子どもの話が飛び飛びで「誰のこと?」「いつの話?」と何度も聞き返していませんか?会話が噛み合わない子には、まず「会話の成功体験」を積ませることが大切です。
1.会話が噛み合わない!子どもが状況説明の足らない話し方をする理由は?
子どもと会話しているとき、状況説明が足らない話し方でなんのことを話しているのかわからない…「それって誰のこと?」「どこで?」「いつの話かな?」と質問ばかりになってしまった経験を持つお母さんは少なくないと思います。
噛み合わない会話をするお子さんは、注意欠如・多動症(ADHD)の可能性があります。
ADHDの人は話したいことがあると「話したい!言いたい!」が先に来てしまい、話の整理が追いつかないことがあります。

なぜそうなるのかというと、脳の実行機能の働きが関係しています。
実行機能は
「順序立てて考える」
「目の前のことに集中する」
「大事な情報に気づく」
「情報を整理して話す」
などの力をコントロールしています。
ADHDタイプはこの実行機能の働きが弱いと言われていて、情報を整理し順序立てて話すことが苦手なので、会話が噛み合わなくなることがあります。
2.それは誰?いつ?母の質問に感情が爆発する息子
息子の場合は、その日の出来事で強く記憶に残っていることを突然話し出すことが多いようでした。
たとえば、「今日は学校でどんなことがあった?」と聞くと、「転んじゃった」と答えます。
「大丈夫?どこかケガしていない?」と息子の膝のあたりを見る母に、「僕じゃないよ」と言うのです。
「え?じゃあ誰が転んだの?」「いつのこと?」「どこで?」と何度も質問をしてようやく状況が見えてきました。
嫌なことがあったときも同様で、「腹が立つ!」といきなり感情を伝えてきます。
「誰に腹が立つのか?」「何に腹が立つのか?」会話が噛み合わないので1つ1つ質問をすると、話を分かってもらえないと感じたのか息子はイライラし始め、「だから~」「もういい!」と感情を爆発させて怒っていました。

学年が上がると、大人を挟まず子ども同士でのやり取りが増えるため、この先クラスメイト達との会話に入れなくなるのではないか?会話がスムーズにできるようにしておいた方が良いのではないか?と心配になっていました。
3.子どもとの会話がスムーズになるママの対応
ADHDタイプは、特性からネガティブな注目を集めることが多くなりがちです。
自分の会話が伝わらない・会話が噛み合わない経験が続くと、話すことに自信を無くして発言自体をやめてしまうことがあるため、子どもの発言を否定しないことが大切です。
子どもが話しやすく、なおかつ会話をスムーズにするためには「子どもが話した言葉をそのまま繰り返す」のがおすすめです!
子どもの言葉を繰り返すだけで、「お母さんが聞いてくれた」「ちゃんと伝わっている」と感じる事ができ、安心して話を続けることができます。
必要なのは、「ゆっくり・わかりやすく・安心できる関わり」です。
「ゆっくり順番に聞くよ。まずは誰が転んじゃったのか教えてくれる?」と声をかけます。
無理に急がせず、「話したい」という気持ちを大切にしながら、「どうしたら伝わるか」に意識を向けさせるのがコツです。

またADHDタイプは視覚優位なことが多いと言われています。お母さんの言葉よりも、先に表情をキャッチして理解するので、困った顔をせず、笑顔で話すことを大切にしてください。
今では息子は、「さっき〇〇君に公園であったよ」と状況がわかる話し方をしてくれることが増えました。
「誰」「どこで」「いつ」が抜けてしまった時も、待っていると自分で気が付いて説明できるようになりました!
自分で気付いて話すことで会話のキャッチボールが上手になったので、何度も質問されて怒り出す、ということも激減しました。
お子さんとの楽しい会話で成功体験を増やしてあげましょう。
執筆者:仲川かよこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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