穏やかな育児をしたいのについ子どもに怒ってしまう…ということはありませんか?実はそのイライラの正体は「思考のクセ」に関係しているんです。ここでは、ママのイライラの正体に気付く思考整理の方法をご紹介します。
1.子育てを学んでいるのにイライラに振り回されていた私
「ちゃんと朝ごはん食べてよ!」「なんで約束守れないの?」 子どもにイライラして、つい怒ってしまう。
「もっと穏やかに子どもと関わりたい」と思っているのに、できない…。
そんな自分に落ち込み、自己嫌悪してしまう経験はありませんか?
私の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)です。
幼いころから落ち着きがなくて、やめてといったことはやめられない。食事中に立ち歩いたり、何度も指摘することを繰り返していました。
「本当はもっと穏やかな子育てをしたい」「今日こそは子どもに怒らず穏やかに関わろう!」と思うのに、気が付くと子どもに指摘したり怒ってしまう毎日…。

そんな私が発達科学コミュニケーションに出会い、子どもを肯定する子育てを学びました。
学んだ直後は「こうすればいいんだ!」と私自身も前向きな気持ちになりましたが、いざあわただしい日常に直面すると、もともと自分の中にあった考え方や子育ての習慣が顔を出していたんです。
頭では「こうしたらいい」ということがわかっているのに、ついイライラした気持ちが出てしまう。
そんな自分に対して、「学んだ内容が効果があることは知ってる。それなのに、なぜその通りにできないんだろう?」「穏やかな育児をしたいのに、どうして子どもにイライラしてしまうんだろう?」と悩むこともありました。
実は、その原因は私の思考のクセと関係していました。
2.「思考のクセ」が原因だった!ママがイライラしてしまう理由
思考のクセとは、過去の経験や価値感から得た、その人独自の考え方のパターンのことです。
思考のクセには色々なパターンがありますが、中でも子育て中に陥りやすいのが「すべき思考」という考え方です。
「もっとちゃんとしてほしい」 「これくらいできるはず」
こうした思いの裏には、「子どもは〇〇すべき」「ママは〇〇であるべき」といった思いが隠れています。
ママの「〇〇すべき」という考えが強いことで、子どもに期待しすぎてしまう。しかし、その期待が裏切られるため、イライラした感情になってしまうのです。

私たちの脳は、「こうなるはず!」という予測が外れると、無意識に「思った通りにいかない…もしかしてまずいかも?」と警戒モードに入ります。
ママ自身が気づかないうちに、「正しくあらねばならない」という思い込みに縛られ、その結果、脳が緊張状態になり、イライラや怒りが引き起こされるのです。
たとえば、子どもが朝ごはんの野菜を残したとします。
そのときに「野菜は全部食べるべき!」という思考があると、脳は「期待が裏切られた」と感じて、イライラスイッチがONになってしまいます。
しかし、もしそのときに「ま、いっか。今日は食べたくないのかも」と思えたら、脳は安心して、怒りのスイッチは入りません。
このように「〇〇すべき」という思考がママのイライラを生み出していることがあるんです。
3.実例公開!つい叱ってしまうママのイライラを減らす思考整理の2ステップ
では、どうしたら子どもに期待する気持ちを手放すことができるでしょうか?
ここで大切なのは、まず自分がどんな期待を持っているのかに気づくことです。
私が取り組んで効果を感じたのは、シンプルな2つのステップです。
①イライラした感情をメモする
日常でイラっとしたときに、スマホのメモなどにその状況を簡単に記録します。
②振り返る時間を作って気付いたことを書き出す
1日1回、落ち着いた時間に問いを使って振り返りを行います。
実際に私が残したメモはこんな感じです。
①メモ
「朝ごはん 野菜」
②振り返り
・誰に対してイライラした?
→息子
・どんなことに?
→食べると約束していた野菜を食べなかった
・私の対応は?
→「野菜食べるって言ったからおやつOKしたのに」と責めた
・相手のどんなところに期待していた?
→約束を守ってほしかった、野菜を食べてほしかった
・なぜそう思ったの?
→約束は守るべき、野菜は健康のために食べるべき
・それって本当にそう?
→約束しても守れないことはある、苦手なものは食べれないこともある
・次に同じ状況になったら、どう対応をする?
→無理な約束はしない、守れなくても責めずにスルーする
メモをするときのポイントは、朝ごはんをダラダラ食べていてイライラしたときは「朝ごはん ダラダラ」、妹にちょっかいばかり出してきょうだい喧嘩になっているときは「妹 ちょっかい」など、キーワードだけでも残すことです。
こうすることで忙しかったり余裕がなくても負担にならずに続けることができました。

そして、このように自分に問いを投げかけて振り返ることで、自分には「約束は守るべき」「健康のために野菜は食べるべき」そんな思考のクセがあることに気づくことができました。
そして、振り返りを続けるうちに、他にも「時間は守るべき」「妹には優しくすべき」「人に迷惑をかけてはいけない」など、多くの「べき」に縛られていたことにも気づけたのです。
また、その度に「それって本当にそう?」と自分に問いかけることで「いや、そんなことはない」と考えられるようになり、少しずつ「ま、いっか」「今はできなくてもしょうがないか」と、思えるようになっていきました。
この方法は子育てだけでなく、夫や両親、職場の人間関係など、日常の様々な場面で活用することができます。
すぐに完璧にできなくても大丈夫です。
イライラ子育てに悩んでいるママは、まずは自分がどんな時にイライラしたのか、メモすることから始めてみてくださいね。
執筆者:今井あかり
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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