家が、関わり方の軸を変えたことで落ち着いていった過程と、そこから見えてきた関わり方のヒントをお伝えします。

2.相性の問題だと思っていた、あの頃の私
真面目で冗談が通じない長男と、面白いことが大好きで、ずっと歌ったりお喋りしている次男。
弟のふざけた行動に、兄はイライラを募らせ「うるさい!静かにして‼︎」とにらみ怒鳴ります。
すると弟は「なんでやめないといけないんだよ!」と言い返し、二人はぶつかっていました。
私は兄に 「うるさいじゃなくて、ちょっとぐらい我慢してあげなよ」
弟にも 「もうちょっと落ち着いて、静かにしてて」
と声をかけていました。
兄はどんどん表情が固くなり、声が強くなる。
弟は怒られ戸惑い、でも楽しいことはやめられない。
当時の私は、発達凸凹のある兄弟それぞれに合った関わり方が分からず、
「きょうだいの相性が悪いから仕方ない」
そう思っていました。

3.本当の原因は「否定が先に立つ関わり」だった
でも本当の原因は、私の関わりが「否定が先に立つ形」になっていたことでした。
どう関わればいいのか分からず、その場を収めることを優先して、
「やめなさい」
「我慢して」
「静かにして」
そんな声かけが無意識に増えていたのです。
けれど発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学んで気づいたのは、この「否定の声かけ」そのものが、実はきょうだい喧嘩を繰り返す理由になっていたということです。
子どもの行動は、大人がどこに注目するかによって強まると言われています。
つまり、喧嘩をしている時に「やめなさい」と声をかけることで、「喧嘩している時に注目してもらえる」という状態が生まれてしまっていたのです。
さらに当時の私は、喧嘩を止めることばかりに意識が向き、
・それぞれが穏やかに過ごしている時
・仲良く過ごせている時
といった「できている場面」をほとんど見られていませんでした。
その結果、子どもたちにとっては「ぶつかった時だけ、お母さんが関わってくれる」そんな関係になってしまっていたのです。
それは、私自身に“判断の余裕”がなかったからでした。

4.変えたのは声かけより「判断の軸」
発コミュを実践して私が一番変えたのは、声かけの言葉ではありません。
「どこを見るか」という判断の軸でした。
目の前の困っている行動をすぐに止めようとするのではなく、
・今、二人は安心できているか
・できているところはどこか
そこに目を向けるようにしました。
例えば、別々のことをしている時は無理に一緒にさせず、
兄には 「難しいって言ってたゲーム、どんどんクリアできてるね!」
弟には 「静かに座れてるね、なんの動画見てるの?」
とそれぞれに別々の肯定の声かけをしました。
喧嘩が起きた時も、責めるのではなく、「そうだったんだね」「そんな気持ちになったんだね」と、気持ちを受け止めることを優先しました。

5.正さなくても、育つと気づいた理由
そう関わるようになってから、子どもたちは少しずつ変わっていきました。
以前は、喧嘩をした時にだけ私が強く関わっていました。
しかし穏やかに過ごせている時やそれぞれが自分の時間を楽しめている時に声をかけるようにしたことで、子どもたちにとって「お母さんは見てくれる」「自分の気持ちは分かってもらえる」 という感覚を持てるようになりました。
すると、喧嘩をして関わりを求める必要が少しずつなくなり、気持ちが大きくぶつかる場面も減っていったのです。
発コミュを通して私が一番驚いたのは、「正さなくても、育つ」ということでした。
ケンカは止めるもの。
間違いは正すもの。
そう思っていた私の“当たり前”こそが、実は一番、私自身を苦しめていたのです。
もし今日、一つだけやめてみるとしたら「すぐに答えを出すこと」かもしれません。
正しい声かけより先に、まずは分かろうとする。
それだけで、親も子も少し楽になります。

執筆者:山口 あおい
発達科学コミュニケーション トレーナー




