お小遣いの管理が苦手な我が家の息子
皆さんのご家庭では「お小遣い」をあげていますか?
お小遣いはいつから渡すのか、いくら渡すのか、お小遣いを渡し始めるタイミングって難しいですよね。
今回は、注意欠陥多動性障害(ADHD)がある息子のお話を紹介します。
お小遣いを渡し始めるタイミングはご家庭によってそれぞれだと思いますが、わが家は上の子が小学校4年生の時から渡しはじめました。
いつかはお金の大切さをわかってほしい
計画的に使えるようになってほしい
そんな思いがあったのです。
手元にあるお金の範囲内で使えるように、定額制でお小遣いを始めました。
はじめは、渡しても貯金箱の中に入れて貯めていたのですが、しばらく経った頃、友だちと遊びに行くときに数百円を持って出掛けるようになりました。
少額だったこともあり、お金の使い道には口を出していませんでした。しかし、ある時カバンを見ると、まだ家にあるお菓子がたくさん入っていたのです。
自動販売機でジュースを買ったり、好きなお菓子を買って嬉しそうな息子。
あればあるだけ使ってしまうので「この先大丈夫だろうか?」と不安になる日が多くなりました。
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ADHDタイプの計画力が育たない理由
あればあるだけお金を使ってしまう子を見て不安にならない親はいないと思います。
では、なぜADHDキッズは計画力が育ちにくいのでしょうか?その理由を次でお伝えします。
衝動性が強い
ADHDタイプの特性の1つに「衝動性」があります。
ADHDタイプは脳機能の偏りがあり、自分自身をコントロールすることが難しいのです。
私たちの頭の中には、自分自身をコントロールしようとするエリアがあるのですが、その機能が弱いため衝動的に動いてしまいます。
だから「あれ欲しい!」と思うと後先考えずに買ってしまうのには
「自分自身をコントロールできず、衝動的に動いて買ってしまう」
こんな理由があるんです。
分析をすることができない
普段の遊びや生活などの場面では「次はこうしてみよう」「ああしてみよう」と試行錯誤したり、失敗を次に活かそうと考える機会はよくありますよね。
例えば
「お金を使いすぎちゃったから次からはどうしよう?」
となった場合
大人であれば
・持っていく金額を少なくする
・いくら使えるのか予算を考える
など、
前回の反省を次に生かす
ことができますが、ADHDキッズはそうもいきません。
「今回はお金を使いすぎちゃったな」
という、感想で終わってしまいます。
これは、脳の中の状況を分析する力が未熟で「今どういう状況なのかをきちんと分析する」ことができず、次どうしたらよいかという分析にまで辿り着かないのです。
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プレゼント大作戦でお金の使い方を伝える方法
ADHDの特性があったり、脳の機能の未熟さによって計画力が育ちにくいことをお伝えしましたが、もし計画力を育てたい!と思ったらどうしたらよいのでしょうか?
ここからは、わが家で実際にやってみた内容をお話しますね。
それはプレゼント大作戦です!
実は、先程紹介した「分析したり反省を生かせない」という課題を解決するには
・300円以内でお菓子を買う
・この材料で作ってみよう
というような、制限をかけながら目標に向かって行動することで鍛えることができます。
今回、わが家は家族に誕生日が近い人がいたので、その相手に向けてプレゼントを買うというミッションに取り組んでみました。
手順としては
①誰に買うのか決める
②予算や買うものを決める
③実際に買いに行く
です。
お子さんの年齢やできる内容にアレンジして大丈夫なのですが、「予算は300円以内で、黒のボールペンを買いたい」となった場合、目標に辿り着くように行動することがポイントになります。
また、ここでは「待つ」ということも大きなポイントになります。迷っている時や動き出すまでの間、脳はフル回転してどうしようか考えているからです。
わが家も実際買いに行った時、商品を決めるまでかなり迷っていました。たくさんある商品の中から選べなかったり、設定金額を超えていたり、決めた色と違うものを選んだりしていたのですが、ここではなるべく口出しせず見守りました。
そしてどうしても悩んでいたり決まらない場合には、こんな声かけをしてみてください。
設定金額を越えてしまっている場合は「今いくらかな?越えちゃってるね。いくらで買うって決めたかな?」と、振り返りをしてもらいます。「300円」と言えたら「正解!よく思い出したね」と思い出せたことを肯定します。
決めた色と違うものを選んだ場合には「その色もいいね!」とまずは共感してみてください。その後、「最初は黒を買うと言っていたけど、どうする?変える?」と本人が決めるような声かけをします。最初の色を選んでも、色を変えても「ちゃんと決められたね」と決められたことを褒めてみてくださいね。
迷ってしまった場合は「どっちにする?」と選んでもらったり、選んだ時には「素敵だね!いいと思うよ」とできた経験をすることで、成功体験にすることができます。
最終的に、息子は100円の黒のボールペンを選びました。ラッピングをつけても300円以内に収まりプレゼントが買えたので本人もとても満足していました。
自分で金額を決めて買い物ができるように!
それから息子には制限をかけた買い物をやってもらうようにしました。
・〇円渡すからこれで食材を買ってきてくれる?
・100円まででお菓子を買ってみよう
一緒に買い物に行った時は、脳を発達させるチャンス!と捉え少しずつ取り組みました。
ある時、いつものようにお小遣いを持って出掛けようとしたのですが
「今日は200円だけ持っていこう」
と自分で金額を決めて持っていくことができました!
何を買ったの?と聞くと「ジュースとお菓子を買った」と教えてくれ、自然と会話や笑顔も増えました。
ADHDキッズの金銭感覚を育てるポイントは
・ADHDの特性や、脳の未熟さがあることを理解する
・制限をかけながら目標に向かって行動する
・行動している間は待つ
・できた!という成功体験をたくさん作る
です!
ぜひ、試してみてくださいね。
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執筆者:松田あいり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)