漢字が苦手な子が楽しく勉強できる!漫画「進撃の巨人」の活用術

小学校高学年なのに、簡単な漢字が書けないお子さんに困ってるお母さんはいませんか?全く書けないわけではないけれど、漢字が苦手で繰り返し漢字練習することが大嫌いな子どもが、楽しく勉強できる方法をご紹介しますね。

小学校高学年なのに、簡単な漢字が書けないお子さんに困っていませんか?

 

我が家には発達障害グレーゾーンの小学6年生の息子がいます。

 

先日、おばあちゃんに絵を描いてプレゼントした時のことです。

 

「裏に明子へって書いてくれる?」と、お願いされた息子は「あきって月と日だよね?こってどう書くんだっけ?」と、【明子】という漢字が書けませんでした。

 

元々、漢字が苦手な息子でしたが、「まさか、6年生にもなって小学校低学年で習う漢字が書けないなんて!」と、私は大きなショックを受けました。

 

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漢字が書けない理由とは?

 

書字障害グレーソーンとは

 

「学習障害(LD)」は、「自閉スペクトラム症(ASD)」、「注意欠如多動症(ADHD)」と同じく発達障害の一つです。

 

一般的には知的発達の遅れがないにもかかわらず、読み書きや計算、推論など特定の能力の習得や使用に困難がある状態をLDと呼んでいます。

 

LDは主に以下の3つのタイプに分けることもできます。

 

・読字障害

・書字障害

・算数障害

 

また、上記3タイプそれぞれにおいて、困りごとはあるのに診断基準を満たしていないために、障害と診断されないグレーゾーンと呼ばれる子たちがいます。

 

特に書字障害グレーゾーンの子は、

・ゆっくり書けば字を書くことができる

・文字は書けるが、バランスが悪い

・平仮名は書けるのに漢字が書けない

など、全く書けないわけではないので、「努力が足りない」「怠けている」と見られてしまうことがあります。

 

 

漢字を習得するプロセス

 

漢字の形を正確にとらえて記憶するには視覚による情報処理が必要です。単に字が見えるというだけでなく、その字の形や意味、使い方なども記憶しなければなりません。

 

漢字を書くときにはその記憶を正確に思いだし、手指と連携させて文字を書きます。これらのプロセスにつまずきがあるとスムーズに書けなくなるのです。

 

漢字を習得するプロセスとは

①形を正確にとらえる

②目で見た形を記憶する

③読み方や意味と文字(漢字)を結びつけて覚える

④記憶した形(漢字)を頭の中で探して思い出す

⑤頭の中で思い出した漢字の形を正しく再現できるように手指を動かす

⑥細かいとめ、はねなどの形を正しく書く

 

漢字を書くためには、このようなプロセスがあり、このプロセスのどこか1つでも苦手があると漢字が書けないことにつながってしまうのです。

 

そして、漢字を書くときに使っているチカラとして

「見たものを正確にとらえるチカラ(視覚認知力)」

「文字を音にするチカラ(音韻処理力)」

「目と手など体の違う機能を同時に動かすこと(協調運動)」

があります。

 

では、それぞれのチカラが弱いとどんな困りごとにつながるのでしょうか?

 

「見たものを正確にとらえるチカラ(視覚認知力)」

必要な情報を一時的に記憶、処理する機能が低いので、漢字の形を覚えることが難しく、正確に覚えることができません。

 

「文字を音にするチカラ(音韻処理力)」

漢字の読み方、意味を漢字と結びつけて覚えることが苦手です。

 

「目と手など体の違う機能を同時に動かすチカラ(協調運動)」

指先の神経発達が未熟な不器用なタイプは、イメージ通りに字を書くこと自体が苦手なため、字を書くのに時間がかかっていることがあります。

 

このように、漢字を書くことが苦手な子は、どのプロセスでつまずいているのかに気づいてあげて、適切な支援をすることがとても重要です。

 

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漢字が苦手な子の書くチカラを伸ばす方法

 

漢字が苦手な息子は、いつのころからか、漢字の宿題をやらなくなってしまいました。学校の漢字のテストも毎回ほぼ白紙です。

 

漢字を覚えるためには、とにかく繰り返し書かせるしかない!自分もそうやって覚えてきたし、とにかく書かせなきゃ、と思っていました。漢字を書くことを嫌がる息子に、何度も書かせようとして、親子バトルになっていました。

 

ですが、学校で教わる繰り返し書かせるという学習方法は、漢字が苦手な子には逆効果なことが多いんです。間違えたり、きれいに書けなかったり、やり直しが多くなって、ますます書くことが嫌になってしまいます。

 

ですから、漢字の苦手な子には無理に漢字練習をさせるのではなく、まずは漢字を書くチカラを伸ばすことから始めます。

 

 

漢字を書くときに使っているチカラは

「見たものを正確にとらえるチカラ(視覚認知力)」

「文字を音にするチカラ(音韻処理力)」

「目と手など体の違う機能を同時に動かすチカラ(協調運動)」

の3つです。

 

ポイントは、子どもが好きなこと、楽しいこと、興味のあることを一緒にやりながら上記の3つのチカラを伸ばすことです。子どもの脳は、嬉しい、楽しい、好きなどポジティブな感情の時に発達します。

 

見るチカラを伸ばす間違い探しや、大好きな絵本を読むこと、好きなキャラクターの絵を書くことなど、一見すると漢字とは関係のないことが書くチカラを伸ばすのです。

 

漢字学習が楽しくできた!漫画「進撃の巨人」の活用術

 

今、息子が一番興味があるのは、「進撃の巨人」です。息子は自分のお年玉で漫画本を全巻そろえた後、映画も4回観に行きました!

 

まずは、息子が好きな「進撃の巨人」はどんな内容なのか知るために、私も漫画を全巻読みました。理解できないところを息子に聞いたり、息子はどのキャラクターが好きなのか、会話をしながら読み進めました。

 

あるとき、息子が漫画を見ながら巨人の絵を書いていたので、「立体的に書けているし、細かいところまでよく見て書けているね」と、褒めると、集中して何枚も絵を書いていました。

 

「進撃の巨人」の漫画は漢字が多く使われており、すべてにフリガナが振ってあります。漫画を読むことは「見たものを正確にとらえるチカラ(視覚認知力)」や、「文字を音にするチカラ(音韻処理力)」を身に着けることができます。また、漫画本を見ながら絵を描くことは、「目と手など体の違う機能を同時に動かすチカラ(協調運動)」を伸ばすことができます。

 

息子は漢字練習帳に何回も書くのが苦手なので、楽しく絵を描きながら、1回だけ漢字を書いてもらうことにしました。

 

「このページの『救助』って漢字は5年生で習う漢字だね。漫画を見ながら、丁寧に1回だけ漢字を書いて、このページの絵を描いてみて!」と、提案すると、「それならやってみる!」と、漫画の小さい文字をよく見て、丁寧に漢字が書けましたし、絵も楽しそうに書いていました。

 

すかさず、「漢字が丁寧に、書けているね!字のバランスがいいね!絵も細かいところまで描けていて、影のところがいいね」と、褒めると、何枚も挑戦できました。

 

さらに、「『前妻』って意味知ってる?」と、聞くと、「前に結婚してた人でしょ」と、漫画のストーリーから、漢字の意味も理解できていました。漫画にはストーリーがあるので、漢字の意味を知るにも、ストーリーから読み取れることから、漢字学習には良いツールだと感じています。

 

こうして、漢字が苦手な息子が、大好きな「進撃の巨人」の漫画を使って、楽しく漢字を書くことができるようになりました。

 

いかがでしたか?漢字を書くのが苦手な子は、繰り返し漢字練習をさせるのではなく、子どもが好きなこと、楽しいこと、興味のあることで漢字を書くチカラを伸ばし、楽しく漢字を書くことがポイントです!

 

みなさんも、ぜひ試してみてくださいね。

 

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執筆者:原ちず
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
 
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