何度も言ってるのにADHDグレーゾーンのお子さんの出しっ放しが直らない!と悩んでいるお母さん、それはお子さんが聞いていないとか、だらしないせいではありません!お子さんが片付けよう!とやる気が出る声のかけ方についてお話します。
1.部屋が片付かない⁈片付けるってそもそもどういうこと?
出したら出しっ放し!
片付けたそばからまた出していく・・
何回言っても自分からしまおうとしない
片付けたそばからまた出していく・・
何回言っても自分からしまおうとしない
そのせいで部屋が物だらけで、片付かない!という声をよく耳にします。
自分で出した物ならまだしも、出しっ放しの犯人が自分以外の誰かというときは思わずイライラしてしまったり、どっと疲れてしまったりしますよね。
何回声をかけても片付けられないので、周りからだらしない子だと思われていそう、と心配になっているお母さんも多いのではないでしょうか。
ところで、お子さんは『出したらしまう』ができていますか?
『片付ける』ということは、出したものを元の場所や決められた場所にきちんと『しまう』ことです。
これが出来ていれば理論上は部屋は散らからないはずなので、散らかっているとしたら家族の誰かしらが出しっ放しにしているということですよね。
出しっ放しの犯人が注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンのお子さんだった場合、なぜ出しっ放しになってしまうのでしょうか?
だらしないからしまえないのでしょうか?
2.ADHDグレーゾーンのお子さんは、本当にだらしないの?
出しっ放し犯がADHDグレーゾーンのお子さんだった場合、出したものを片付けられず、出しっ放しにしてしまうのは『だらしないから』なのでしょうか?
実は、ADHDグレーゾーンのお子さんに多い片付けが苦手という特徴には理由があります。
本人のやる気の問題以外に、脳のワークングメモリというところが関係していて、ADHDグレーゾーンのお子さんはこのワーキングメモリの働きに苦手があることが多いです。
ワーキングメモリは、入ってきた情報を整理して、記憶する働きがあります。
このワーキングメモリに苦手があると、情報の整理が追い付かなくて、やらなければいけないことを覚えていられないということが起きます。
例えば、出す、しまうという二つのことは出来るのに、出す、使う、しまうと三つになった途端にしまう、が出来なくなるという状態です。
また、出したものを使っているときに違うものが目に入ると、そちらに意識が行ってしまい、今目の前にあったものが完全に頭から消えてしまう!ということも起こります。
つまり、どちらの場合でも「出したあとにしまう」ことを本気で忘れている状態なのです。
決してだらしないから片付けられないのではないということです!
3.「片付けられない」をどう受け止めるか
このように、ADHDグレーゾーンのお子さんは片付けができないのではなく、片付ける意識を持って行きにくいという脳の特徴があります。
とはいえ、片付けが出来ないと目につきやすいのでどうしても注意される場面が増えてしまいます。
毎日のように注意をされていると、お子さん自身も「何度言われたら出来るんだろう・・?」「自分は出来ない駄目な子なんだ」と自信を無くしていきます。
なので、お母さんには、ADHDグレーゾーンのお子さんはわかっているけど自分の意思とは裏腹にできない状態があるということを知っていて欲しいと思います。
理由が分かれば、出来ないのはこの子のせいではないんだと思えるので、お母さんもイラつかずに見守ることができますよね。
そして、何度注意しても片付けられない!というときは、まだお子さんの中で「出したらしまう」が定着していない状態だと捉えてください。
4.片付けのやる気を引き出すお母さんの声かけ
では、どうしたら「出したらしまう」が定着するのでしょうか?
もしお子さんが出しっ放しにしているのを見つけたときは、まずは穏やかに指示を出してください。
そして次に、出来たら「出したものしまえたね!」と言葉で伝えてあげましょう!
えらい!すごい!などの言葉で無理やり褒めるのではなく、「出したものをしまう」というフレーズをポジティブなイメージと一緒に記憶させます。
それを繰り返すことで、「自分は出したらちゃんとしまうことが出来るんだ!」という自信が付いていきます。
片付け→怒られる→嫌な記憶から片付け→自分は出来る→褒められるいい記憶とイメージを塗り替えてしまいましょう!
行動が定着していない間は、お母さんがうまく指示を出してあげることで、自分は片付けられるから褒められる!認められる!と学習していきます。
褒めらたり認められることで、自分にもできる!と自信を持つと、段々と行動も定着していきますよ。
ADHDグレーゾーンのお子さんの出しっ放し問題に困っているお母さんは、穏やかな指示出しと出来たら出来たことを言ってあげることを意識してみてくださいね!
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)