やりたくない事に取り組まない子に手を焼いていませんか?それは過去の失敗や怒られたネガティブな記憶が邪魔をして取り組めないのかも…。ADHDグレーキッズのやる気スイッチを押して嫌な事にも取り組める子にする声かけのポイントをご紹介します。
1.声をかければ親子バトル、言わなければ何もしない我が子に手を焼く毎日
お子さんが自分の好きな事はいくらでもできるのに、やりたくない事に取り組ませるのは大変で手を焼いています‼︎というお悩みはありませんか?
我が家の注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの小学生の息子もマインクラフトやフォートナイトなど大好きなゲームは時間を忘れて没頭します。
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さらに興味のある生き物に関することはビックリするくらい熱心に研究することができます。
しかし学校の宿題や明日の準備、習い事の課題、部屋の片付けなど息子が「やりたくない‼︎」と思う事にはやる気が出ないようで、なかなか取り組むことができませんでした。
母親としては将来のことを心配して「やりたくない事でも取り組めるようになって欲しい」と思いますよね。
だけど無理やり声をかければ親子バトルになるし、何も言わなければ本当にやらないため、どうすれば取り組めるようになるかわからずかなり手を焼きました。
2.ぐうたらではない?ADHDキッズが宿題などやる気にならないのはなぜ?
ADHDグレーキッズは『好きなことはいくらでもできるけれどやりたくない事にやる気が出ず取り組むことは苦手』という傾向が強いです。
人は記憶するときにその時の場所や時間・感情・体験などをエピソードとして一緒に記憶します。
例えば私たちも、学生時代によく聞いていた曲を聴くと楽しかった学校生活や友人の事など、当時のエピソードを一緒に思い出すという経験があるのではないでしょうか?
このように脳の記憶のエリアは何かを思い出す時、同時に記憶したエピソードを一緒に思い出すという作用があります。
その中でもADHDタイプの場合は、ネガティブなことの方が記憶に残りやすいという脳の特性があります。
例えば
・宿題を始める時間が守れずに怒られた
・字が汚いと言われた
・間違えを指摘され何度もやり直しをさせられた
・「早く片付けなさい!」と強く叱られた
というように、『そのとき体験した嫌な気持ち』を『嫌なこと』として思い出してしまい、やりたくないという感情が湧いてきてやる気が出にくくなってしまいます。
何度声をかけてもなかなか取り組まない様子はぐうたらして見えるかもしれませんが、脳の特性は自分ではどうにもできないのです。
このように宿題や片付けなどの“やりたくないこと”はもうすでに“嫌なこと”としてネガティブにインプットされてしまっている可能性があります。
では嫌なことをやらせたいときはどうしたら良いの?と思ったママ。大丈夫です!嫌だという感情は良い記憶にアップデートすることができます。
3.ポジティブな声かけを楽しい記憶にアップデートできるのは褒める量と質
良い記憶へアップデートするためには、ママがポジティブな声かけの量と質を増やすことで嫌な記憶を楽しい記憶や成功体験に変えてあげることができます。
ママが「今日はすごい褒めたな‼︎」と思っていてもADHDグレーキッズはそんなに褒められたと感じていない場合があります。
どうしてかというと、子どもの脳では言葉よりも非言語情報(表情・声色・語調)が先に処理されるので、言い方次第では褒めているのが伝わらないことがあるからです。
例えばママがいくら口では褒めていたとしても、無表情だったり子どもの方を見ないで言ったり、その言葉が投げやりな語調だったとしたら、全く伝わらないということもあるのです。
子どもが褒められたと感じるのは、その行動とポジティブな感情が結びついて記憶されるときです。
つまり、ママがいくら褒めたと思っていても、子どもが『褒められた‼︎』と感じなければ記憶には残らないのです。
それどころか、そんなに怒っていないことにすごく怒られたと感じてしまう傾向があるタイプの子どももいます。
そのため、子どもが褒められたと記憶に残るように褒めの量と質が必要になるのです。
4.褒めのバリエーションが増える!自分の子どもにピッタリ合ったママの声かけ術
では、ポジティブな記憶にアップデートするための褒めるテクニックを紹介しますね。
褒めると聞くと「えらいね」「すごいね」「頑張ったね」といった言葉が浮かんでくるのではないかと思います。
こういった言葉ももちろん褒め言葉として使えますが、ADHDグレーキッズは取りかかるまでに時間がかかったり、どうにかやる気を出して始めたとしてもすぐに集中が途切れてしまったりしませんか?
全部できるまで待っていたら、全然褒められないままかえって注意することになってしまった…!なんてことになりがちですよね。
そこでやり始めや、やっている途中でも肯定の声かけをする事で褒めていると伝えてあげることができます。
・「宿題持って帰ってきたね」「教科書開けたね」とできていることをそのまま実況中継する
・「もうここまでできたの⁈」「あと少し‼︎」と励ます
・うなずく、拍手、グッジョブ・OKサインなどのジェスチャーで伝える
・「もうこんなに片付いたの⁈」「キレイになったね!」と驚く
・「頑張ってるね!」と肩に触れたり、「出来てるね!」とハイタッチでスキンシップをとる
こうやってしていることをそのまま言葉にしたり、できていることを現わすことで、単調になったりおだてることなくお子さんを褒めてあげることができます。
このやり方ならそれぞれのお子さんにあった声かけができ、バリエーションも作りやすいので褒めの質と量を増やすことができますよ。
さらに、やりたくないことへの記憶をポジティブな記憶にアップデートしてあげられる効果もあるんです!
やりたくないことになかなか取り組めないというお悩みがありましたら、ぜひ試してみてくださいね!
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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やりたくない事に取り組めないADHDグレーキッズでも、簡単なお母さんの声かけによって取り組むことができるようになります。怒って無理やりやらせるのではなく良質なコミュニケーションでお子さんの行動を変えたいと思われたら一度ご相談くださいね。