思い通りにならなかったり、注意されるとすぐにキレる…こんな発達障害ADHDタイプの子どもに悩んでいませんか?ここではすぐ怒ってカッとなりやすい子どもが怒りをコントロールできるようになる、適切な対応をお伝えします。
すぐ怒る!キレやすい発達障害の子どもに悩んでいませんか?
思い通りにならなかったり、注意されるとすぐにキレる…発達障害の子どもはこんな風に怒りっぽいタイプが多いですよね。
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ、発達障害グレーゾーンの小学2年生です。以前は、
・ちょっとでもうまくいかないことがあるとすぐカッとなり、暴言を吐いたり物に当たる
・私が注意すると「うるさい!」と反抗してくる
などとすぐにキレる様子が目立っていました。
そんな息子に私は「物に当たらないで!」「うるさいじゃないでしょ!」とついつい怒ってしまい、結果バトルになってしまう…ということを繰り返す日々。
キレやすいとお友達とトラブルを起こすことも増えます。
お母さんとしては、とっても心配ですよね!
実は発達障害の子どもがキレやすいのは、脳の特性が大きく関係しています。ですから、お母さんが感情的に対応してしまうのは、絶対にNGなんです。
そこで今回は、怒りっぽい発達障害の子どもが、素直に動き出すコミュニケーション術を紹介します。
ADHDタイプの子どもがキレやすい理由とは?
ここでは発達障害ADHDタイプの子どもがキレやすい原因についてお話ししていきます。
◆感情のコントロールが苦手
発達障害ADHDタイプの子どもは自己主張が強く、周りの状況に合わせて行動することが苦手です。
さらに衝動性が強いために、カッとなりやすいという特性もあります。
キレているときの子どもの脳というのは暴走している状態で、本人にもコントロールができません。
だからお母さんが「落ち着きなさい!」といくら叱っても効果がないんですね。
さらに「キレる」というのは脳の悪い癖です。ですから、キレることが習慣化している子どもには早めの対応が必要です。
◆普段から叱られることが多い
発達障害の子どもはできないことや苦手なことが多くあります。特にADHDタイプの子どもは
・気が散りやすい
・落ち着きがない
・思いついたらすぐに行動してしまう
などの特性から、行動が悪目立ちしてしまうことがよくありますよね。
そのため、ADHDタイプの子どもを育てているお母さんは
「やめなさい!」
「ちゃんと〇〇しなさい!」
など否定的な言葉をかけることが多くなりがちです。
加えて発達障害の子どもは「嫌なことを記憶しやすい」という特性を持っています。
その結果、
・「自分はダメな人間だ」と自信をなくしてしまう
・お母さんの言葉を素直に聞くことができなくなってしまう
ということが起こり、ちょっとしたことですぐにカッとなってしまい、キレやすい状態になるんです。
◆ワーキングメモリが弱い
私たちの脳には「ワーキングメモリ」と言う、情報処理を担当する機能があります。ここでは
・大事な情報を一時的に覚えておく
・物事の段取りを考える
など日常生活では欠かせない働きをしています。
ところが発達障害の子どもはワーキングメモリが弱い傾向があります。そのために、一度にたくさんの情報を処理することができず、
・落ち着いて解決法を考えることができず、パニックになってしまう
・あれこれ言われると、どうすればいいのか分からなくなってしまう
という状態になり、その結果キレてしまうのです。
つまり、すぐカッとなる怒りっぽい発達障害の子どもに対応するときは、親子関係をよくして脳に届く声かけをすることが必要なんです。
すぐ怒る子どもに必要な対応はコレ!
ではキレやすい発達障害の子どもにはどんな対応をすればいいのでしょうか?ここでは3つの対応をお伝えします。
◆話しかけるときは「3つのS」
お母さんの言葉をきちんと脳まで届けるためには、子どもに「聞きたい!」と思わせることが必要です。そこでお母さんは子どもに話しかけるときは
・笑顔で(smile)
・ゆっくりと(slowly)
・優しく(sweet)
の3つに気をつけてください。
私たち大人も、とげとげしく声をかけられたら、話を聞きたくはないですよね?
子どももそれと同じです。お母さんが「3つのS」を心がけることで、子どもの反抗的な態度も落ち着くため、お互いにイライラしなくて済むようになり親子関係もよくなっていきますよ。
◆できているところを褒める
次にやってほしいことは、普段からできていないことを指摘するのをやめて、できていることに注目すると言うことです。
みなさんは指示を出すときについつい
「いつまで遊んでるの!?早くご飯食べて!」
「また歯磨きするの忘れてるじゃない!」
と子どもを責めるような声かけをしてしまっていませんか?
先ほどもお伝えしたように、否定的な言葉は子どものやる気を奪うだけです。
反対に子どもは褒められると自信がつき、行動力がUPします。つまり、褒める量を増やすことで子どもは素直に行動できるようになるんです。
褒めると言っても特別なことではありません。例えば何か指示を出すときでも
「本を読んでるんだね。ご飯ができたから食べようか♪」
「ご飯食べれたね。じゃあ歯磨きしようか♪」
という感じで、指示を出す前に子どもがやったことをそのまま口に出せばいいだけなんですよ。
◆落ち着くのを待つ
先ほどもお伝えしたように子どもがキレているときは、脳が暴走している状態です。
ですからお母さんは、子どもが落ち着くまで待ってください。「何も気付いていない」と態度でスルーしてほしいのです。一旦別の部屋に行って子どもから離れるのも1つの手です。
そして子どもの様子が落ち着いたら「ちゃんと落ち着けたね」と褒めてあげます。
その後に「何か嫌なことがあったの?」と聞いてあげてください。
このときに、子どもの考えを否定したり責めるのはNGです。
お母さんはひたすら「そうなんだね」「それは嫌だよね」と共感してあげましょう。そして最後は「〇〇くんの気持ちを教えてくれてありがとう」としっかり肯定してあげます。
子どもにこうやって自分の思いを話させることは、自分の考えを整理するトレーニングになります。ですからお母さんが話を聞いてあげることで
・お母さんを信頼するようになり、親子関係が良くなる
・嫌なことがあってもキレるのではなく、落ち着いて考えることができるようになる
という2つの効果があります。
ちなみに我が家の息子ですが、こんな風に対応を繰り返していくうちに
・うまくいかないことがあっても、落ち着いて取り組めるようになった
・素直に指示に従って行動できるようになった
などの変化が現れました。お母さんが対応を変えれば、子どもの怒りっぽさは解消できるんです。
いかがでしたか?すぐにカッとなりキレやすい発達障害の子どもに効果的な対応は
・話しかけるときは「3つのS」を意識する
・できているところを褒める
・落ち着くのを待つ
の3つです。今日から早速試してくださいね!
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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