漢字が苦手な小学生に起きていること
何度も書いて漢字を練習しているのに、テストで同じところでまた間違える。そんな経験はありませんか?
私もまったく同じでした。間違えるたびに「ちゃんとやってるのになんで…?」と感じていました。
小学2年生の息子の漢字テストは80点でした。決して悪い点数ではなく、惜しいミスがほとんどでした。
息子が行っている小学校の漢字テストは、100点を取れるまで何度も再テストを行わなければなりません。
しかし息子は2度目のテストでも85点でした。
テストは前回受けた問題と全く同じで、問題も答えもわかっているのに間違えていました。
そして答案を見ているとあることに気づきました。間違いのほとんどが送り仮名の問題だったのです。
惜しいミスもありましたが、送り仮名だけ空欄だったものもありました。
実際に家で漢字練習しているときも全く同じでした。送り仮名の問題になると一度手が止まり、そのまま飛ばす、そして最後に送り仮名の問題に戻り、迷いながら書いていく。
もちろん合っているときもありますが、それでも同じように送り仮名でまた間違える。
「何度も書いてるのに、どうしてここだけ間違えるの?」そう思いながら焦りもあり、正直イライラもしていました。

そのとき、ふと違和感が残りました。
私は「ちゃんと練習させているのに」と思っていたけど、それは、私にとっての正しさを押し付けていただけかもしれないということです。
今回私が気がついた見方のズレと、送り仮名を覚えられた実例をご紹介します。
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なぜ何度書いても覚えられないのでしょうか?
私は、小学生でも苦手な漢字や送り仮名は何度も書けば覚えられると思っていました。
苦手なところほど、繰り返し書けばいい、そう考えて何度も書かせて、間違えたらまた書かせる。
お風呂の中でも問題を出して、とにかく覚えさせようとしていましたが、それでもまた間違える。
「何度もやっているのに、できるようにならない」
その状態が続き、私はできるようにさせなきゃという焦りと不安な気持ちでいっぱいになっていました。
実は送り仮名が苦手な子どもには、学習障害(LD)グレーゾーンの特徴を持っているケースも少なくありません。
主な特徴としては
・文字を正しく書き写せない(板書が苦手)
・文字や数字が鏡文字(左右反転)になる
・ひらがなや漢字の部首を忘れる、間違える
といった傾向が見られますが、「書いても覚えられない」という状態は、特性の有無に関わらず起こります。
私は発達科学コミュニケーションに出会ったことで、小学生の息子が漢字を覚えられないことにある違和感を持ち始めました。
もしかして覚え方が合っていないのではないか。そこにはふと気づいた場面がありました。

息子は好きな歌を見つけると、YouTubeで歌詞付きの動画を流しながら、わかるところから口ずさんでいました。
それを繰り返すうちに、少しずつ歌詞が合っていく。
その姿を見たとき、覚え方そのものが違うのではないかと気づきました。
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漢字が苦手な小学生への関わり方
私は息子を観察したことで、覚え方そのものが違うことに気がつき、「音で覚えているのかもしれない」と仮説を立てました。
そこで早速お風呂の中で試してみました。
お風呂の鏡に「教」という字だけを書いて、「おし…」と、あえてそこで止めてみました。
すると息子は、続きを考えるようにこちらを見て、「……える?」と小さく答えました。その瞬間、「あ、つながった」と感じました。
「そうそう!合ってるよ!」と伝えると、息子の表情がパッと明るくなりました。
そこで続けて「次もできそうだね」と声をかけながら、「考」を書き、「かんが…」と止めてみると「える!」と今度は自信を持って答えることができました。
「すごい!連続正解だね!」と伝えると、息子は嬉しそうに手を上げて喜んでいました。
このように「途中まで伝えて続きを考える」ゲーム感覚にすると、他の漢字も楽しそうに答えていきました。
もちろん1回でうまくいかないこともありましたが、それでも同じように声をかけ続けると、息子は送り仮名を答えることができました。
息子は書いて覚えていたのではなく、音でつなげて理解していたと、そのとき気づきました。

送り仮名がある漢字を音で伝え続けてみると、息子に少しずつ変化が現れました。
なんと漢字の宿題でも送り仮名の問題を飛ばさなくなったのです。そして漢字や送り仮名を書くときに、声に出して確認するようになりました。
何より、自分から漢字練習に取り組もうとする姿も増えていったのです。
その姿を見たとき、私は強く感じました。
理解とは正解することではなく、つながることだということです。なぜなら、つながっていない状態での正解は、次の問題で崩れるからです。
漢字が苦手な小学生の息子に私はどうやって覚えさせるかばかり見ていて、この子がどうやって覚えているかを見ていなかった。
しかし息子を見る視点を変え、この子は今何をどう理解しているのか、どこでつながっていないのか、息子の状態を見るようになったことで今回のように変化が生まれました。
この経験からあのときの自分に伝えたいのは「そんなに書かせなくても大丈夫」ということです。
子どもがつまずいているとき、本当に見直すべきなのは教え方ではなく、親が見ている場所なのかもしれません。
できていないことを埋めようとするのではなく、どこでつながっていないのかを見ること。
その視点を持つことで、子どものわからないは変わり始めます。
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執筆者:前田みづき
(Nicotto Projectアンバサダー)
漢字が苦手な子の理解が進む関わり方をお届けしています


