「本当はお友達と仲良くしたいのに…」トラブルを起こし、孤立していくADHD+ASDタイプの息子。息子の気持ちを周りにわかってもらいたいママが同級生に宛てて書いたお手紙で、息子は穏やかな学校生活を送れるようになりました。
1.「僕、友達いない」トラブルを繰り返し孤立したADHD+ASDタイプの息子
私には、注意欠陥多動性障害(ADHD)+自閉症スペクトラム(ASD)の息子がいます。
小学校2年生の2学期、私は毎日かかってくる担任の先生からの電話に精神的に疲れていました。
「ふざけてちょっかいをかけるので相手の子が困っている」
「帰り道にふざけていたら、女の子を押し倒し怪我させてしまった」
「一緒に下校することに不安を感じた親御さんが毎日お迎えに来ています」
そして電話の最後には必ず 「おうちでもお子さんとよくお話しくださいね」 という言葉。電話が鳴るたびに胸が締めつけられました。
なんで普通に学校生活を送れないの? 先生や同級生に迷惑をかけて申し訳ない…。 もう、学校なんて行かなくていいのに。と考えるようになりました。
帰宅するなり息子を問い詰める毎日。何を話しても息子は黙ったままで何も言わず、私がかける言葉は息子を責めるだけで何も解決しませんでした。
ある日、「なんでお友達の気持ちがわからないの?お友達に嫌われるよ!」と言った私に対して息子がポツリとつぶやきました。
「僕、友達いないもん。」

その言葉にハッとしました。息子がひねり出すように言った苦しい一言。
息子は同級生が嫌いなわけでも、意地悪がしたいわけでもない。 むしろ、同級生と仲良くしたいのにそれができないことに苦しんでいることに気が付きました。
このままでは息子の周りからお友達がいなくなってしまう。私は早くこの状況をなんとかしなくてはと危機感を覚えました。
2.なぜ人と関わりたいのにトラブルばかり起こすのか?
ADHDやASDキッズは、「人と関わりたいのにうまくいかない」ことが多いです。
その理由として、これらの特徴が挙げられます。
・衝動性がある
「これをしたら面白い!」と閃いた瞬間、相手のタイミングはお構いなしでちょっかいをかけるなどの行動をしてしまいます。
・場の空気が読めない
最初は楽しく遊んでいたのにだんだん行動がエスカレートしていき、「もうこれ以上やったらまずい」、「そろそろ終わろう」という周りの空気を感じ取ることができません。
最終的に怪我をしたり相手や先生を怒らせるまでやり続け、相手も自分も嫌な気持ちで終わることが多いです。

・相手の感情に気づけない
相手の子が「やめて」と訴えていても、自分が楽しいとみんなも楽しいはずだと思い込んでいるので、相手が本当に嫌がっているという感情に気づけないことがあります。
・自分の考えや思いを言葉で説明することが苦手
自分なりに理由があって行動しているのですが、説明する間もなく突然行動するので、「わがまま」とか「自分勝手」な人だと誤解されることもあります。
・距離感が近すぎる
優しくしてくれるから近くに行きたい!仲良くしたい!などを感じると相手と必要以上に近づいてしまうことがあります。
息子が勢いで突然女の子に抱きついた時は、相手の親御さんから抗議の連絡を受け、謝罪する事もありました。
3.学校の同級生に宛てて書いた、息子の気持ちを伝えるお手紙
そんな息子の状況を変えるためにやったのは「同級生へお手紙を書く」ということでした。
担任の先生に、息子の本当の気持ちを周りの子に知ってもらうにはどうしたらいいでしょうか、と相談したところ、「息子さんの気持ちを伝えるお手紙を書いてもらったら、私が子どもたちに読みますよ。」と提案していただきました。
その手があったのか!思いもよらない方法で私は同級生に息子の思いを伝えるチャンスを得ました。
しかし、いざ手紙を書こうと思ったものの、「ADHD、ASDタイプは気持ちのコントロールが苦手」という内容を小学校2年生の子どもたちにどう伝えたらいいのか悩みました。

そんなとき、先生がくれたアドバイスは
「ADHDとかASDだからではなく、みんながそれぞれ持っている性格や個性の一つ、という目線で伝えてみてください。」
ということでした。
この言葉をヒントに、
「面白いと思ったらすぐに動きたくなっちゃう性格なんだ」
「楽しいと思うとついふざけすぎちゃうことがあるんだよ」
「本当は皆と仲良く遊びたいと思ってる」
といった身近に感じられる言葉で伝えることにしました。
実際に先生が手紙を読んだ時の子どもたちの反応は、「たしかに〇〇君ってそういうところあるよなー」と普段の行動を思い返して、受け入れているようだったと聞いています。
4.「皆がお友達」と言えるようになった!お互いを理解することで改善した息子と同級生の関係
手紙を読んだ後は同級生と息子の関係が変化し、トラブルが減りました。
たまにトラブルになりそうなときは、先生が間に入って「〇〇君は本当はどういう気持ちだったのかな?」と聞いてくれるようになり、「本当は殴ろうとしたんじゃなくて、手を伸ばしたときに当たっちゃったんだ、ごめん」と息子が自分の気持ちを伝えるようになりました。
すると相手の子も「そっか、そういうことだったんだ」と気持ちのすれ違いに気づいてくれるようになりました。
また、お友達のいいところを見つける授業で、同級生から
「皆が思いつかない意見を言ってくれる」
「掃除のとき、皆が気づかない所を掃除している」
といったコメントが見られるようになり、息子のことを理解して受け止めてくれているのだと嬉しくなりました。

一時はトラブルを繰り返しクラスで孤立していた息子が、穏やかに学校生活を送れるようになり、今では「皆が友達。」と私に話してくれるようになりました。
もしもお子さんが周りから誤解されやすくてトラブルばかりだったり、仲良くしたいのにできないということで困っているなら、お母さんがお子さんの気持ちを周囲に伝えてみるのはどうでしょうか。
待っていても解決しにくい問題は、一人で抱え込むのではなく、ぜひ周りに相談してみることをおすすめします。
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執筆者:藤もとのりえ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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