発達障害グレーゾーンと診断された娘が過剰適応を解消した、気持ちを言葉にする力

発達障害(特にグレーゾーン)の中には、過剰適応になりやすいタイプがあります。こちらの記事では、分離不安が進行し、不登校になった後「自閉症スペクトラム(ASD)」グレーゾーンと診断された私の娘が、過剰適応になった経緯と解消した方法をご紹介しています。

娘が自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンと診断される

 

私の娘は小学1年生の2月から分離不安が進行。
登校が週1・2回の状態になりました。

 

「本人のペースを大事にしましょう」
学校と連携をとり、様子を見ても状況は変わらないまま一年過ごした時に言われたのは
「気になるなら、発達検査を受けてみますか?」

 

そこでおりた診断名が「自閉症スペクトラム(ASD)」グレーゾーンだったんです。

 

よし!これで解決の手がかりができると思いました。

 

なぜなら、自閉症スペクトラムの子が抱える、ルールやルーティンへのこだわりの強さ、寒がり・大きな音が苦手など感覚の過敏が、全て娘にもあったからです。

 

 

発達障害グレーゾーンの困りごとと過剰適応のなりやすさ

 

発達障害や繊細気質(HSP・HSC)は、脳にかかるストレスに弱い・刺激を受けやすい特性があります。

中でも、自閉症スペクトラム(ASD)は、ことばやコミュニケーションが苦手で、一般的にはその場の空気を読めないと言われますが、空気を読みすぎるタイプも含まれます。

娘が発達障害グレーゾーンと診断されたことにより、グレーゾーンなりの困りごとがあることを知りました。

また、対応していくにつれ、病院では説明されなかった分離不安・過剰適応という状態になっていることもわかりました。

 

分離不安とは、子どもが母親など、安心安全を感じられる人から離れることに対して不安を感じる状態です。
これによって、不登校の原因にもなります。

 

過剰適応とは、自分の気持ちより、周りを優先してしまう状態です。
子どもが自分自身の気持ちや意思を我慢し、周りの期待や環境に強く合わせようとしたり、他人が求める「良い子」になろうとします。

 

発達障害グレーゾーンは、知的発達の遅れが少ないため、周りを見て求められる行動がとれており、一見、集団生活に困っているようには見えません。

けれども、それは本人が苦手な部分を努力でカバーして行動しているからです。

 

一方で、本人の特性(不安を感じやすい・気持ちを言葉にしにくい・受け取り方のクセ・完璧主義など)から、努力してもカバーしきれない部分に注意を受ける、失敗など恥ずかしいと感じる体験をすると、「嫌な記憶」として残ってしまい、ますますプレッシャーを感じ、周りの環境になじむために自分を追い詰めてしまいます

 

このように、発達障害グレーゾーンは過剰適応になりやすいのです。

 

 

過剰適応を解消するための「気持ちを言葉にする」テクニック

 

周りとの違いに気付きやすい、空気を読みすぎるタイプには「気持ちを言葉にする力」が必要です。

その力をつける方法は、この2つがあります。

 

①できていることを伝える

これには、「周りと同じようにならなければ」と自分にプレッシャーをかける子に、「実はできていることってたくさんあるよ!」と気付かせる効果があります。

 

②選ばせて肯定する

「これとこれ、どっちがいい?」選べたら「OK!いいね!選べたね!」など、選べたことを肯定します。

 

このように、受け入れられている・認められているという安心感を増やしていくと、自信がどんどん貯まっていきます

すると、恐れずに自分の気持ちを言えるようになるのです。

 

「どうしたいの?」「思ってること言っていいんだよ?」「言わなきゃわからないよ?」と何度うながしても、不機嫌に黙っていた娘が、今ではやりたいこと・やりたくないことを毎日聞かせてくれています

その明るい表情が、過剰適応を解消し、自分の気持ちを言えることの大切さを気付かせてくれました。

娘の本心を見せてくれる幸せを日々感じています。

 

 

執筆者:泉かおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

タイトルとURLをコピーしました