部屋に物を取りに行ったままいつまでも戻って来ない…様子を見に行くと全然別のことをしている!という子は「ADHD不注意」タイプかも!そんな子の対策には注意をグッと引き寄せるタイムアップ作戦がおすすめです。
1.物を取りに行くと戻って来ない!何度も何度も息子を呼ぶのが日課
「部屋に物を取りに行ったはずが、気づけば戻ってこない…。やっと帰ってきたと思ったら何ももっていない」
そんな経験、注意欠陥多動性障害(ADHD)のお子さんを持つお母さんなら、きっと一度は悩んだことがあるはずです。
私の息子もそうでした。
息子はADHDの不注意タイプで、「さあ、宿題始めるよ!」と座らせたら、ノートがない。
「ノートがなかったら宿題出来ないじゃん!早く取っておいで」と、取りに行かせますが帰ってこないということが毎回でした。
「ノートないの?カバンの中じゃない?」
「ん〜、今探してる」
リビングから呼びかけますが、返事はあるものの一向に帰って来ない、放っておいたら10分~30分も戻って来ないなんてこともしょっちゅうです。

しびれを切らして部屋をのぞくと、マンガに夢中で笑って楽しそうにしているではありませんか。
思わず「ノートを取りに行ったのに、なんでマンガ読んでるの!」と怒ってしまい、「あーあ、また怒っちゃった。」と反省する毎日でした。
ADHD不注意タイプの子どもの行動に対して、何かしらの対策が必要だと強く感じました。
2.ほかのことに興味が移ってすることを忘れてしまうADHD不注意タイプ
ADHDには不注意という特性があります。
不注意の特徴は簡単に言うと、何か一つに集中するのが難しくて、気が散りやすい、見たもの、聞いたもの、思いついたことがあるとすぐにそっちに気を取られてしまうなどがあります。
例えば、目の前にある課題に集中しているつもりでも、急にテレビのことが気になったらすぐにその課題を忘れてしまって、気がついたらもう全然別のことしてる!ということがよくあります。
また、ちょっとしたことでも興味が移ってしまうので、途中でやってたことを放り出すこともあります。

例えば、部屋の片付けをしているはずが、途中でおもちゃが気になって遊び始めてしまったり、ちょっとした音や動きで気を取られて、集中力が途切れてしまいます。
だから、単に「集中しなさい!」と言っても簡単にはいかないのです。
どうしても一つのことに集中させたい場面では、それ、お家での工夫で対策できます!
3.戻ってこない子の対策におすすめ!一つの課題に集中できるタイムアップ作戦!
集中させるためには、目の前に次々と現れる誘惑をどうコントロールするかが重要です。 そこでおすすめなのが、タイムを計るタイムアップという作戦です。
タイムアップの方法は2つあります。
1つ目は、10・9・8・7・6・5というように、カウントダウンをして、10秒以内にできるかな?という作戦です。
あと何秒!と感じるとスイッチが入るきっかけになります。
競争になると1番を狙う子や、対戦ゲームなどが好きな子にはおすすめです。
2つ目は、逆に数を増やしていくカウントアップです。
行動をスタートさせると同時に、1・2・3・4・5と1から数え始めて、行動が終わった時の数字を意識させる作戦です。
例えば、「さて、何秒でノートを取りに行けるでしょうか!よーいスタート!」というように始め、1から数えるだけです。

1から数えることで、自分の行動にかかる時間が数字でわかるので、昨日は10秒かかったけど、今日は8秒だった!という達成感が味わえます。
ゴールが決まっていないためプレッシャーがなく、頑張った分だけ伸びた!と自己肯定感にもつながり他の人と比べることもないので安心感もあります。
年齢が小さければ、その子の得意、不得意によって数えるスピードを調節したり、達成感を味わえる工夫をしながら楽しくゲーム感覚でやってみてくださいね!
そして「すごーい!取りに行って戻ってこれたね」「今日は8秒?昨日より2秒も早くなってるじゃん」というように、昨日より出来るようになった自分を一緒に喜んであげてください。
そうすることで、僕にも出来るんだという自信につながっていきます。
息子にはカウントアップが合っていて、ご機嫌な日にやると、「もう数えなくてもオレ出来るよ。中学生だよ!」と言いながらも少し急いでいる姿が見られていました。
そして、今ではカウントアップをしなくてもちゃんと戻ってこられるようになりました!
ADHDタイプの不注意は、その特性を理解して集中できるための対策を工夫をすることで、子どもが前向きに取り組めるようになります。ゲーム感覚で時間の使い方を考えてみてくださいね!
執筆者:やまもとえつこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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