朝の支度ができない子は「いつもと同じ」がカギ!癇癪が落ち着いて動き出す3つのサポート

「いつもと同じ」が安心の繊細な子。けれど、少し崩れるだけで不安から朝の癇癪に繋がることも。この記事では、朝の支度がスムーズにできない我が子の気持ちと、私の経験を交えた寄り添い方をご紹介します。

 

朝の支度ができない理由と「いつもと同じ」の重要性 

 

朝、「いつも通り」じゃないと泣いたり、パニックになって支度が進まない…そんな毎日に疲れていませんか?

 

実はこれは、育て方の問題ではなく、「脳の特性」による反応なんです。

 

朝の支度ができないのは、サボりでも甘えでもありません。まずここを知っておくだけで、ママの心は少し楽になります。

 

我が家の繊細な娘は、朝のルーティンが少し崩れるだけで泣いたり、癇癪(かんしゃく)を起こす日々でした。

 

娘の朝の流れは

① 朝起きたらトイレ(おしっこ)
② 着替える
③ ご飯中に髪を結ぶ
④ 食べ終わったらトイレ(うんち)
⑤ 歯磨き

 

この順番がひとつでも変わると「いつもと違う!」と大騒ぎ。ひどい日は幼稚園に行けないこともありました。

 

さらに、


・朝一番のおしっこの色がいつもより濃い
・ご飯のあと、いつも出るはずの便が出ない


これだけで、「なんで?」「いつもはこうじゃないのに!」と不安が爆発してしまうのです。
正直、毎日まったく同じタイミングで過ごすのは無理です。

 

当時の私は、


「大丈夫だよ、そんな日もあるよ」


としか言えず、気持ちに余裕がなくなるとついイライラしていました。

朝の混乱が続くと、「またか…」と娘のこだわりを崩さないよう気を遣うこともありました。

 

 


そんなある日、私は繊細な子にとって「いつもと同じ」は安心そのもの、行動スイッチだと知りました。それまで私は焦って流れを変えたり、押し切ったりしていましたが、逆に不安を強めていたのです。



それからは、娘の「いつもと同じがいい」という気持ちを受け止めるようにしました。すると、少しずつパニックは減り、
朝の準備も落ち着いていったのです。

 


次に、なぜ繊細な子が「いつもと同じ」にこだわるのか、脳の仕組みからお話ししますね。

 

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繊細な子が変化に弱い脳の仕組み

 

これには、脳の特性が深く関係しています。

 

①見通しを立てる力が弱い


脳は本来、「このあと何が起きるか」がわかると安心する仕組みになっています。

ですが、繊細な子は、「先の見通しを立てる力」が弱いため、順番が少し変わるだけで
「次どうなるの?」がわからなくなり、不安が一気に増加してしまうのです。

 


②不安スイッチ(扁桃体)が過剰に反応しやすい


先が見えない状態になると、脳の中にある「扁桃体(へんとうたい)」という、危険を察知するセンサーが敏感に受け取ってしまう特性があります。


その結果…

・小さな変化も「大事件」に感じる
・行動が止まってしまう
朝の癇癪やパニックにつながる


といったようになるのです。


つまり、「こだわり」とは、安心するために同じ流れを必要としているということなのです。

 

 

朝の支度ができない子にNGな関わり方

 

朝の支度で泣いたり固まったりすると、つい急かしたくなりますよね。ですが、次のような対応が子どもの不安を大きくしてしまうこともあります。

 

①怒る

「早くして!」「また泣いてるの?」
→扁桃体がさらに過敏になり、不安が倍増。

 

②急かす

「遅れるよ!」「早く着替えなきゃ!」
→「先の見通しが立っていない」状態で急かされると、余計に動けなくなる。

 

③こだわりをやめさせようとする

「その順番じゃなくてもいいでしょ?」「もう気にしないの!」
→こだわりが強化され、泥沼化。

 

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​朝の支度がスムーズになる3つのコツ

 

朝の支度ができない子は、「できない」のではなく 「脳が安心できていない」 だけ。
だからこそ、まずは 安心の土台 → 見通し → 選択肢 の順番でサポートすると、少しづつ動けるようになります。
​​

① こだわりを受け止める

 

まずは、お子さんの「こだわり」や「不安」をしっかり受け止めてあげることが大切です。


繊細な子は、不安を抱えたままだと次の行動に進むことができません。だからこそ、気持ちを言葉にしてあげることで、心の緊張がふっとゆるみます。

 

娘の場合

・「やりたかった順番じゃなくて嫌だったね」
・「色がいつもと違ってびっくりしたよね」
・「うんち出なくて心配になっちゃったね」

こうして不安を言語化してあげることで、子どもは「ママが気持ちをわかってくれた」と安心です。


そして、


「朝は水分が少ないから色が濃くなるんだよ」
「うんちは毎日同じじゃなくても大丈夫なんだよ」


と、気持ちが落ち着いてきたら、簡単に体の仕組みもそっと伝えてあげました。

 

ホワイトボードで見通しをもたせる

 

次に効果的なのが、「見通しを見える形」にすることです。

脳は「次に何が起こるか」がわかるだけで不安が落ち着き、行動するスイッチが入りやすくなります。


我が家では

・朝の流れをマグネットで並べ、終わったら自分で移動
・順番が変わる日はマグネットを入れ替えて見える化
・全て終わったらシールで達成感UP


娘はこの方法で、「いつもと違う日」でも流れを理解できるようになり、パニックが大きく減りました。


繊細な子は「次がわかる」だけで、スムーズに動けるようになりますよ。

 

③ 選択肢を与える

 

最後に、行動のスイッチを入れるために効果的なのが、子どもに選択肢を与えることです。


・「AとB、どっちを先にやる?」

・「うんち出てから行く?園で出たくなったら行く?」

このように、選ばせるだけで、自分で決めた達成感と安心感が得られ、朝の準備がスムーズになります。

 

「いつもと同じ」じゃなくても大丈夫になった娘の変化

 

かつての娘は、順番が少し違うだけで大泣きし、おしっこの色や便のことで不安になり、朝の支度は毎日大混乱でした。

 

ですが、3つの関わりを少しずつ続けるうちに、少しずつ変化が見えてきました。

 

 

順番が違っても自分でマグネットを入れ替えて行動できるようになり、色や便の変化も「大丈夫」と安心して受け止められるように。

 

何より、私自身も「今日も大変かも…」というドキドキが減り、朝を穏やかに迎えられるようになりました。

 

繊細な子にとっていつもと同じ」は大切な安心材料
その安心を、ママが少し支えてあげるだけで、お子さんも安心して動けるようになりますよ。

 

焦らず、少しずつ試してみてくださいね。

 

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<執筆者>

発達科学コミュニケーション アンバサダー

白倉ひより




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