トラウマから外に出るのが不安になった娘
外に遊びに行こうと誘っても、買い物に行こうと誘っても外に出るのが不安で「行きたくない」でも「1人では待てない」と言う。そんな子どもはいませんか?
そんな事を言われてしまうと、何処にも行けなくて困ってしまいますよね。
外に出るのが不安だと感じる子どもは、不安を感じやすい脳の特性を持っているからです。
不安を感じやすい脳の特性と聞くと少し難しく感じるかもしれません。
そこでまずは、わが家で実際に起きたことを少しだけ紹介します。そのあと、不安を感じやすい脳の特性とは何かを脳科学の視点でわかりやすく解説します。
私の娘(当時6歳)も、幼い頃から不安が強く、外で遊ぶ時はいつも「ママついてきて」と言っていました。
少し一人で遊べるようになっても、「ちゃんと見ててね」と、私の姿を確認しながら遊んでいました。不安でも、公園や外で遊ぶ事は大好きな子どもでした。
ところがある日、いつものように公園で遊んでいた時のことです。知らない子が、突然娘のヘアゴムを取って走り去ってしまったのです。
娘はその瞬間、大泣きして震え、怖くてその場にいられなくなりました。

その出来事をきっかけに、外で遊ぶことが大好きだった娘は外出することを怖がるようになり、公園にも行けなくなってしまいました。
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外に出るのが不安だと感じる理由
「そんなことで外に出るのが不安なの?」と思うかもしれません。けれど、人一倍不安を感じやすい脳の特性を持つ子どもにとっては、とても大きな出来事なのです。
外に出ることに不安を感じる子は次のような特性があります。
危険を感知するセンサーが強い
脳の中の扁桃体(へんとうたい)という部分は、危険を察知する警報装置のような働きをします。このセンサーが敏感な子どもは、不安を感じやすいのです。
怖い経験をしたことで、このセンサーがさらに過敏になり、
公園=危険
外=怖い場所
と感じるようになってしまったのです。
ネガティブな記憶を忘れにくい
人一倍にネガティブな記憶が忘れられません。そのため、怖かった記憶をいつまでも忘れる事ができず、「また同じことが起きるかもしれない」と思ってしまいます。
起こってもいないことを想像し過ぎてしまう
「外出して、また怖いことが起きたらどうしよう」「誰か怖い人がいたらどうしよう」「危険があるかもしれない」そんな起こってもいない事を想像して不安になり行動ができなくなってしまうのです。
見通しが立たないことが苦手
どこに行くのか、何をするのか先が見えないと不安になります。外出は予定が見えにくいため、行動に移せなくなってしまうのです。

このような特性が強く出ているときは脳にストレスがかかっているサインです。なので、この脳のストレスを取り除く対応が必要です。
次に、私が行った対応方法をお伝えします。
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脳のストレスを減らし行動力をあげる4つのサポート法
外に出るのが不安でも、ストレスを減らしながら不安があっても行動できるようになることはできます。
我が家で実践して効果があった4つの方法をご紹介します。
保留の対応
子どもが「外に行くのが怖い」と言い出すと、つい「ママが一緒だから大丈夫だって」「もう怖いことはないよ!」など励ましの言葉を言ってしまいがちですが、それは逆効果です。自分の意見は一旦置いて保留しましょう。
「そうだよね、怖かったもんね」「不安になっちゃうんだよね」と共感してあげましょう。それだけでもストレスが緩和できるのです。
スキンシップを増やす
ママからのスキンシップをされることが一番の安心感を与えることができます。ストレスや不安を抱えているのでたくさんスキンシップをして安心感を与えてあげましょう。
興味関心の言葉や、実況中継で肯定する
外に行けなくても、お家の中で成功体験を作ることができます。
「何の絵書いてるの?」「今何見てるの?」「これは何?へー!知らなかったよ!」と興味関心を示す声かけをします。
また、「おっ!着替えてるね」「いっぱい食べてるね」など実況中継の声かけをし気づいているよと知らせます。
このような声かけが自分は出来ているんだ、気づいてくれているんだと肯定の声かけになるのです。
見通しを立てる
先が見えないと不安になりやすいため、
「今日は、お家の前で縄跳びして遊ぼうか」
「近所の〇〇ちゃんの家だけ行ってみようか」「今日は〇〇を買いにスーパーに行って、終わったらすぐに帰ろうね」
など、行動に見通しを立ててあげると行動しやすくなります。

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不安があっても、行動できるようになりました
この様な対応を続けていくと、少しずつ外に出るのが不安でも行動できるようになりました。
時間はかかりましたが、1年ほどで再び公園に行き、遊べるようになったのです。

数年経った今でも娘は怖かったことを覚えています。でも、その記憶が残っていても、自分で行動できるようになりました。
外出への不安は、脳のストレスのサインです。まずはお家で安心感と自信を回復させてあげましょう。それが、行動できる力につながっていきます。
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<執筆者>
発達科学コミュニケーションアンバサダー
澤村祐依




