子どもの筆箱の中がいつもスカスカ…鉛筆がすぐなくなる、筆箱に戻せないのにはADHDの特性が隠れているかもしれません。なんの変哲もない鉛筆をなくさないためにはいかに意識できるようにするかが重要。自然と意識に上るようになるポイントを解説します!
1.いくら準備しても鉛筆がすぐになくなる!息子の筆箱はいつもスカスカ状態
お子さんの筆箱の中身がいつもスカスカで、注意しても補充してもあっという間に鉛筆がなくなってしまうというお悩みはありませんか?
我が家の注意欠如・多動症(ADHD)、現在小学5年生の息子も、低学年の頃は筆箱の中身がいつもスカスカでした。
後ろがガビガビに噛まれ芯は折れている鉛筆がかろうじて1本入っていれば良い方で、1本も入ってないということもしばしば…
何度注意してもなくなっていくので、家には鉛筆のストックが欠かせませんでした。

担任の先生から「お母さんがすぐに用意するから大切にしなくなるんじゃないですか?」と言われ、本人が困ればなくさなくなるかも…とあえてチェックや補充をしないこともありました。
しかしそんな状態でも本人は気にする様子もなく筆箱がスカスカな状態はずっと変わりませんでした。
2.ADHDタイプの子が鉛筆を筆箱に戻せない理由
鉛筆を筆箱にすぐ戻せないのにはADHDの3つの特性が影響していると考えられます。
①ワーキングメモリに苦手がある
ワーキングメモリは、情報を一時的に保持し、処理する脳の機能です。この部分に苦手さがあることにより、物をどこに置いたかを覚えておくのが難しくなります。
ワーキングメモリは、情報を一時的に保持し、処理する脳の機能です。この部分に苦手さがあることにより、物をどこに置いたかを覚えておくのが難しくなります。
②面倒なことを後回しにする
ADHDタイプの子は面倒くさいと思うことをやろうとすると脳に負荷がかかります。そのことをストレスに感じるのでやるべきことを避ける傾向があります
ADHDタイプの子は面倒くさいと思うことをやろうとすると脳に負荷がかかります。そのことをストレスに感じるのでやるべきことを避ける傾向があります
③興味がないことに取り組まない
興味がなかったり、自分には関係ないと思うことにはなかなか取り組めません。
興味がなかったり、自分には関係ないと思うことにはなかなか取り組めません。
例えば我が家の息子の場合、鉛筆を使った後、筆箱に戻さずに引き出しや、机の横に掛けてある音楽バッグに入れてしまうことがよくありました。
そこに入れたこと自体を忘れてしまったり、そこに入れたことは覚えていてもそれを筆箱に戻すことを面倒に感じているようでした。

また息子の学校は学用品にキャラクターものは禁止だったので、なんの変哲もないシンプルな鉛筆に興味も関心もなく、なくなっても気にしていませんでした。
そんな息子でしたが、ある工夫をすることで鉛筆を筆箱に戻せるようになりました!
次の章でその工夫についてお話ししていきますね。
3.意識づけが肝心!鉛筆を筆箱に戻せるようになる2つの作戦
脳は繰り返した行動が記憶に残りやすいという働きがあります。
そこで、いかになんの変哲もない鉛筆を意識させ『鉛筆を片付ける』ということをルーティーン化させるか、という作戦を考えることにしました。
作戦は2つです。
◆①馴染みのある覚えやすい色をチョイス
学校でキャラクターものは禁止だけど色の指定はなかったので覚えやすい色で揃えることにしました。
色は信号でお馴染みの3色、赤青黄色です。
本来は5本準備してくださいと言われていたのですが、ADHDタイプの息子に5本を管理することはハードルが高いこと、5本あると1本くらいなくなっても気にならないのでは?という理由から3本に減らし、赤青黄色を各1本ずつ準備しました。
そして息子に「鉛筆はこの3色だから毎回、赤青黄色が揃うようにしてみてね」と伝えました。
「この作戦なら、なくなった時に何色がないかが一目でわかるし、なくなっても探しやすいよね」「赤青黄色を揃えて帰ってくることがミッションだよ」と作戦をそのまま伝えながら一緒に準備をしました。
私が一方的に準備するよりも、一緒に準備をすることで本人の意識に上るようにしました。

◆②宿題時に筆箱をチェックするルーティン
今まで宿題は家にある鉛筆でやっていましたが、鉛筆チェックも兼ねて自分の筆箱を出してやる、終わったら削ってしまうということをルーティン化しました。
筆箱を出してきたときにきちんと入っていれば「赤青黄色入ってるね」と声をかけ、「なくしてない!」ということが成功体験になるように意識をしました。
入ってない日があれば「◯色はどうしたの?」と聞いてみました。
「引き出しにしまっちゃったかも」とか「音楽バックに入ってるかも」など自分で思い当たることを言った時は次の日に確認してみるように伝えました。
そのようなことを繰り返していると揃えて持って帰ってこられる日が増えていきました。
私が確認しなくても「赤青黄色入ってるよ!」と、得意げになくなってないことを教えてくれる日も増えていきました。
このように、鉛筆自体を本人の意識に上らせ、毎日確認するというルーティーンを作っていったことで、筆箱がスカスカになることなく鉛筆を管理することができるようになっていきました。
いくら準備してもすぐに鉛筆がなくなって困っているママはぜひ試してみてくださいね。
執筆者:村川聡美
(発達科学コミュニケーション STELLA*Schoolアンバサダー)
(発達科学コミュニケーション STELLA*Schoolアンバサダー)